デンマークのデザイナー、セシリエ・マンツ(Cecilie Manz)の日本初となる個展が、東京・高田馬場のアートスペース・BaBaBaと、東日本橋にあるマルニ木工の拠点・maruni tokyoにてそれぞれ開催されています。
セシリエ・マンツは1972年デンマーク生まれ。コペンハーゲンを拠点に活動中のデザイナーです。これまでに世界のトップブランドとコラボレーションし、食器、電化製品、照明、テキスタイル、家具など、幅広い領域でデザインを手がけてきました。
近年では、マルニ木工(本社:広島県)が展開する家具コレクション「MARUNI COLLECTION」から、ラウンドテーブルとチェアをファーストプロダクトとする「ENシリーズ」を2022年5月に発表しています。
Photo by JEPPE SØRENSEN
プロフィール
1972年デンマーク生まれ。コペンハーゲン在住。ヘルシンキ芸術デザイン大学交換留学を経て、1997年デンマーク王立芸術アカデミー卒業。1998年コペンハーゲンに自身のスタジオを設立。家具や食器から照明、電化製品など幅広い領域のデザインを手掛ける。インダストリーな製品に加え、実験的なプロトタイプや、より彫刻的な1点物のデザインも彼女の製作活動では重要な位置を占める。
柔らかで穏やかな表情を湛えながらも、細かなディテールの仕上がりから繊細な色彩表現に至るまで、妥協を許さず、完璧な存在を目指すセシリエ・マンツ。「すべての要素に正統の理由があってこそ、意味を成す」と平素語る彼女の鋭敏な感覚、厳格な態度は、どのように養われているのか? 本展「TRANSPOSE 発想のめぐり」では、これらを紐解いていくことを試みます。
Photo by JEPPE SØRENSEN(CECILIE MANZ STUDIOにて撮影)
BaBaBaとmaruni tokyoの2会場でそれぞれ展示されるのは、彼女がコペンハーゲンに構えるスタジオおよび自宅から持ち込まれた、マンツの分身とも言えるごく身近なもの。陶芸家の両親と幼少期の一時期を過ごした佐賀・有田で拾った陶片や父親の作品、仕事の道具や愛用品、素材サンプル、試作パーツ、ドローイングペーパーといった、彼女のこれまでの体験や思想、感覚、生活、創作の様子などがリアルに感じられるものたちが、1つのテーブルの上にインスタレーションとして展開されています。
BaBaBa会場「TRANSPOSE 発想のめぐり」 Photo by Kohei Yamamoto
BaBaBa会場
01「ARITA|有田の記憶」
02「TEGNESTUEN|創作の現場」
03「MÅLTID|食事の風景」
04「AD HOC|新しいアイデア」
maruni tokyo会場
05「A Hint of Colour|色彩の意識」
maruni tokyo会場「TRANSPOSE 発想のめぐり -A Hint of Colour」 Photo by Kohei Yamamoto
「EN」シリーズの板座チェアに、繊細な色合いのカラーバリエーションが新作として登場 Photo by Yoneo Kawabe
maruni tokyoでは、マルニ木工が今年4月の「ミラノサローネ(Salone del Mobile.Milano)」にて披露した、「ENシリーズ」の新作および新色もあわせて展示されています。
両会場とも、マンツ本人が空間デザインを担当。「ENシリーズ」のラウンドテーブルの脚を台座として1枚のロングテーブルを設置。その上に、Kvadrat(クヴァドラ)のテキスタイル「Floyd(フロイド)」を敷いて、展示台を構成しました。カットオフしたテキスタイルの端部をフリンジ状に切り揃えているのもマンツによるデザインです。
Kvadrat社製テキスタイルの端部をフリンジ状にカットした、マンツによる展示デザイン
BaBaBa会場で会場構成中のセシリエ・マンツ氏 Photo by Kohei Yamamoto
日本初個展のためにCECILIE MANZ STUDIOが制作したプロダクトの試作品(BaBaBa会場にて展示) Photo by JEPPE SØRENSEN
日本初個展のためにCECILIE MANZ STUDIOが制作したプロダクトの試作品(BaBaBa会場にて展示) Photo by JEPPE SØRENSEN
日本初個展のためにCECILIE MANZ STUDIOが制作したプロダクトの試作品(BaBaBa会場にて展示) Photo by JEPPE SØRENSEN
BaBaBa会場 Photo by Kohei Yamamoto
BaBaBa会場 Photo by Kohei Yamamoto
BaBaBa会場 Photo by Kohei Yamamoto
BaBaBa会場 Photo by Kohei Yamamoto
手前の楕円形の石(2点)は、日本初個展のためにCECILIE MANZ STUDIOが制作したプロダクトの試作品
本展のタイトルにある「TRANSPOSE(トランスポーズ)」とは、「2つ以上のものを入れ替える、置き換える」、「(音楽)移調する」「異なる場所、関係に移す」といった意味があります。本展では、高田馬場と東日本橋の2会場をオルタナティブにつなぎ、多様な視点から物事を見据えるマンツの創作の裏にある、マンツのデザインの「発想のめぐり」を紹介しています。
会期中、本展の企画・ディレクションを担当した、デザインジャーナリスト・編集者の猪飼尚司氏によるギャラリーツアーもそれぞれの会場にて開催されます。
maruni tokyo会場 Photo by Kohei Yamamoto
maruni tokyo会場 Photo by Kohei Yamamoto
maruni tokyo会場 Photo by Kohei Yamamoto
maruni tokyo会場 Photo by Kohei Yamamoto
CECILIE MANZ EXHIBITION「TRANSPOSE 発想のめぐり」
会場:BaBaBa
所在地:東京都新宿区下落合2-5-15(Google Map)
会期:2023年5月20日(土)~6月30日(金)
開場時間:11:00-18:00
休場日:水曜
入場料:無料
ギャラリーツアー:6月17日(土)13:00- / 15:00-
https://bababa.jp/
「TRANSPOSE 発想のめぐり -A Hint of Colour」
会場:maruni tokyo(マルニトウキョウ)
所在地:東京都中央区東日本橋3-6-13(Google Map)
会期:2023年5月25日(木)~6月30日(金)
開場時間:11:00-18:00
休業日:水曜
入場料:無料
ギャラリーツアー:6月11日(日)、6月24日(土)13:00- / 15:00-
https://www.maruni.com/jp/showroom/maruni-tokyo
キュレーション:セシリエ・マンツ
企画・ディレクション:猪飼尚司
主催:アンダーデザイン(BaBaBa)/ マルニ木工
特別協力:百田陶園 / Kvadrat / FREDERICIA
後援:デンマーク大使館
展示協力:MUUTO / インターオフィス / Reform / TAKT / 日進木工 / ACTUS / Bang & Olufsen / NIKARI
協力:米山佳子
グラフィックデザイン:飯田将平(ido)
PR:デイリープレス