アイカ工業のメラミン不燃化粧板「セラール」。色柄のバリエーションや汚れにくさ、堅牢性でさまざまな用途の建築に用いられています。
「セラール」は不燃コア層を芯材に、メラミン樹脂含浸の化粧層を高温・高圧でプレス成型した不燃化粧板です。3㎜という薄さながら硬度・強度に優れているため、割れや欠けなど運送中や現場での破損が少なく、扱いやすいのが特徴。表面層はメラミン樹脂のため、傷や衝撃にも強い製品です。
単色、木目、石目など150柄があるほか、500以上のメラミン柄からオーダーメイドにも対応できます。
「オルティノ」はメラミン化粧板とトータルコーディネートができる、粘着剤付き樹脂化粧フィルム。平面、曲面に関わらず、基材の形状に合わせて貼ることができ、新築・改装問わず利用しやすいのが特徴です。
メラミン化粧板や不燃化粧板などと同柄で合わせることもできるだけでなく、耐傷性に強い「オルティノHD」、抗菌・防カビ性がある「オルティノ バスルーム・水廻り用」、屋外にも使用できる耐候性・耐久性に優れた「オルティノEX」など、機能・用途によって選択ができ、多くの人が利用する商業施設や公共施設などでも有効です。
ガラス面で山並みを表現し、霊峰白山や隣接するこまつの杜の公園が見える大きなファサードが特徴の北陸新幹線・小松駅のエスカレーターや階段の壁面、ホーム壁面にメタル調の「セラール」が採用されました。
北陸新幹線ホームは細かな雪が吹き込むこともあり、さらに線路や列車からの錆が飛ぶことからスチール製のパネルではなく、メラミン系のパネルが選ばれています。
「鉄道のホームにセラールを採用したのは初めてです。雨が当たらない半屋外であれば使用できると聞き選定しました。セラールは強度があり、かつ材料自体が薄く、壁の厚みを薄く仕上げることができます。
デザインも選ぶことができ、鉄道業界にとって使いやすい素材だと思います。価格変動の大きい金属パネルよりも安価なため、階段、エスカレーター、コンコースの壁面に採用しました。」(施工担当:鉄道・運輸機構 / 小松鉄道建築建設所 藤田航平氏談)
「セラールには安全面を考慮してハットジョイナーを併用していますが、近似色のものを使用することでさほど目立たずに仕上がりました。小松駅では階段からホーム階にかけてセラールを含めて黒系素材を多く使用し、無機系の落ち着いた空間となっています」(藤田氏談)
同じく延伸により開業した加賀温泉駅のコンコース、エスカレーター、階段の壁面、ホームの腰壁にも「セラール」が、また、コンコースのデザインウォールの一部や女子トイレなどに、金沢らしさのある金箔柄の「オルティノ」が採用されました。
「金沢の特産品である金箔をアイコンにしたかったため、デザインウォールやトイレに金箔柄の化粧フィルムを採用しました。パネルを試作してみて金箔に近く、それでいて華美に見えすぎなかったのでオルティノに決めました」(藤田氏談)
「加賀温泉駅は温泉郷の風情と城下町の歴史をデザインイメージとしています。なるべく和風素材を多く使いたかったなか、オルティノは“本物の金箔ですか?”と聞かれるほど高いクオリティで仕上げることができました。」(藤田氏談)
「開業した駅は地域の方々とつくり上げてきた事業ですので、ぜひ地元の方に使っていただきたいです。そして観光で使用される場面も多いと思いますので、最初に訪れる玄関口からこの地域を感じていただきたいです」(藤田氏談)
今回使用されたアイカ工業のプロダクト詳細はこちら
TECTURE〈北陸新幹線 小松駅〉
TECTURE〈北陸新幹線 加賀温泉駅〉