COMPETITION & EVENT

大規模な建築公開イベント「東京建築祭」5/25-26開催決定

通常非公開の建築が見られる! オールイン方式でクラウドファンディングを開始

建築公開イベント「東京建築祭」が2024年5月25日と26日に開催されます。主催は本イベントのために設立された東京建築祭実行委員会(実行委員長:倉方俊輔氏)。

同実行委員会では、初開催となる本イベントの運営費の一部に充填する目的のクラウドファンディングを2月9日より開始しました。目標金額の400万円に達しなくてもリターンがあるオールイン方式で、リターンには、東京・銀座で建設中の〈Ginza Sony Park〉特別見学会や、1920年竣工のセセッション様式の名建築〈日本工業倶楽部会館〉(東京・丸の内、下の画)の特別見学会などを含みます(注. 見学会は「東京建築祭」開催前に実施予定)。

日本工業倶楽部会館

東京・丸の内〈日本工業倶楽部会館〉外観

歴史ある建造物などを原則無料で公開し、その魅力を伝えることを目的とした建築イベントは、建物単体では日本各地で数多行われています。
都市の名を冠した建築イベントとしては、2009年の福岡[*1]を皮切りに、広島の「たてフェス」[*2]、そして大阪では毎秋の恒例イベントとなった「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(Open House Osaka)」(通称:イケフェス)[*3]があります。

「イケフェス」の動員数はのべ6万人、2022年から京都で開催されている「京都モダン建築祭」[*4]はのべ4万8千人、2023年から始まった「神戸モダン建築祭」[*5]はのべ2万5千人という実績です。一般の人々が建築への楽しみを深め、自分たちが住んでいるまちの魅力を再発見する、都市の魅力発信に欠かせないイベントとして認識されつつあります。
今年初開催の「東京建築祭」も、来年以降も毎年開催を目指し、回を重ねるごとに開催エリアと期間を拡大して、市民参加の建築イベントとして先行するシカゴやロンドンに並ぶ世界的な建築の祭典[*6]に育てていきたいとのこと(プレスリリースより)。

東京建築祭

左上から時計まわりに:解体された中銀カプセルタワーからレスキューされた再生カプセルを用いた新スペース〈SHUTL〉(東銀座)、江戸屋(日本橋大伝馬町)、三井本館(日本橋室町)、日本工業倶楽部会館(丸の内)※画像:本イベントクラファンページより

「東京建築祭」では、実行委員会に「イケフェス大阪」「京都モダン建築祭」の立ち上げから参画してきた建築史家の倉方俊輔氏(大阪公立大学教授)が実行委員長を務め、建築の価値の発見と継承を実践してきた多彩な専門家が集結。さまざまな立場から建築と都市の価値を発見してきたメンバーにより、多様な視点でまちを捉え、人々が建物の楽しみを深めることのできる見学ツアーなど各種を計画中です。

東京建築祭

イベントイメージ(東京ステーションホテル、東京駅前広場、三井本館ほか)※画像:本イベントクラファンページより

メッセージ

東京建築祭実行委員会(委員長:倉方俊輔)が実施する「東京建築祭」は、年に度の建築のフェスティバルとして、広く親しまれるものになることを目指しています。
会期中には、建物の所有者・運営側の賛同を得て、通常は非公開の建物が特別に公開されます。使い手や専門家らによるガイドツアーなども実施し、建築をより身近に考える機会を提供します。

社会に貢献することを目的とした無料プログラムを含めた継続的な開催を念頭に置き、初年度は、日本橋・京橋、丸の内・大手町・有楽町、銀座・築地のエリアを中心に企画が進行中です。その運営資金の一部に充てることを目的に、目標金額を400万円としてクラウドファンディングを実施します。(東京建築祭実行委員会)


「東京建築祭」の実現にむけて

「建築を意識すると、生活に深みが増します。いつも通り過ぎている風景が新鮮になり、旅する目的が加わります。「東京建築祭」が、お一人おひとりにとって、そんな入り口になればいいなと思います。

たとえばアートや音楽のように、建築のフェスティバルが年に一度あったら、楽しいのではないでしょうか?

レトロ建築がこの日、扉を開いたり、こんなモダンでかわいいビルが過去に誕生していたことに気づいたり、いつも買い物している商業施設にこんな秘密があったと分かったり、世界的な建築家が意外なほどに自分と同じ思いを持っていることを知ったり。

東京は、そんな建物と街並み、人びとに溢れているまちです。この「東京建築祭」のシーズンは、それをシャッフルして、つなげて、建築があるということを皆で、祝いたいのです。それが何であり、これからどう付き合ったら良いのか、そんな問いや答えが、それぞれの心の中に芽生えてくるはず。

考えはふくらみます。だからこそ、しっかり進めないといけません。「東京建築祭」は、これまでにない試みです。既存の組織から始まったものではなく、社会に貢献する無料プログラムを含みながら、継続的な開催を念頭に置いています。

東京から、それが可能だと信じています。建築の祝祭があったら楽しい! そう思われた方のご支援が頼りです。とりわけ心の支えとしては、全面的と言っていいほどに。

「東京建築祭」の実現に向けて、力強い後押しをお願いいたします。」(倉方俊輔 / 東京建築祭実行委員長)

倉方俊輔

倉方俊輔氏

倉方俊輔(くらかた しゅんすけ)プロフィール
建築史家。大阪公立大学教授。東京建築祭実行委員長を務める。
著書に『京都 近現代建築ものがたり』、『東京モダン建築さんぽ』、『吉阪隆正とル・コルビュジエ』、『伊東忠太建築資料集』ほか多数。メディア出演に「新美の巨人たち」「マツコの知らない世界」など。日本建築学会賞(業績)、日本建築学会教育賞(教育貢献)、グッドデザイン賞・ベスト100ほか受賞。「イケフェス大阪」、「京都モダン建築祭」などの建築公開イベントに立ち上げから参画している。

 

「東京建築祭」クラウドファンディング概要

プロジェクト名:【東京建築祭】まちの見方が変わる、皆の建築祭を実現させたい
募集期間:2024年2月9日(金)~5月8日(水)
目標金額:400万円
リターン:19種(金額:5,000円~1,000,000円)
方式:オールイン(目標金額に満たない場合も計画およびリターンを実施)
※リターン例:東京建築祭2024応援トートバッグ、三越劇場でのキックオフイベント招待、建設中の〈Ginza Sony Park〉特別見学会、日本工業倶楽部会館特別見学会ほか
※リターンとなるイベントの一部は「東京建築祭」開催前に行われる
クラファンプロジェクトページ
https://motion-gallery.net/projects/tokyokenchikusai2024

東京建築祭

「東京建築祭」概要(現時点)

実施日:2024年5月25日(土)、26日(日)
開催エリア(予定):日本橋・京橋、丸の内・大手町・有楽町、銀座・築地
参加建築(予定):近代から現代まで、東京の多様な建築約30件
参加費:一般公開は無料、ガイドツアーや各種イベント参加は有料

実行委員長:倉方俊輔(大阪公立大学教授)
実行委員:伊藤香織(東京理科大学教授) 、田所辰之助(日本大学教授) 、山﨑鯛介(東京工業大学教授)、野村和宣(三菱地所設計エグゼクティブフェロー) 、松岡孝治(公益財団法人東京観光財団)、宮沢 洋(ブンガネット代表) 、以倉敬之(合同会社まいまい代表)
事務局:合同会社まいまい
主催:東京建築祭実行委員会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 ※芸術文化魅力創出助成
問合せ先:東京建築祭実行委員会 事務局

「東京建築祭」公式SNS
Instagram
https://www.instagram.com/tokyokenchikusai/

X(旧Twitter)
https://twitter.com/tokyokenchiku


[*1] 福岡の建築公開イベント:福岡の優れた近現代建築を広く紹介するツアーイベント「MATfukuoka(福岡近現代建築ツアー)」が2009年から2012年にかけて計4回開催され、以降は、2012年10月に設立されたNPO法人福岡建築ファウンデーション(Fukuoka Architecture Foundation: FAF)に部分的に引き継がれている

[*2] 広島の建築一斉公開イベント:広島県が2013年度から取り組む「ひろしまたてものがたりフェスタ(たてフェス)」があり、2015年-2017年度まで県主導で行われた。2018年度からは、ひろしまたてものがたりフェスタ実行委員会の主催に移行
https://tatefesta.info/aboutus.html

[*3] イケフェス:前年の2013年11月23日-24日に、前段階の実証実験として「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」を開催
沿革:大阪市ウェブサイト「生きた建築ミュージアム事業」
https://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/page/0000222838.html

[*4] 京都モダン建築祭
https://kenchikusai.jp/

[*5] 神戸モダン建築祭
https://kobe-kenchikusai.jp/

[*6] 海外における建築公開イベントとしては、米国・シカゴにあるシカゴ建築センター(Chicago Architecture Center: CAC)が実施しているリバークルーズをはじめとした建築ツアーなどがある。1992年に英国ロンドンで始まった「オープンハウス・ロンドン」は、参加者が毎年約25万人に達する世界最大級の建築イベントとして、世界各都市にも影響を与えている。

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