QUANTUM(クオンタム)のインハウスデザインスタジオ「MEDUM(メデュウム)」は、ミラノデザインウィーク 2026において、新作インスタレーション「Light is Shadow」を公開します。本展では、サイネージなどで普及している「無機EL(エレクトロルミネッセンス)」という既存技術に着目。平面のシートに「切れ込み」を入れるという極めて簡素な工程によって、光と陰が等価に存在する照明のプロトタイプを提示します。

今回の展示テーマ「Light is Shadow」は、安全や効率の観点から常に一定の明るさが保たれている現代の居住環境において、あえて「陰」の価値を見つめ直すことを目的としています。谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』に象徴される、暗がりの中に宿る静寂や想像力を、現代のデザイン文脈で再構築し、光を単なる照明器具としての機能に留めるのではなく、陰影との対話を生む装置として設計。光と陰を等価な要素として扱うことで、両者が境界なく混ざり合う「あわい(間)」の美しさを、プロダクトを通じて客観的に提示しています。
展示の中心となるのは、サイネージなどで広く使われている「無機EL(エレクトロルミネッセンス)」を素材とした照明シリーズです。MEDUMは、この薄く柔軟なシート素材に対し、極めてシンプルな「切る」という加工のみを施すアプローチを採用。一枚のシートに切れ込みを入れ、立ち上げることで立体的な陰影を生み出し、素材を余すことなく使い切る合理性と、輸送時のフラット化というプロダクトとしての必然性を両立させました。低電力で優しく放たれる光は、エネルギー過剰な都市の喧騒を離れ、来場者に内省的な時間を提供します。

MEDUMの取り組みの特徴は、既存の『無機EL』という技術に対し、デザインによる新たな解釈を加え、情緒的なプロダクトへと再定義した点にあります。低電力で発光するこの素材を、単なる文字表示のデバイスとしてではなく、空間に情緒をもたらすテクスチャとして活用。暗がりの展示空間において、重なり合ったシートの隙間から漏れる微かな光や、壁面に落ちる柔らかな影のディテールを、視覚と直感の両面で体験できる構成となっています。
会場となるトルトーナ地区の展示スペースでは、暗所の中に新作の照明プロトタイプが配置され、実際にその光と影の質感を確かめることができます。あわせて、MEDUMのこれまでの代表作とその制作プロセスを紹介するアーカイブ展示も同時開催されます。暗がりに浮かび上がる無機ELの柔らかな光の帯と、その背景にある緻密な設計の足跡。アイデアがどのように素材と結びつき、具体的なプロダクトへと形を変えていくのかという一連の流れが可視化されており、デザインが技術を日常の体験へと変換させる過程を客観的に観察できる構成となっています。

開催概要
展示名:Light is Shadow
会期:2026年4月20日(月)〜4月26日(日)
時間:10:00〜19:00(最終日は16:00まで)
会場:Tortona 12 (Tortona Rocks / Tortona District)
所在地:Via Tortona 12, Milano, Italy(Google Map)
主催:株式会社QUANTUM※ プレスプレビュー:4月19日(日)15:00〜18:00