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立ったまま寝る仮眠ボックス〈giraffenap(ジラフナップ)〉

イトーキの開放特許「人体収納用構造体及び睡眠用筐体」を利用して旭川の広葉樹合板が開発

PRODUCT2023.08.02

合板などの建材販売を事業とする広葉樹合板(北海道旭川市)が、8月1日正午より札幌市内にて新商品発表会を行い、”立ったまま”寝る仮眠ボックス〈giraffenap(ジラフナップ)〉の概要を発表(広葉樹合板 プレスリリース)、実物とデモンストレーションもあわせて披露しました。

開発の背景

〈ジラフナップ〉は、北洋銀行(札幌市)が近年力を入れている、大企業などが保有する特許と、道内の企業の製造力を引き合わせる「知財ビジネスマッチング」から誕生した仮眠専用ボックスです。
イトーキ(東京都中央区)が所有する開放特許[*1]「人体収納用構造体及び睡眠用筐体」[*2]に関して、同社と広葉樹合板とのあいだにライセンス契約が締結され、オフィスワーカーなどのパフォーマンスの向上を目指した新商品の開発が進められてきました。

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

仮眠ボックス〈giraffenap(ジラフナップ)〉スペーシアタイプ オフィス設置イメージ

“⽴ったまま最⾼の休息を”提供する仮眠ボックス

経済協力開発機構(OECD)の2021年版調査[*3]によれば。日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、同機構加盟国30カ国のうち最下位。30カ国の平均睡眠時間8時間24分に比べて約1時間の開きがあるとのこと。厚生労働省のデータ[*4]が実施した調査によれば、アンケートで睡眠時間は「7時間以下」と回答した人は全体の67.7%と高い数字です。

寝不足の状態では、日中に眠気に襲われ、だるさを感じる人も多く、集中力や注意力の低下から、単純なミスを起こす可能性が高くなります。この悪影響がわかっていながら、日本の職場においては、例えば眠気に襲われる時間帯である昼食後に10〜20分程度の仮眠をとることは難しいのではないでしょうか。簡易用ベッドを備えてあるとしても、それは仕事中に体調不良を訴えた人のためのもの。オフィス空間で仮眠をとっている姿は、仮に休憩室であっても、他人には「サボっている」と思われがちです。

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

〈giraffenap(ジラフナップ)〉スペーシアタイプ

〈ジラフナップ〉は、小型の公衆電話ボックスほどのサイズで、扉を開けて人ひとりが中に入り、集中して仮眠をとることができる専用空間として開発されました。設置場所は、オフィスのほか、空港や病院、介護施設、駅構内、カフェなどを想定しています。

コンセプトは「Sleep Well While Stan ding ⽴ったまま最⾼の休息を」。商品名は、野生では立ったまま眠ることがあるというキリンの英語名(giraffe)に由来します(NAPは昼寝の意)。

〈giraffenap(ジラフナップ)〉ロゴ

“立ったまま”でも仮眠はとれる

ボックスの内部には、人間の頭部・臀部(尻)・脚の脛(すね)・足裏の計4点を固定して支えるパッドがそれぞれフィットするように計算された位置に配置されています。
8月1日の記者発表および同日正午に広葉樹合板より配信されたプレスリリースよれば、この4点がズレないように固定することで、利用者がたとえ脱力しても、リラックスした状態で「立ち寝」ができる姿勢をキープできるとのこと。

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

仮眠ボックス〈giraffenap(ジラフナップ)〉使用イメージ(足裏、脛、臀部を固定し、アームパッドに両腕を着けた状態)

札幌の会場からライブ配信されたデモンストレーションによれば、利用者は以下の流れで仮眠の準備に入ります。

1.足裏を足裏パッドに密着させる
2.脛と膝をパッドにあてる
3.臀部を固定するパッドの位置を昇降スイッチで調整する
4.出入りのため前方にハネ上げられているアームパッドをおろし、高さを調整、ここに両腕と頭部を預けた状態(うつぶせ)で仮眠に入る

新商品発表会に参加したメディアに配布された資料によれば、パッドは撥水性・撥油性の高いシート素材を採用しており、内部の天井照明は調光が機能付き、さらにはスマートフォン端末などの充電もできるようにしているとのこと。

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

仮眠ボックス〈giraffenap(ジラフナップ)〉使用イメージ(扉は開放された状態で撮影)

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

仮眠姿勢のイメージ(アームパッドに両腕と頭部を預けた状態)

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

仮眠ボックス〈giraffenap(ジラフナップ)〉使用イメージ

約20分間の仮眠でパフォーマンスが向上

〈ジラフナップ〉をオフィスなどに導入することで、利用者の”脳のリフレッシュ”や、その後の情報処理および認知能⼒の回復による、パフォーマンス向上の効果が期待されています。

商品の販売にあたり、北海道大学と台湾の国立成功大学との共同で実証のための実験と研究が行われています。〈ジラフナップ〉の中で、人が立ったまま寝た場合に、軽い寝息をたてる程度の睡眠状態「睡眠段階2」に到達し、その状態の継続を30分以上、確認しているとのこと。

仮眠の効用の裏付けとして、広葉樹合板では米国のアメリカ航空宇宙局・NASAが行った研究をプレスリリース内で引用しています。記載によれば、「26分の仮眠を取ったパイロットは、パフォーマンスと注意力が34%、反応時間が16%改善されたことが報告されている」とあり、人の疲労回復やストレス軽減、集中力の向上、記憶力や認知力の向上、発想力や創造性の向上、気分が高い状態に保たれるといったさまざまな効果が、20分程度の仮眠をとることで期待できるとしています。
ワーカーを雇用する側にとっても、組織としてのパフォーマンス向上を図るとともに、従業員の健康増進をサポートすることにつながります。

外装デザインは2タイプを展開

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

〈giraffenap(ジラフナップ)〉スペーシアタイプ / サイズ:W1,200×D1,200×H2,577(mm)

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

〈giraffenap(ジラフナップ)〉スペーシアタイプ ※扉が開いてボックス内が見えている状態

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ / サイズ:W1,200×D1,200×H2,532(mm)

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ 使用イメージ

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ 使用イメージ

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ 使用イメージ

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ 使用イメージ

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ 使用イメージ

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ 使用イメージ

〈giraffenap(ジラフナップ)〉フォレストタイプ 使用イメージ

8月1日時点の商品ラインナップは、近未来をイメージした「スペーシア(SPACIA)」と、森の中をイメージした「フォレスト(FOREST)」の2種類。販売開始は2023年12月末から2024年1月の予定です(価格は現時点で未定)。


#広葉樹合板 YouTube:立ったまま眠る仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」ティザーPV(2023/06/01)

〈giraffenap(ジラフナップ)〉ティザーサイト
https://g-nap.com/


#広葉樹合板 YouTube:〈giraffenap〉立ったまま寝る仮眠ボックス 開発者インタビュー(2023/08/01)

広葉樹合板 ウェブサイト
https://www.koyoju.co.jp/


発売に先立ち、2023年8月22日(火)から、ネスレ日本が東京・原宿で開催予定のイベント「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」に特別出店されます。〈ジラフナップ〉の体験が可能です。

仮眠ボックス giraffenap(ジラフナップ)

ネスカフェ 原宿2Fで開催予定の「ネスカフェ 睡眠カフェ × ジラフナップ “立ち寝コーヒーナップ”体験席」イメージ(ネスレ日本 8月1日プレスリリースより)


*1.開放特許:特許権者、または出願人が第三者に対し、開放(ライセンス契約、譲渡等)する意思のある特許を指す(開放特許情報データーベース Q&Aより)
*2.イトーキ「⼈体収納⽤構造体及び睡眠⽤筐体」:特許第7273496
https://plidb.inpit.go.jp/ordinary/search/1

*3.「Gender Data Portal 2021」より
*4.厚生労働省 医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課「令和3年度 健康実態調査結果の報告」より

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