京都の京都市京セラ美術館(上の外観写真 / 撮影:来田 猛)にて、開館1周年記念展「モダン建築の京都」が、12月26日まで開催されています。
今日でこそ、国内外に知られた観光都市としてその名が知られる京都ですが、明治維新を期に、天皇の住まいが東京に移ると、都市として衰退した時期がありました。その後の復興を経て、教育や先端技術、文化や観光などにおける先駆的な都市として発展し、それらを象徴するように数々の名建築が建設されたという近代史があります。
明治以降に建てられた洋風建築や近代和風建築、モダニズム建築など、いわゆる「モダン建築」は、戦争や自然災害などの大きな被害を受けなかったこともあり、その多くが現存しています。ユネスコの世界遺産にも登録されている、平安期や中世の寺社仏閣が注目されがちな京都ですが、日本近代化の縮図としても興味深い歴史をたどった都市と言えます。
このように、近現代建築の宝庫でもある京都は、歴史的価値ある建築の保存活用の先進都市でもあります。その事例の1つである、京都市京セラ美術館(1933年創建時の名称は大礼記念京都美術館)にて開催される本展は、建築を通して京都を知る、同館として初の大規模建築展です。7つの章立てで計36のプロジェクトを紹介。貴重な原図面や模型から、時代背景を伝える写真や映像、家具まで、多様な資料約400点で構成されます。
会期中は、関連イベントとして、本展を担当したキュレーターの解説付きで会場を巡るギャラリートーク(定員10名、当日先着順に受付)なども各種開催。また、京都のまちを歩きながら、実際の建物の前で解説が聴ける音声ガイドアプリ「モダン建築クロニクル KYOTO」も用意されている(有料、1コースあたり600円 / 会期中セット価格あり)。
さらに、大雲院 祇園閣(旧京都大倉別邸祇園閣)や旧三井家下鴨別邸、長楽館など、各所それぞれの日程と企画内容で、特別ツアーや特別公開などの連携企画も楽しめます。
展示構成:
第1章 古都の再生と近代
第2章 様式の精華
第3章 和と洋を紡ぐ
第4章 ミッショナリー・アーキテクトの夢
第5章 都市文化とモダン
第6章 住まいとモダン・コミュニティ
第7章 モダニズム建築の京都
会期:2021年9月25日(土)~12月26日(日)
休館日:月曜
開館時間:10:00-18:00(入場は17:30まで)
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
所在地:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124(Google Map)
料金:一般 1,900円、大学専門学生 1,400円、高校生 900円、小中学生 400円
※割引設定については、京都市京セラ美術館のウェブサイトを参照
展覧会メインビジュアル
アートディレクション:おおうちおさむ イラストレーション:中川 学
企画:前田尚武(京都市京セラ美術館 企画推進ディレクター)
アドバイザー:山形政昭(大阪芸術大学名誉教授)、中川 理(京都工芸繊維大学名誉教授)、田路貴浩(京都大学教授)、中嶋節子(京都大学教授)、倉方俊輔(大阪市立大学教授)、河野良平(京都橘大学准教授)、笠原一人(京都工芸繊維大学助教)、三宅拓也(京都工芸繊維大学助教)、石川祐一(京都市文化財保護課技師)
監修:石田潤一郎(京都工芸繊維大学名誉教授)
主催:モダン建築の京都展実行委員会(京都市、京都新聞、NHK京都放送局、KBS京都)
京都市京セラ美術館ウェブサイト
https://kyotocity-kyocera.museum/