
石川県金沢市にある谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館(以下、一部で金沢建築館と略)にて、第11回企画展「谷口吉生の建築 ―静けさと豊かさの創造―」が7月6日より開催されます。
2019年竣工 金沢建築館(撮影:北嶋俊治)
会場となる金沢建築館は、金沢出身の建築家・谷口吉郎氏(1904-1979)の住まいの跡地に、子の谷口吉生氏(1937-2024)の設計によって建設された谷口親子の記念館です。市内には、両氏の唯一の共作である〈金沢市立図書館〉(現称:金沢市立玉川図書館)のほか、吉生氏が設計した〈鈴木大拙館〉などがあります。
本展は、昨年12月に逝去した吉生氏の仕事およびその業績にあらためてスポットをあてるもので、代表作や生い立ちを紹介する映像のほか、金沢で手掛けた3つの建築作品を金沢の建築文化とともに紹介します。
第1章 谷口吉生-生い立ち、思想、業績
第2章 谷口吉生の金沢-風土、心、原風景
ごあいさつ
本建築館の設計者であり名誉館長であった谷口吉生氏は昨年12月16日に逝去されました。父・吉郎氏の志を継ぎ、金沢の地に思索をめぐらせてきた吉生氏の存在は、この町がもつ深い精神性をきわだたせる上で大きな意味がありました。
このたび、吉生氏の建築作品を振り返り、金沢との繋がりの上に氏が実現しようとした新たな空間を追体験することを目的に、展覧会「谷口吉生の建築 ―静けさと豊かさの創造―」を企画しました。伝統と現代をともに胚胎した一群の作品をあらためて肌で感じ、凛とした吉生氏の姿を思い浮かべながら、金沢へのメッセージを読み取っていただければ幸いです。
一足先にあの世に旅立たれた吉生氏へのはなむけとさせていただきます。谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 館長
三宅理一
金沢市立図書館(撮影:クラシゲフォトプロダクション)
谷口吉郎・吉生親子による唯一の共同設計作品(参照元:金沢市立玉川図書館ウェブサイト 施設ガイド)
鈴木大拙館(撮影:北嶋俊治)
2011年竣工(2023年11月より約4カ月の建築レガシー継承改修工事を経て2024年3月16日リニューアルオープン)
谷口吉生氏(撮影:相原 功) ※プロフィールは金沢建築館ウェブサイト「谷口吉郎・吉生について」ページを参照
関連企画として、今年4月より同館の2代目館長を務める建築史家の三宅理一氏(1948-)らが登壇するトークイベント(建築フォーラム)が、芦原義信(1918-2003)設計の金沢市文化ホールなどで行われるほか、金沢建築館の展覧会会場では、学芸員による展示解説(常設展を含む)も行われます。
会場:谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館
所在地:石川県金沢市寺町5丁目1-18(Google Map)
会期:2025年7月6日(日)~2026年1月18日(日)
開館時間:9:30–17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(月曜が休日・祝日の場合は開館し、翌日火曜休館)、10月28日(火)、年末年始(12月29日〜1月3日)
※7月7日(月)、10月27日(月)は開館
企画展観覧料:一般 800円、大学生・65歳以上 600円、高校生以下無料
※本料金で常設展示も観覧可
※学生は入場の際の学生証の提示要
主催:谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館
監修:谷口建築設計研究所
企画協力:白川裕信(白川アトリエ)
協力:金沢美術工芸大学、金沢市立玉川図書館、鈴木大拙館
谷口吉生と仕事を共に取り組んだ建築家と、日本経済新聞紙上に連載された「私の履歴書」を谷口とともにまとめた記者とともに、谷口吉生の建築設計活動について振り返り、谷口の「静けさと豊かさ」という言葉で表される、研ぎ澄まされた精神の分析を試みる。
日時:2025年7月20日(日)14:00-16:00
会場:金沢市文化ホール 大会議室
所在地:石川県金沢市高岡町15-1(Google Map)
登壇者(敬称略):飯田善彦(アーキシップスタジオ、元計画設計工房所属)、窪田直子(日本経済新聞社 編集委員兼論説委員)、三宅理一(谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 館長)
定員:120名(要申込、先着順に受付・定員に達し次第、締切)
参加費:1,000円(金沢建築館ファンクラブ会員は500円)
申込方法:専用申込フォームにて受付
金沢出身の仏教哲学者で思想家の鈴木大拙(1870-1966)。2011年に竣工した〈鈴木大拙館〉は谷口吉生の設計として知られる。設計にあたり、大拙の思想をいかにして空間に落とし込んだのか? 鈴木大拙が影響を与えた数多くの作家や創作物にも焦点をあて、大拙の思想と建築表現との関連について解読し、哲学者を顕彰するミュージアムとしての特質を検証する。
日時:2025年9月13日(土)15:00-17:00
会場:金沢市文化ホール 大会議室
登壇者(敬称略):浅田 彰(京都芸術大学教授)、安藤礼二(多摩美術大学教授)、三宅理一
定員:120名(要申込、先着順に受付・定員に達し次第、締切)
参加費:1,000円(金沢建築館ファンクラブ会員は500円)
申込方法:金沢建築館に開設予定の専用申込フォームにて受付
谷口吉郎・吉生の2代にわたり建築文化の醸成に貢献した金沢。両氏が金沢に遺した功績を振り返るとともに、どのようにそのレガシーを継承していくかについて考える。
日時:2025年11月22日(土)18:00-20:00
会場:谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館
登壇者(敬称略):水野一郎(谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 前館長)、五十嵐太郎(東北大学大学院教授)三宅理一
定員:30名(要申込、先着順に受付・定員に達し次第、締切)
参加費:1,000円(開館時間17:00までの本企画展および常設展の観覧料を含む)
申込方法:金沢建築館に開設予定の専用申込フォームにて受付
谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館の学芸員による展示解説(第11回企画展+常設展)
実施予定日時(各回いずれも14:00-15:00):2025年7月12日(土)、8月9日(土)、9月6日(土)、10月11日(土)、11月1日(土)、12月13日(土)、2026年1月10日(土)
参加費:不要(ただし、企画展観覧料金が必要)※事前申込不要
展覧会・関連企画詳細
https://www.kanazawa-museum.jp/architecture/exhibition/kikakuten11.html