[Report]NY拠点のデザインスタジオ・CRÈME(クレム)がインテリアデザインを手がけた赤坂のホテル〈1 Hotel Tokyo〉開業レポート - TECTURE MAG(テクチャーマガジン) | 空間デザイン・建築メディア
[Report]NY拠点のデザインスタジオ・CRÈME(クレム)がインテリアデザインを手がけた赤坂のホテル〈1 Hotel Tokyo〉開業レポート

[Report]NY拠点のデザインスタジオ・CRÈME(クレム)がインテリアデザインを手がけた赤坂のホテル〈1 Hotel Tokyo〉開業レポート

CULTURE

東京・赤坂2丁目に今年3月にグランドオープンした高層複合施設、赤坂トラストタワー[*1]の最上階エリアに、米国発のラグジュアリー・ライフスタイルホテルブランド・1 Hotels(ワン ホテルズ)の日本1号店〈1 Hotel Tokyo〉が開業しています。

木や石、和紙といった日本文化を連想させる自然素材を多用したホテルのインテリアデザインを、米国・ニューヨークを拠点とする相崎 準氏が率いるデザインスタジオ・CRÈME(クレム)が手掛けました。日本国内での大きなプロジェクトはこれが初となる相崎氏は、建築設計のほか、家具やプロダクトのプロジェクトも手がけ、イトーキが世界の第一線で活躍するデザイナーらを迎えて展開するグローバル・オフィスファニチャーブランド「NII(ニー)」のデザイナーのひとりでもあります。

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトウキョウ)

〈1 Hotel Tokyo〉地上階 エントランス Photo: Taran Wilkhu

赤坂トラストタワー / 東京ワールドゲート赤坂

左:赤坂トラストタワー 全景 / 右:東京ワールドゲート赤坂 エリアマップ(2点とも森トラスト 2025年10月15日プレスリリースより)

*1.赤坂トラストタワー:赤坂ツインタワー本館および東館などを解体した跡地に計画された大規模複合開発プロジェクト。「東京ワールドゲート赤坂」と命名された新街区の中核をなす43階建ての超高層ビル。第1期2024年8月竣工、第2期2025年10月竣工、グランドオープン2026年3月31日(詳細は森トラスト プレスリリースを参照)

〈1 Hotel Tokyo〉は、1 Hotelsと森トラストとの協働により誕生したもので、オフィス、商業施設、文化施設が歩行者中心の環境で融合する次世代型の大型複合施設・東京ワールドゲート赤坂の中心的存在と位置付けられています。

『TECTURE MAG』では、ホテルの開業前に行われたプレス内覧会を取材、CRÈMEを率いる相崎氏にインタビューを行いました。

赤坂に”空中庭園のようなオアシス”をつくる

世界10カ国以上に13店を展開する「1 Hotels」を象徴するのが、自然との調和を大切にする手法「バイオフィリックデザイン」の考え方です。〈1 Hotel Tokyo〉におけるデザインアプローチについて、CRÈMEの相崎氏は次のように語っています。

「このホテルのインテリアデザインは、シンプルながらとても力強いアイデアから始まりました。それは、世界でも最も活気のある都市の1つである東京、その中心に位置する赤坂の、全方位を望められる場所に、空中庭園のようなオアシスをつくること。ホテルに到着した瞬間から、東京という都市のスピード感から距離を置き、静寂や癒しを味わえるこのホテルならではのストーリーが展開するよう、アプローチにも工夫を凝らしました」(相崎氏談)

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

〈1 Hotel Tokyo〉1階 ポータースタンド Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

〈1 Hotel Tokyo〉地上階、エレベーター前の「グリーンウォール」 Photo: TEAM TECTURE MAG

 

「地上階の古材の大きなドアからホテルに入り、石と木と緑でしつらえた空間が序章となり、上層階での特別な体験を予感させます。大樹にも似たタワーの最上階付近までエレベータの箱で吊り上げられ、38階ロビーに到着すると、青々と茂る樹冠(キャノピー)のような空間がゲストを迎えます。ブランドを象徴する大谷石の壁は、皇居の堀の石垣にオマージュを捧げたもの。光が差す方向へと導かれるようにして進むと、スカイラインをバックに、植栽豊かな都会のオアシスが現れます。ロビーやパブリックスペースからは、東京タワー、皇居、首相官邸などを一望でき、その周囲に広がる東京のまちなみを植栽の枝や葉の間から見下ろせます。地上の喧騒から離れ、自然の中に身を置いてるかのような、情緒ある空間の創出を目指しました」(プレスリリースおよび相崎氏コメントを要約)

 

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

〈1 Hotel Tokyo〉38階ロビー(エレベーター前) Photo: TEAM TECTURE MAG

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

〈1 Hotel Tokyo〉38階 ロビー Photo: Taran Wilkhu

38階 ラウンジ / バー / レストラン

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

〈1 Hotel Tokyo〉38階レセプションカウンター Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

38階 [Neighbors Café(ネイバーズカフェ)]。物販はこのほかに同フロアに客室のアイテムを扱う[Goodthings by 1 Hotels]もあり Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

38階 ラウンジ(左奥の観音開きの古材扉の先がレストラン) Photo: Taran Wilkhu

「ロビーエリアの中心となるラウンジは、1段高くしつらえ、フロントデスク、バー、そしてレストランで3方を囲む構成としました。ラウンジがステージとなることで、東京の眺望が舞台の背景として広がります。メインロビーとラウンジの天井のルーバーは、目には見えない気流をイメージしたデザインです。雲のモチーフはバーの背面にも取り入れるなど、有機的な要素を空間全体に配置することで、全てが自然へとつながる構成となっています。リアルな植栽をホテル全体に配置し、1 Hotelsが大切にしている、自然に包まれ守られているような感覚を創出しました」(相崎氏談)

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

38階 ラウンジ(夜間)/ 画面奥がバーカウンター Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

ハンドメイド感を残したパッチワークのシェードとロープを用いて有機的にデザインされた照明が、バーカウンター上にリズムをもって吊り下げられている Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

ラウンジ(夜間) Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

38階 レストラン[NiNi(ニニ)] Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

38階 レストラン Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

38階 レストラン 厨房 Photo: Taran Wilkhu

 

「レストランでは、厨房を主役とするため、建築的な仕切りを設けず、上からのペンダント照明と、地面からなにか生えてくるような要素の配置で、眺望の抜け感がある空間を構成しました。都市に居ながら、まるで木の上に居るかのように、自然のやさしい光に包まれ、自然と一体化するような、そんな体験をしてほしい。デザインのディテールはわかりやすさを重視し、木材は可能な限り無垢を採用。照明では吹きガラスや和紙、壁は左官、床はモルタル仕上げなど、作家や職人の手業の跡が見える、素材本来のテクスチャーや質感を生かしたデザインを心がけました」(相崎氏談)

 

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

38階 レストラン Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

38階 レストラン 個室 Photo: Taran Wilkhu

客室

「屋外の自然を屋内に取り込む」という1 Hotelsの理念を反映した施策として、「廃棄物90%再利用を目指した運営、滞在を通じた環境配慮体験の提供」があります。〈1 Hotel Tokyo〉では、ホテルの宿泊利用者から着ていた衣類を古着として提供があった場合、預かり、NPO団体などにまわしてリサイクル活用する「1 Less Thing」プログラムを実施するとのこと。

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

コモレビ・ハウス・キング Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

コモレビ・ハウス・キング Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

ミドリ・ハウス・ツー・ツイン バスルーム Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

スカイライン・ラウンジ・キング Photo: Taran Wilkhu

付帯施設 スパ / インドアプール / ハマムルーム / フィットネスジム

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

スパ [bamford WELLNESS SPA] Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

スパおよびインドアプール利用者のためのラベンダールーム Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

インドアプール ※利用はホテル宿泊客とサービスアパートメント居住者限定 Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

スチームサウナを備えたハマムルーム  ※利用はホテル宿泊客とサービスアパートメント居住者限定 Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

フィットネスジム Photo: Taran Wilkhu

付帯施設 イベントスペース

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

プレス内覧会の冒頭、記者説明会が行われたイベントスペース「カメリア・ボールルーム」 Photo: Taran Wilkhu

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

Photo: Taran Wilkhu

クレムを率いる相崎氏が、日本初進出となる〈1 Hotel Tokyo〉のインテリアデザインを手掛けることになったきっかけは、1 Hotelsを展開するスターウッド・キャピタル・グループ会長のバリー・スタンリヒト氏が、ニューヨーク・ブルックリンにある相崎氏の事務所を訪ねた、10年ほど前に遡ります。同事務所で現在も継続中のプロジェクトの1つ、ひょうたんの外皮を素材に用いたサステナブルプロダクトのプロトタイプを手にしたバリー会長から「君たちはいつか必ず1 Hotelをデザインすることになる」と予言されたとのこと。

 

「日本には自然を大切にする心、資源に対するリスペクト、四季に敏感な美意識といった特別な感性があると思います。これらの価値観は、1 Hotelsが掲げる理念と共通するものです。今回のプロジェクトに際し、海外を拠点に活動する日本人として、日本の歴史、文化、習慣と深く向き合い、誠実さと敬意をもって取り組みたいと思いました。我々が培ってきたグローバルな視点と、日本とのつながり、その両方が映し出された空間になっていくことを願っています」(相崎氏談)

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)内覧会

プレス内覧会の冒頭、挨拶する相崎 準氏 Photo: TEAM TECTURE MAG

相崎 準 / Jun Aizaki プロフィール

建築家、デザイナー、CRÈMEファウンダー
スターウッドホテルアンドリゾート(Starwood Hotels & Resorts)、ハイアットホテルズ(Hyatt Hotels Corporation)、インターコンチネンタルホテルズグループ(InterContinental Hotels Group)、ハイゲート(Highgate)、マリオット(Marriott、Gerber Group)などと協働。ニューヨークのキンプトン ホテル エヴェンティ(Kimpton Hotel Eventi)の2フロアのマスタープランとリノベーション、フィラデルフィアのハイアット セントリック センター シティ(Hyatt Centric Center City)のインテリア全体とブランディングなども手掛けている。
ニューヨーク州在住、同州の登録建築士の資格を有する。

CRÈME Website
https://cremedesign.com/

 

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトーキョー)

〈1 Hotel Tokyo〉地上階エントランス Photo: Taran Wilkhu

 

1 Hotel Tokyo(ワン ホテルトウキョウ)ホテル概要

所在地:東京都港区赤坂2丁目17-22(Google Map
階数:専有 38-43階 / 1階・地下1階(パーキング)の一部
総客室数:211(ペントハウス&スイート 24室、ユニバーサルルーム 5室を含む)
付帯施設:レストラン1店舗(個室数3)、バー2店舗、カフェ1店舗、オリジナルグッズショップ、スパ、インドアプール、フィットネスジム、宴会場・ミーティングルーム
運営:MT&SH ホテルマネジメント合同会社
開業日:2026年3月5日

ホテル公式ウェブサイト
https://www.1hotels.com/tokyo

インスタグラム
https://www.instagram.com/1hoteltokyo/



Texed by Naoko Endo / TEAM TECTURE MAG

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