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オリジナルデスクで社員にもクライアントにも好評! 風通しのよい「見せるオフィス」を実現

アイカ工業のメラミン化粧板を採用した、無垢材のようなオリジナルデスク制作事例

PRODUCT2022.12.02

テレワークが普及し、オフィスの空室率に関するニュースも耳にしますが、コロナ禍 3年目になり、事業所をコンパクトなテナントに移転させたり、対策を取りながら以前のようにオフィスへの出勤を推奨したりしている企業もあるようです。

一昔前、オフィスやオフィス家具といえば、シンプルなデザインが一般的でした。
一方、「居場所を増やす」「社員同士のコミュニケーションをうながす」「通いたくなる」といった新しいオフィスを実現する例も増えています。働く人にとって心地よいオフィスデザインなら、よりモチベーションを引き出せる可能性があります。
業務で使用するものである以上、使い勝手、予算、耐久性…さまざまなクリアすべき条件はありますが、心地よいデザインや、それを実現できる素材に注目してみましょう。

働く人も、来客も快適に

紹介するのは、「見せるオフィス」というコンセプトのオフィス。使い手とともに検証を重ね、綿密に設計されたオリジナルのオフィスデスクにも注目です。

株式会社ジャムデザイン(埼玉県さいたま市)は、広告媒体から空撮・動画制作まで幅広い制作を行っている総合デザイン会社。初代社長から事業を引き継いだのは、パティシエとしてフランス留学経験をもつ女性経営者、上野あすか氏。数年前から思い描いてきた夢は新オフィス建設の実現でした。具体的な打ち合わせをデザイン事務所と開始したのは、2020年初冬のこと。

新オフィス建設にかける思い

エントランスの足元には「bonjour」の文字が埋め込まれ、親しみを込めて訪れるすべての人を迎え入れる

新オフィスの建設にあたり、上野氏が大切にしたのは「自然を感じられる快適なオフィスで、社員のやる気を引き出し、コミュニケーションが取りやすい空間をつくる。その様子をお客様に見ていただくことで、会社のブランディングにつなげたい」(上野氏談)ということでした。
新しいオフィスでは社内の雰囲気はもちろん、社員自身が明るくなり常に先を見ていると感じるといいます。

「社員だけでなく、来社される方からも弊社に来ることが楽しみになっているとお声をいただいています。ジャムデザインが大切にしている、笑顔とチーム力。これが形になりました。」 (上野氏談)

「オフィスショーケース」=見せるオフィスを提案

上野氏と打ち合わせを進め、内装設計を担当したのは株式会社 建.LABOのデザイナーである若林佳織氏。今回のコンセプトについてうかがいました。


デザイナー 若林佳織氏プロフィール
1964年生まれ。茅ヶ崎市在住。東京芸術大学美術学部在学中より店舗のインテリア提案を開始。その後デザイン事務所、工務店、家具ショップなどで勤務。自らもアートやオブジェ制作を行い、アイアンやガラス、グリーンなど工房系の作家とともにさまざまなプロジェクトに参画。現在は新たな素材を使用した空間、インテリア製品の開発を目指し精力的に活動を行っている。

建.LABO公式ウェブサイト
https://kenlabo.co.jp/

「新オフィス建設の目的は、社員のモチベーションアップと企業のブランディング。デザイナーとして双方をいかに建築空間の中で融合させるのか、という点が最も重要なポイントでした。

そこで、社員が働く姿とともに、『オフィス全体、丸ごと』をクライアントにも見て体感していただく、『オフィスショーケース』というコンセプトを創案するところからスタートしました。」(若林氏談)

邸宅に招かれたようなオフィスエントランス。手摺はアイアン作家に制作を依頼したオリジナル(玄関ドア表面材:粘着剤付化粧フィルム / オルティノEX[高耐候] VEX509M)

新社屋に入り階段を上ると、グレージュカラーのモダンな空間が広がり、ブラックのスチールや各所のグリーンが印象的です。キッチンスタジオも併設され、調理シーンの動画撮影にも使用されます。

ホールはグレージュカラーで統一されている
ミーティングルームは通路を挟んでデザイナーたちのデスクと向かい合う
ラスティックグレーのルーバーでやわらかく仕切られたデザイン室(ルーバー:粘着剤付化粧フィルム / オルティノVW-18015C)

社内には食品や調理の撮影も行えるキッチンを併設。壁面のグレー、天板の木目、スチールの黒がスタイリッシュな印象(収納扉:指紋レスメラミン化粧板セルサス / TJ-2589K)
採用されたグレージュカラーの面材

メイン通路に向かって一直線に並ぶデスク

オフィスのメイン通路に沿って並ぶデザイナーのデスク(左)。ルーバーを通して来客にもデザイナーたちの様子が伝わる

オフィスのメイン通路に向かってデザイナーたちが作業を行う14台のデスクが一列に並ぶ様子は圧巻。来訪したクライアントはこの通路を介してミーティングルームやトイレにアクセスするように設計されているので、社員の息吹やオフィス空間全体を感じ取ることができます。

お互いの様子を自然に感じるルーバーをデスクに採用

今回、オフィスデスクもオリジナルで製作するにあたり、デスクの背板部分をルーバーにすることで圧迫感を軽減しています。素材にはアイカ工業のメラミン化粧板「セルサスプレミアムテクスチャー」が採用されました。通路を行き交う人の視線をほどよく遮り、制作中の社員の集中力はしっかり保てるよう配慮された設計です。

「社長は当初、デスク素材として無垢材を希望されていました。しかし予算の問題もあり、他の素材を検討し始めました。そんななか、凹凸感が忠実に再現され木肌感も感じられるアイカ工業のセルサスプレミアムテクスチャー(TSY10038K)を提案したところ、とても気に入っていただき、即採用となりました。」(若林氏談)

指紋レスメラミン化粧板 / セルサスプレミアムテクスチャー TSY10038K

検討を重ねたデスクの使い勝手

背板のルーバーには可動棚を引っかける役割もあります。担当業務によって使用するデバイスが異なるため、自由な位置に棚を設置できるよう設計されました。棚の移動しやすさとルーバーとしての美しさを保つバランスを吟味。コンセントやLANの位置、高さなどは、試作品を元に使い手であるジャムデザインの社員たちと一緒に検証を重ねたそうです。

提案段階のデスク図面。さまざまな調整が行われた(デスク制作:ヴェルト株式会社)

「動画編集作業でデスクに向き合う時間も多いのですが、ルーバーになっていることでデスク周りに自然に光が入ってきて、圧迫感がなく作業がしやすい。また、自分の置きたい物によって棚の高さが変えられるのも使いやすいです。」(ジャムデザイン社員談)と、使い勝手は好評のようです。

デザイナーは思い思いに棚をカスタマイズできる

ところが、製作面ではメラミン化粧板ゆえの苦労もあったようです。
「無垢であればカットするだけでルーバーにできるのですが、細い芯材にメラミン化粧板を貼り付けなければならないので、職人さんには苦労をかけてしまいましたね。」(若林氏談)

スタイルの追及で新時代のオフィスデザインを実現

テレワークの普及によりオフィスの真価が問われている今。企業によって必要な機能や、求められるスタイルはさまざまです。その企業ならではのスタイルを模索し続けることが、新しいオフィスをつくっていくのではないでしょうか。

2021年に40周年を迎えたジャムデザインの社長室

デスク制作
ヴェルト株式会社 https://www.welt-netz.com/index.html

動画制作
ジャムデザイン https://jamdesign.co.jp/company/

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