TECTUREの「サンプル請求機能」がリリースされて3カ月が経ちました。この新機能リリースと連動して『TECTURE MAG』では、建材についてより深く知ってもらい、建材選びの参考になるような記事を続々と取り上げていきます。
最初に取り上げるジャンルは、タイル。耐久性と装飾性を兼ね備え、私たちの暮らしを彩るタイルの魅力を、さまざまな視点からお伝えします。
第1回 1枚のタイルが出来るまで(10月2日掲載)
第2回 タイルの材質や加飾についての基本(10月16日掲載)
第3回 空間の印象を左右する、タイル「目地」の基本(11月掲載予定)
ひと口にタイルと言っても、そのデザインや製法、使われている原料はさまざまです。現在、日本で流通しているタイルの多くがセラミックタイルと総称されるもので、焼き上げたタイルの吸水率の違いにより、陶器質、炻器(せっき)質、磁器質の3種類に分けられます。
近年の製造・加飾技術や施工技術の革新によって、セラミックタイルのデザインや性能は洗練され、より多様な場面で採用されるようになりました。その一方で、昔ながらの製法でつくるタイルがもつ「焼き物」としての表情や質感も好まれ、改めて注目が集まっています。
今回は、湿式という昔ながらの製法で、DINAONE商品「HINONE/ヒノネ」「KoksⅡ/コークスⅡ」などのタイルを製造する窯元、由松製陶所のタイル製造工程を紹介します。
由松製陶所は、六古窯(古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く6つの窯)の1つである愛知県常滑市にある製陶所。湿式製法と、還元焼成という焼き方が特徴で、色合いに深みがあり質感も豊かなタイルをつくり続けている。
セラミックタイルは、主に「乾式製造」「湿式製造」のどちらかで製造されています。乾式製造では、水分を限りなく含まないパウダー状の原料(坏土)を金型に充填し、高圧プレスをかけ成形します。低コストで大量生産ができ、水分がほとんどない原料からつくられるために、焼成後の寸法精度も高く品質が安定しています。
湿式製造では、含水率が20~25%の粘土状の原料を成形機で押し出して、ピアノ線などで所定の長さにカットします。原料の含水率が高いため、焼成により、収縮や歪みが生じやすいですが、その僅かな誤差が焼き物ならではの表情や質感、いわゆる「味」を生み出します。
由松製陶所での焼成は、酸化と還元のうち還元焼成を採用しています。空気の供給を制限する焼成方法で、素地や表面の釉薬に含まれる物質と酸素の結合を防ぎ、すでに含まれている酸素を放出することで質感や色を変化させます。火のあたり具合で、焼き物らしい色幅(窯変)が生じやすいのが特徴です。
#DINAONE YouTube:【工場見学】タイルつくりの現場探訪 ー由松製陶所 編ー
DINAONE ウェブサイト
https://www.dinaone.co.jp/
画像提供:DINAONE
メディア編集チームがTECTUREに参加しているタイルメーカーへ取材し、タイルの「最先端」を集めました。タイルはどこまで進化しているのか、どのようなトレンドがあるのか、タイルの最先端を3回に分けてご紹介しました。
第一回 スーパーリアルなタイル(9/4公開記事)
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● 大理石調タイル● 石材調タイル
● メタル調タイル
● 木目調タイル
第二回 “3000㎜の超大判タイル”が演出するダイナミックな空間 (9/11公開記事)
● 大判タイル
第三回 いまや常識!タイルで実現するサステナブル建築 (9/19公開記事)
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次回は「タイルの材質や加飾についての基本」を特集します。ぜひご覧ください。