建築家の芦原義信(1918-2003)の設計で知られる〈ソニービル〉の解体途中に、”都会の中の実験的な公園”として開園した〈Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)〉が、当初の予定通り、間もなく次のフェーズに移行します。
建物を壊しながらも、公園の形にして残すという、建築のプロセスとしても非常にユニークな形態をとった〈Ginza Sony Park〉は、「街に開かれた施設」という旧ソニービルのコンセプトを継承・進化させることを目的に、2018年8月にオープン。フランス料理の名店「マキシム」が入っていた地下は、特徴的な螺旋階段を残し、スケルトンとなった状態で、吹き抜けのある特徴的な「垂直立体公園」として営業していました。
この「垂直立体公園」や地下空間などを舞台に、同パークでは開園以来、アートやデザイン、音楽、映画、食、ファッション、テクノロジーなど、多岐にわたる分野の個性豊かなアーティスト・クリエイターやパートナーとともに、各種イベントを開催(本稿フッターに関連リンクあり)。「都会の中で変わり続ける実験的な公園」を独自に創り上げてきました。これまでの約3年間の来園・来場者は、のべ830万人を超えるとのこと(2021年8月末時点)。
パークの開園は2021年9月30日まで。その後、10月よりビルの建て替え工事を進め、2024年に「Ginza Sony Park」としてフェーズの最終形が完成します。
一時閉園となる〈Ginza Sony Park〉では、ファイナルプログラム「Sony Park展」を2021年6月26日より開催。ソニーが取り組む多様な6つの分野をテーマに、YOASOBIやCreepy Nutsらソニーミュージックグループに所属するアーティストが加わり、展開しています(以下は終了した企画・プログラムを含む)。
「Sony Park展」概要
会場:Ginza Sony Park 地下2-4階
料金:入場無料(一部予約制、入場制限あり)
会場構成(以下*印の6会場):中原崇志+阿部真理子
企画:ソニーPCL
主催:ソニー
メインプログラム
1.ゲームは、社交場だ。/ with 岡崎体育(会期:6月26日〜7月7日)終了
*2.音楽は、旅だ。/ with 奥田民生(7月13日〜24日)終了
3.ファイナンスは、詩だ。/ with 東京スカパラダイスオーケストラ(7月30日〜8月10日)終了
*4.映画は、森だ。/ with millennium parade(8月16日〜27日)終了
*5.半導体は、SFだ。/ with YOASOBI(9月2日~13日)終了
*6.エレクトロニクスは、ストリートだ。/ with Creepy Nuts(9月19日~30日)
各プログラムの詳細情報は、会場イメージ画像をクリックすると、リンク設定先の「Sony Park展」の公式ウェブサイトの各ページで確認してください。
PARK B1-B4 / 地下1-4階「エレクトロニクスは、ストリートだ。/ with Creepy Nuts」(会期:9月19日~30日)会場イメージ
「ジャッカル」の愛称で親しまれたテレビ一体型ラジカセ(ラジオ付カセットレコーダー)の巨大再現モチーフが登場
展示内容:
テーマ「エレクトロニクスは、ストリートだ。」のもと、日本のヒップホップシーンを席巻する Creepy Nutsの2人がパーソナリティを務める架空のラジオ番組「Creepy Nuts ”Park Radio”」と、ワールドチャンピオンDJ松永による「DJ Matsunaga Routines for Ginza Sony Park」を展開。
詳細:https://www.ginzasonypark.jp/program/029/06.html
メインプログラム アーカイブ
コンポーザー Ayaseとボーカル ikuraからなる、小説を音楽にするユニット「YOASOBI」をコラボレーターに迎えた5番目のプログラム「半導体は、SFだ。with YOASOBI」では、2021年9月15日に配信リリースされたばかりの新曲「大正浪漫」とのコラボレーション企画でした。
サブコンテンツ
*1.AUDIO GAME CENTER +(2021年6月26日~7月18日)終了
2.人類の未来のための研究 – ソニーCSL研究公開(7月24日~8月10日)終了
3.ONE DAY 2050 / Sci-Fi Prototyping - Sony Design(8月31日~9月13日)終了
旧ソニービル「銀座の庭」の真下にある、10坪ほどのバー「Bar Morita」やx[*]も、9月30日までの特別営業となります。。
x*緊急事態発令中はノンアルコールカクテルのみの提供
プログラム一覧
https://www.ginzasonypark.jp/program/
〈Ginza Sony Park〉を訪れた人とアートとの偶発的な出会いを、パーク余白のスペースを活用して提供してきたアート作品展示も、フェーズ1終了をもって見納めとなります。
2018年から地下1階を飾っていた、写真家・ホンマタカシ氏のフォトグラフ、Informationカウンター前を2020年春より彩ってきた、アーティスト・SHUN SUDOによるダイナミックなウォールアート、ソニー製品のパッケージなどから作られた、アーティスト・NAIJEL GRAPHのアート作品や、園内各所にちりばめられた、画家・山口幸士による、〈Ginza Sony Park〉をモチーフに描かれた新作絵画の常設展示『余白の記録』も、それぞれ9月30日までとなります。
そのほか、館内にて期間限定で営業していた、路面店のカフェ「ÉCRU. GINZA」や、日本茶を再定義した新スタイルのカフェスタンド「GEN GEN AN 幻」、かまパン&フレンズ「ナチュラル物産」などの各テナントの営業も、、9月30日までとなりますx(定休日および営業時間は各店舗により異なる / 販売メニューや営業時間・定休日を変更する場合あり)。
ショップ一覧
https://www.ginzasonypark.jp/shop/
また、フェーズ1のピリオドとなる最終日の9月30日には、「LAST DAY IN THE PARK 2021」と題して、この空間をパフォーマンスで彩ったアーティストや、プロジェクトにさまざまな視点をもたらすクリエイターが参加するイベントが2部構成でライブ配信されます(視聴無料)。
第1部は、「Ginza Sony Parkとは何だったのか?」を考察する2つのトークセッション。
Session1「都市と、建築と、Ginza Sony Park」では、建築家・浅子佳英氏、ランドスケープアーキテクト・石川初氏、建築史家・倉方俊輔氏が登壇。Session2「ブランドと、コミュニケーションと、Ginza Sony Park」では、ビジネスデザイナー・濱口秀司氏、デザインエンジニア・田川欣哉氏がそれぞれ登壇します。
〈Ginza Sony Park〉が開園してからの3年間で大きく変容した社会・環境を踏まえ、ソニープラザとして次のフェーズ2に移る節目を機に、「都会の中の実験的な公園」について多様な視点から考察します。
第2部では、毎週金曜夜に、音楽との偶発的な出会いを提供してきた「Park Live(パークライブ)」にこれまでに登場したアーティストたちが再集結。スペシャルライブセッション「Park Live Special Session」が配信されます(事前収録を含む)。
開催日時:2021年9月30日(木)14:45開始
視聴方法:Ginza Sony Park 公式WebサイトおよびYouTubeチャンネルにてライブ配信
料金:無料
https://www.ginzasonypark.jp/lastday
https://youtube.com/ginzasonypark/
第1部 トークセッション
テーマ:「Ginza Sony Parkとは何だったのか?」
Session1「都市と、建築と、Ginza Sony Park」
14:45-16:15
登壇:浅子佳英、石川 初、倉方俊輔
聞き手:Ginza Sony Park Project 主宰 永野大輔
Session2「ブランドと、コミュニケーションと、Ginza Sony Park」
17:00-18:30
登壇:濱口秀司、田川欣哉
聞き手:Ginza Sony Park Project 主宰 永野大輔
第1部登壇者プロフィール
浅子佳英(あさこ よしひで)
建築家、編集者
1972年神戸市生まれ。2010年東浩紀とともにコンテクチュアズ(現ゲンロン)設立、2012年退社。2007年タカバンスタジオ設立。2021年出版機能を追加し株式会社PRINT AND BUILD創立。建築作品に、「gray」(2015)。八戸市美術館(2021)など。
主な論考に「コム・デ・ギャルソンのインテリアデザイン」『思想地図β Vol.1』(2010)など。
商業空間を通した都市のリサーチとデザインを得意とし、街中のショップをリサーチする「TOKYOインテリアツアー」、都市をリサーチした展覧会「TOKYOデザインテン」、公共空間のリサーチ「パブリック・トイレのゆくえ」(2017〜)の企画監修などを行う。石川 初(いしかわ はじめ)
ランドスケープアーキテクト
慶應義塾大学環境情報学部教授。博士(学術)。京都府宇治市生まれ。東京農業大学農学部造園学科卒業。鹿島建設建築設計本部、ランドスケープデザイン設計部を経て、2015年より現職。
『思考としてのランドスケープ ―地上学への誘い』(LIXIL出版、2018)にて日本造園学会賞受賞。ランドスケープの思考を様々なデザインに応用する研究・教育に携わっている。倉方俊輔(くらかた しゅんすけ)
建築史家
1971年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学大学院修了後、博士(工学)。2011年より大阪市立大学准教授。近現代の建築史の研究や執筆の他、日本最大の建築公開イベント「イケフェス大阪」の実行委員会委員を務めるなど、建築の魅力的な価値を社会に発信する活動を展開している。主な著書に『京都 近現代建築ものがたり』『みんなの建築コンペ論』『吉阪隆正とル・コルビュジエ』など。日本建築学会賞(業績)、日本建築学会教育賞(教育貢献)ほか受賞。濱口秀司(はまぐち ひでし)
ビジネスデザイナー
京都大学卒業後、松下電工(現パナソニック)入社。研究開発に従事後、全社戦略投資の意思決定分析担当となる。1993年日本初のイントラネットを高須賀宣(サイボウズ創業者)と考案・構築 。1998年米国のデザインコンサルティング会社zibaに参画。世界初USBフラッシュメモリーのコンセプトをはじめとする数々のイノベーションや事業戦略立案をリード。2012年ビジネスデザインファーム monogotoを創業。独RedDot デザイン賞審査員。ポートランド、ロサンゼルス在住。田川欣哉(たがわ きんや)
Takram 代表取締役 / デザインエンジニア
東京大学工学部卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。
テクノロジーとデザインの幅広い分野に精通するデザインエンジニア。主なプロジェクトに、日本政府の地域経済分析システム「V-RESAS」のディレクション、メルカリのCXO補佐などがある。経済産業省・特許庁の「デザイン経営」宣言の作成にコアメンバーとして関わった。
グッドデザイン金賞、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクションなど受賞多数。経済産業省産業構造審議会 知的財産分科会委員。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉フェロー。東京大学総長室アドバイザー。
第2部 ライブセッション
「Park Live Special Session」
21:30-22:30
出演:蓮沼執太、U-zhaan、大野由美子、荘子it、SASUKE、いとうせいこう、イ・ラン、MIHO HATORI
「LAST DAY IN THE PARK 2021」詳細(ミュージシャン略歴、当日配信URLはこちら)
https://www.ginzasonypark.jp/program/035/
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