東京・江東区の東京都現代美術館にて、「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」が昨年12月より開催されています。
本展は、2023年3月に逝去した音楽家でアーティストの坂本龍一氏(1952-2023)の幅広い活動のうち、近年にみられたアートおよび美術作家らとの協働作品を中心に紹介する大規模展です。生前より交流のあった美術作家らが本展にも参画しており、高谷史郎氏とのコラボレーション作品は5作品が展示されています(坂本氏の生前の構想を反映して本展のために制作されたた新たな作品を含む)。そのほかのコラボレーション作品も、来場者の五感に訴えかけるような大型のインスタレーションが館の内外で展開され、大きな話題となっています。
コラボレーション・アーティスト:高谷史郎、真鍋大度、カールステン・ニコライ、アピチャッポン・ウィーラセタクン、Zakkubalan、岩井俊雄
スペシャル・コラボレーション:中谷芙二子
展示構成
企画展示室(1階)
坂本龍一+高谷史郎〈TIME TIME〉2024 (新作)
坂本龍一+高谷史郎〈water state 1〉2013
坂本龍一 with 高谷史郎〈IS YOUR TIME〉2017/2024
カールステン・ニコライ〈PHOSPHENES〉〈ENDO EXO〉2024(新作)音楽:坂本龍一企画展示室(地下2階)
坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン〈async–first light〉2017
アピチャッポン・ウィーラセタクン〈Durmiente〉2021 ※日本初公開
坂本龍一+高谷史郎〈async–immersion tokyo〉2024
坂本龍一+Zakkubalan〈async–volume〉2017
坂本龍一+高谷史郎〈LIFE–fluid, invisible, inaudible…〉2007アーカイブ特別展示:1996–97年のパフォーマンスを再現した新作インスタレーション
坂本龍一×岩井俊雄〈Music Plays Images X Images Play Music〉1996–1997/2024(初公開)中庭(1階 屋外)
坂本龍一+真鍋大度〈センシング・ストリームズ 2024–不可視、不可聴(MOT version)〉2024サンクン・ガーデン(地下2階 屋外)※スペシャル・コラボレーション
坂本龍一+中谷芙二子+高谷史郎〈LIFE–WELL TOKYO〉霧の彫刻 #47662 2024(新作)
坂本龍一+高谷史郎〈LIFE–fluid, invisible, inaudible…〉2007年 ©2024 KAB Inc. 撮影:浅野 豪
坂本龍一+高谷史郎〈LIFE–fluid, invisible, inaudible…〉2007 ©2024 KAB Inc. 撮影:丸尾隆一
坂本龍一+高谷史郎〈async–immersion tokyo〉2024年 ©2024 KAB Inc. 撮影:浅野 豪
坂本龍一+高谷史郎〈TIME TIME〉2024年 ©2024 KAB Inc. 撮影:福永一夫
坂本龍一 with 高谷史郎〈IS YOUR TIME〉2017/2024 ©2024 KAB Inc. 撮影:福永一夫
坂本龍一×岩井俊雄〈Music Plays Images X Images Play Music〉1996–1997/2024 ©2024 KAB Inc.
撮影:丸尾隆一
田中 泯 場踊り at 坂本龍一+中谷芙二子+高谷史郎〈LIFE−WELL TOKYO〉霧の彫刻 #47662 撮影:平間 至
田中 泯 場踊り at 坂本龍一+中谷芙二子+高谷史郎〈LIFE−WELL TOKYO〉霧の彫刻 #47662 撮影:平間 至
屋外・サンクン・ガーデンでの作品展示:坂本龍一+中谷芙二子+高谷史郎〈LIFE−WELL TOKYO〉では、毎時00分と30分に霧と光と音が一体となった”霧の彫刻”のインスタレーションが行われます(各回約10分、天候などの影響で公開時間を変更する場合あり)。
主催者メッセージ
坂本は50年以上に渡り、多彩な表現活動を通して、時代の先端を常に切りひらいてきました。90年代からはマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開し、さらに2000年代以降は、さまざまなアーティストとの協働を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考、実践しました。
本展では、生前坂本が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、坂本の創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開します。これらの作品を通して坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどり、この類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介いたします。坂本龍一の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出します。坂本が追求し続けた「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と、「時間とは何か」という深い問いかけは、時代や空間を超えて、私たちに新たな視座をもたらし、創造と体験の地平を開き続けてくれることでしょう。
#Ryuichi Sakamoto YouTube #わたしが知らない坂本龍一『坂本龍一|音を視る 時を聴く』Special Preview Digest(2025/01/06)
世界的に活躍した坂本氏の大規模展が日本で開催されるのは今回が初。注目度は高く、土曜・日曜はとくに入場待ちの長い列が発生する盛況となっています。
東京都現代美術館では、混雑への対応として、1月29日午前10時以降に販売するオンラインチケットを「日付指定」に変更、会期最終月となる3月の週末には夜間臨時開館も実施されます(混雑への対応について・詳細|2025年1月28日発表)。
会期:2024年12月21日(土)〜2025年3月30日(日)
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜(2月24日は開館)、年末年始休業期間、1月14日(火)、2月25日(火)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F ほか
所在地:東京都江東区三好4-1-1(Google Map)
観覧料:一般 2,400円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,700円、中高生960円、小学生以下無料
※入場日指定のオンラインチケットを1月29日より発売中
※当日の混雑状況により、入場制限をかける場合あり
※臨時夜間開館実施日:3月7日(金)、14日(金)、21日(金)、28日(金)、29日(土)は20:00閉場(展示室入場は19:30まで)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、朝日新聞社、テレビ朝日
東京都現代美術館 ウェブサイト(混雑状況・入場時の注意点など最新アナウンスあり)
https://www.mot-art-museum.jp/
※本稿は一部で敬称略とした