COMPETITION & EVENT

角川武蔵野ミュージアム「俵万智 展」

会期延長!トラフ建築設計事務所が会場デザイン

2021年7月24日初掲、9月15日会場画像追加・会期延長を追記、11月30日再延長[*]

埼玉・東所沢のところざわサクラタウンにある、建築家の隈研吾氏がデザイン監修を務めたことでも知られる角川武蔵野ミュージアムにて、企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」が2022年1月10日(月・祝)まで開催されます[*]。国民的・俵 万智氏の初となる本格的個展です。
*.当初予定では2021年11月7日(日)終了のところ、会期を延長

会場は、同館4Fのエディット&アートギャラリー。会場デザインをトラフ建築設計事務所(共同代表:鈴野浩一、禿真哉)、バナーなどグラフィックデザインを、太田市美術館・図書館のサインなどを手がけている平野篤史(AFFORDANCE / アフォーダンス デザインスタジオ)が手がけています。

角川武蔵野ミュージアム企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」

会場風景 ©角川武蔵野ミュージアム

本展は、俵 万智氏が、コロナ禍などの社会詠が盛り込まれている最新歌集『未来のサイズ』(2020年刊行)にて、短歌界の最高賞である迢空賞(ちょうくうしょう)を受賞したことを機に企画されました(同書は第36回詩歌文学館賞 短歌部門も受賞)。

迢空賞とは、伝統的日本詩歌の興隆に尽力してきた角川書店が、歌人で詩人の釈 迢空(しゃく ちょうくう / 1887-1953)の名を冠して設立した顕彰制度です。俳人・飯田蛇笏(いいだ だこつ / 1885-1962)から名をとった蛇笏賞(だこつしょう)と共に、短歌と俳句界とに最高の業績を示した句集・歌集に対してそれぞれ贈られます。第10回(1976)より、角川文化振興財団の主催となり、運営されています。

角川武蔵野ミュージアム企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」

会場風景 展覧会バナーと俵 万智氏 ©角川武蔵野ミュージアム(注.バナー記載の会期は延長前のもの)

俵 万智(たわら まち)プロフィール
1962年大阪府生まれ。1985年早稲田大学第一文学部卒業。
1985年『野球ゲーム』で第31回角川短歌賞次席、1986年に「八月の朝」で第32回角川短歌賞を受賞。1987年に第1歌集『サラダ記念日』を刊行(河出書房新社)。同歌集で1988年第32回現代歌人協会賞受賞。『サラダ記念日』のタイトルは、収録された一句「この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日」より。
主な歌集に『かぜのてのひら』(河出書房新社、1991年)、『チョコレート革命』(河出書房新社、1997年)、『プーさんの鼻』(文藝春秋、2005年 / 第11回若山牧水賞)、『オレがマリオ』(文藝春秋、2013年)など。評論に『愛する源氏物語』 (第14回紫式部文学賞)『牧水の恋』(第29回宮日出版文化賞特別大賞)『あなたと読む恋の歌百首』など。
2021年に第6歌集『未来のサイズ』(角川文化振興財団、2020年)で第55回「迢空賞」を受賞。

現在に至るまで6冊の歌集を発表、多数のエッセイを手がけてきたほか、古典の現代語訳、海外の絵本作品の翻訳、演劇の脚本、小説の執筆、作詞など分野を超えた幅広い仕事によって言葉の可能性を拡げ、短歌の表現を洗練させてきた俵 万智。展覧会のタイトルは、彼女が2020年7月6日にSNSに投稿したつぶやきに由来するもの。SNSで「いいね」の数を競い合うのではなく、たったひとつの「いいね」のためにつくることを問いかけた言葉は、18万以上の「いいね」を集め、人々の共感を呼びました。

本展は、俵万智氏の35年におよぶ歌業から約300首を厳選し、プライベートな手紙や、実験的な絵画、膨大な資料などと組み合わせながら、俵万智の言葉の森をさまよう趣向となっています。

1987年に刊行され、現在約280万部のベストセラーとなっている『サラダ記念日』をはじめ、刊行後の歩みをたどる平成の回廊、最新作『未来のサイズ』の合わせて3つエリアで構成されます。
また、前述の迢空賞と蛇笏賞の歴代の受賞作の句集・歌集が全点、計117冊(蛇笏賞60冊、迢空賞57冊)もあわせて展示されます。

角川武蔵野ミュージアム企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」

会場風景 蛇笏賞(俳句)および迢空賞(短歌)歴代受賞作の展示 写真:小川真輝

『サラダ記念日』エリア

俵氏の第1歌集『サラダ記念日』は、短歌本は売れないと言われていた1987年の刊行直後に一気に280万部を売り上げ、社会現象を巻き起こしました。会場では、当時の様子が分かる新聞記事などの資料が展示されるほか、学生時代に俵氏が家族とやりとりした手紙(ハガキ)が、3mという巨大サイズで展示されます。
また、本展では、フランスの最高勲章レジオン・ドヌールを受勲した画家・今井俊満(いまいとしみつ)の絵画の上に、俵さんが直筆で『サラダ記念日』に収録されている短歌を描いたコラボレーション作品も特別に出展されます(福井県越前市役所寄託品。計8枚のうち2枚を展示)。

角川武蔵野ミュージアム企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」

写真:小川真輝

角川武蔵野ミュージアム企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」

写真:小川真輝

回廊エリア

平成の30年を代表する100首を展示。『かぜのてのひら』、『チョコレート革命』、『プーさんの鼻』、『オレがマリオ』の各歌集からそれぞれ25首を選抜。アクリル板に描かれた透明な文字で短歌が浮かび上がります。目を床面に転じると、俵氏の個人史と社会史が展開されています。

角川武蔵野ミュージアム企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」

会場風景 回廊エリア ©角川武蔵野ミュージアム

『未来のサイズ』エリア

歌集『未来のサイズ』に収録されている俵氏の短歌が、「子育てから未来を」「地方から社会を」「日常から人生を」というテーマごとに、各60首・計180首で展開されます。

壁に投影されているのは、沖縄県の石垣島の海の風景。俵氏がかつて石垣島に在住していた時代に住んでいたマンションの屋上から撮影されました。今年7月の10時から21時にかけての海の映像で、10時には10時の映像、15時には15時のときに撮影した映像が会場内に流れるようになっています。
天井には、会場デザインを手がけるトラフ建築摂家事務所が、2009年にかみの工作所と協働してデザインした「空気の器」が300個、吊り下げられています。そのうち約30個の表面に、俵氏の書で短歌が書かれており、俵氏のうたが宙に舞います。俵氏が歌集のあとがきなどで繰り返し述べていることば「短歌は手紙のようなもの」をイメージした演出です。

角川武蔵野ミュージアム企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」

写真:小川真輝

角川武蔵野ミュージアム企画展「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」

会場風景『未来のサイズ』エリア ©角川武蔵野ミュージアム

企画展
俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで

会場デザイン:トラフ建築設計事務所
http://torafu.com
グラフィックデザイン:平野篤史(AFFORDANCE / アフォーダンス デザインスタジオ)
https://affordance.tokyo

会期:2021年7月21日(水)~2022年1月10日(月・祝)まで会期延長
※会期中、展示替えあり(詳細は会場Webサイトで発表)
開館時間:日曜から木曜 10:00-18:00(最終入館17:30)/ 金・土曜 10:00-20:00(最終入館19:30)
※祝日の場合、該当する曜日の開館時間に準じる
休館日:第1・3・5火曜日
※休館日が祝日の場合は翌日休館
※開館日および開館時間は予告なく変更する場合あり

角川武蔵野ミュージアム 外観

角川武蔵野ミュージアム 外観 ©角川武蔵野ミュージアム

会場:角川武蔵野ミュージアム 4Fエディット&アートギャラリー
所在地:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内(Google Map
入場料
オンラインチケット:大人(大学生以上)1,200円、中高生 1,000円、小学生 800円、未就学児 無料
当日窓口販売チケット:大人(大学生以上)1,400円、中高生 1,200円、小学生 1,000円、未就学児 無料
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人角川文化振興財団)

角川武蔵野ミュージアム 公式Webサイト
https://kadcul.com/

展覧会特設ページ
https://kadcul.com/event/42

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