2022年10月16日初掲、10月25日 会場写真追加
世界各地で時を重ねたタイルを「ファッション」という新たな視点から紐解く企画展。展示デザインを、建築家の田代朋彦(+建築設計 / tas architects)が担当する。
装飾タイルには、幾何学模様や植物などの普遍的なモチーフに加え、時代や地域の服飾を反映した人びとの姿が描かれています。例えば、ユニフォームの起源であるヨーロッパのミリタリーウェア、上等なシルクで身を包むイランのユニセックスファッション、現代風に言えば”重ね着テク”を効かせた漢民族衣装など、
そこに描かれた人物の服飾に目を凝らすと、タイルがその時代、その国・地域のファッショントレンドを伝えていることに気付かされます。さらにこれらのタイルにはさまざまな技法が施されており、描かれたファッションをより多彩で豊かなものにしています。
本展は、INAXライブミュージアム内の施設で、1997年に開館した世界のタイル博物館が収蔵する「人物文タイル」から80余点を厳選し、紹介するもの。タイルの表面に見られるさまざまな服飾を、用途や技法、さらには人物文タイルが好まれた文化的背景などにも触れながら読み解いていきます。
今回の展示では、ファッションの柔らかさをスカートに見立てたカーテンで表現し、中央に等身大まで拡大させた巨大タイルを配置することで、さらに臨場感を高めた中に実物のタイルを展示しています。タイルから飛び出した等身大のおしゃれさんたちがパネルのあちこちに現れて、賑やかな印象を与えます。
会場の奥に設けた音楽も流れる映像コーナーでは、タイルを拡大して表示させ、等身大になった人物と音とを併せて軽快に動かしています。この音楽にはタイルがカチカチと鳴る音も組み込まれているとのこと。
タイルに描かれた「おしゃれさん」を素材に制作された、映像インスタレーションです。
関連企画として、イスラーム美術史を専門とする神田 惟氏(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 特任助教)を講師に招いての講演会「イスラームのタイルから読み解く 人々の装いとタイルの魅力」も2023年2月に開催される予定です(申込受付開始:2022年11月1日)。
本展は、タイル名称統一100周年となる2022年に、伊奈製陶から続くINAXの名を冠するINAXライブミュージアム(愛知県常滑市)が開催する、前回開催した展覧会「日本のタイル100年――美と用のあゆみ」に続く企画展です。
展示デザイン:田代朋彦(+建築設計 / tas architects)
会場グラフィック・映像制作:kobito inc.
音楽:Yuqi Kato
英語タイトル:Fashion On Tiles:Dressing Up Across Time and Place
会期:2022年10月15日(土)~2023年4月11日(火)
会場:INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130(Google Map)
営業時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
休館日:水曜(祝日の場合は開館)、2022年12月26日(月)~2023年1月4日(水)
問合せ先:TEL.0569-34-8282
観覧料:INAXライブミュージアム共通入館料にて観覧可(一般:700円、高・大学生:500円、小・中学生:250円)
※竹中大工道具館(兵庫県神戸市)との相互割引設定あり
※感染症拡大防止のため、企画展および関連イベントなどの実施内容を変更・中止する場合あり(最新情報は同館ウェブサイトにて随時公表)
主催:INAXライブミュージアム
企画:INAXライブミュージアム企画委員会
INAXライブミュージアム ウェブサイト
https://livingculture.lixil.com/ilm/
※竹中大工道具館との相互割引について
企画展「石井春 アズレージョと空間」を10月1日より開催中の竹中大工道具館(兵庫県神戸市)の半券を、INAXライブミュージアムの入館チケット購入時に提示すると、実施期間中に限り、当日料金からの割引あり(対象券1枚につき1名・1回限り有効、購入後の割引と、他の割引設定との併用は不可)
実施期間:2022年10月1日(土)~12月25日(日)
※双方の割引料金の設定は、各館のウェブサイトを参照
詳細
https://livingculture.lixil.com/information/ilm/takenakadougukan/