家具以上・建築未満のヒューマンスケールの空間づくりを得意とする建築家の長岡 勉氏による企画展が、東京・渋谷の (PLACE) by methodにて開催されています。
本展では、モノと空間に関する思考の実験を繰り返した長岡氏による、「台座と額縁」を主題に掲げた作品群が一堂に会します。
さらに、本展でも、台座と額縁で建築(空間)を立ち上げることを命題に、会期中に計4回の展示替えを行い、かつ、各回コラボレーターを迎えて、長岡氏とともに会場構成を行います。それぞれの回で空間と場の関係がどのように変化するのかが見どころです。
また会期中は各回ゲストを招いての連続トークイベントも併催、オンラインにて配信されます(Zoomを使用)。
5月7日(火)14:00-19:00 公開設営:VUILD PlaceLab
5月9日(木)14:00-19:00 公開展示替A :小林和人(OUTBOUND)
5月10日(金)〜5月12日(日)12:00-19:00 展示A会期
5月13日(月)14:00-19:00 公開展示替B:佐久間 磨(Rondade)
5月14日(火)〜5月17日(金)12:00-19:00 展示B会期
5月18日(土)14:00-19:00 公開展示替C:長岡 勉
5月19日(日)〜5月22日(水)12:00-19:00 展示C会期
5月23日(木)14:00-19:00 撮影のための展示替D:Gottingham
5月24日(金)〜5月26日(日)12:00-19:00 展示D会期
※「カッコ」内の各回テーマは長岡氏が各登壇者と話したい内容の仮題で、変更となる可能性あり
※ 聴講はオンラインのみ可(会場参加なし)
登壇者
5月9日(木):小林和人(OUTBOUND) 「陳列する」
5月11日(土):松澤 剛(E&Y) 「長岡取扱説明」
5月12日(日):元木大輔(DDAA) 「空間・パーツ・マテリアル」
5月13日(月):土田貴宏(ジャーナリスト)、 佐久間 磨(Rondade) 「空間の批評性と可能性」
5月14日(火):豊嶋康子(東京造形大学) 「意味の反転・空間の反転」
5月15日(水):山本豊津(東京画廊) 「現代美術からの視点」
5月16日(木):谷尻 誠(SUPPOSE DESIGN OFFICE) 「台座と額縁の可能性を開く」
5月17日(金):荒牧 悠(アーティスト)、 大野友資(DOMINO ARCHITECTS)、 山野英之(TAKAIYAMA inc.) 「置き遊び」
5月18日(土):西澤徹夫(西澤徹夫建築設計事務所) 「台座と額縁は建築か?」
5月19日(日):笠置秀紀(mi-ri meter) 「(商店)街の彫刻」
5月20日(月):田中元子(グランドレベル)、佐藤研吾(コロガロウ) 「場を開く」
5月21日(火)秋吉浩気(VUILD代表)※この回のみ10:30-11:30 「建築の領域を拡張する」
5月21日(火):野老朝雄(美術家)「置くこと」
5月22日(水):浅子佳英(PRINT AND BUILD)、甲斐貴大(studio arche) 「考え方・作り方」
5月23日(木):内田まほろ(JR東日本文化創造財団)、寺田尚樹(インターオフィス) 「台座と額縁をどう実装するか?」
5月24日(金):林 裕輔(DRILL DESIGN) 「台座と額縁はプロダクトか?」
5月25日(土):酒匂克之(インテリア・プロダクトデザイナー)、山田 遊(method) 「展覧会の意味と意義」
5月26日(日):Gottingham(写真家) 「置くこと・撮ること」
を迎え「建築の領域を拡張する」というテーマでトークをします。
配信時間(計2回の5月21日を除き、各日共通):19:30-21:00
配信URL
https://us02web.zoom.us/j/81865574914
作家プロフィール
長岡 勉(ながおか べん)
建築家 POINT代表 東京造形大学准教授
1970年東京生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科修了。2000年POINTを設立。2020年からVUILDメンバーとして活動。
主な受賞に、東京建築士会住宅建築賞入賞、JCDデザインアワード金賞他受賞などがある。POINT Website
http://www.point-tokyo.jpVUILD PlaceLab Website
https://placelab.vuild.co.jp/member/bennagaoka/
「台座と額縁」展 ステートメント
00 定義
二つ以上の物事の関係を更新することが建築の始まりであると仮定した上で、ある場所に”物を置くこと”と、”境界を作ること”だけで空間の関係を新たに定義すること。それが台座と額縁で建築(空間)を立ち上げる本展の目的である。01 象徴と境界 ─純粋な建築的存在としての台座と額縁─
全ての建築と呼ばれるもののはじまりの状態に立ち返ると、それらはモニュメントとシェルターの2つの存在に還元される。モニュメントとは何かを象徴する存在であり、シェルターとは外的環境と内的環境の境界をつくる存在だとする。建築は通常は使う人の為の役割や機能が与えられている。それらの機能を剥ぎ取ってなお象徴性や境界を生み出す純粋な存在として”台座と額縁”こそが建築であるという仮定を元に本展では移動可能な多数の台座と額縁を用意し、その可能性を空間的に展開していく。02 動かない建築と動く建築
空間とは固定化されたものでなく、動的に変容していく関係の上に成り立つものだと考えている。建築は動かないことで、そこに流れる何百年の長い時間や、人の暮らしという短い時間を動的な要素として受け入れてきた。それに対して人が自由に動かせる建築を定義したいと考えている。何かを動かすとはエネルギーを使う行為である。大きな存在を大げさに動かすことなく、小さなエレメントを動かすだけでなお、そのエレメントから象徴性や、境界が定義され動的に変容していく空間を作ること。権威という大きな力を象徴するのでなく、日常の暮らしに紛れ込む小さな無数の象徴。そのカジュアルで開かれた存在にこそ建築の新たな可能性があると考えている。03 ポエム ─置くこと─
地面の上に石を置く。
その石は”地球という台座の上に置かれたものになる。
石の上に葉を置く。
今度 、葉が石という台座の上に置かれたものになる。
目を凝らすと葉の上に滴が落ちている。
今度は、滴が葉という台座の上に置かれたものになる。
あらゆるものは台座であり、台座でない、という無限の入れ子の中に位置づけられる。
それをわたしは宇宙と呼ぶ。
会期:2024年5月9日(金)〜26日(日)
開場時間:12:00-19:00
注.公開設営、公開展示替え、撮影のための展示替実施日は14:00-19:00
休廊日:なし・会期中無休
会場: (PLACE) by method
所在地:東京都渋谷区東1-3-1 カミニート#14,16(Google Map)
問合せ先TEL 03-6427-9296
※ 会期中の週末は作家が在廊予定
参加作家:長岡 勉
展示替え:小林和人(OUTBOUND)、佐久間 磨(Rondade)、長岡 勉
撮影のための展示替え:Gottingham
設営:VUILD PlaceLab
台座制作:KOKKOK、neufurniture works
塗装:丸廣意匠
ブックデザイン制作:Rondade
主催:method Inc.
展覧会詳細
https://placebymethod.com/pages/pedestal-frame
(PLACE) by method note(2024年5月3日)
https://note.com/placebymethod/n/nf2846ec62b2d
(PLACE) by method Website
https://placebymethod.com