「須藤玲子：NUNOの布づくり」展 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて12/10まで開催

2023年10月11日初掲、同月13日美術館内外観画像追加

テキスタイルデザイナーの須藤玲子氏（1953-）と、氏が率いるNUNO（布）のこれまでの活動を紹介する展覧会が、香川県丸亀市にて開催されています。
会場は、建築家の谷口吉生氏（1937-）の設計で知られる丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて、12月10日（日）まで。

本展は、香港のミュージアム・CHAT（Centre for Heritage, Arts and Textile）が企画して2019年に開催された展覧会を端緒として、2021年にイングランド（会場：Japan House London）、スコットランド（会場：Dovecot Studios）にて開催され、2022年にはスイス（会場：Textilmuseum St.Gallen）に巡回しています。今回が待望の日本開催であり、国内の美術館では初の大規模個展でもあります。

CHATでの展示風景（2019年） ©︎CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile), Hong Kong

Japan House Londonでの展示風景（2021年）©︎Japan House London

須藤玲子氏の大規模展「MAKING NUNO Japanese Textile Innovation from Sudō Reiko 須藤玲子: NUNOの布づくり」ロンドンにて開催

須藤玲子〈きびそ縞と筋〉2008年　撮影：林 雅之

紋紙（パンチカード） 撮影：林 雅之

本展では、須藤氏とNUNOによる日本各地の職人や工場との協働作業や、素材の可能性を拡げる取り組みを軸に構成されてます。完成したテキスタイルはもちろんのこと、テキスタイルが「出来るまで」をメインに見せているのが特徴で、須藤氏のアイデアのソースや、アイデアが実現するまでの試行錯誤、テキスタイルがつくられている工場の様子も展示の中で惜しげもなく披露されています。

須藤玲子〈ジェリーフィッシュ〉1993年　撮影：林 雅之

須藤玲子〈ジェリーフィッシュ〉 刺繍による試作　　撮影：林 雅之

須藤玲子〈カラープレート〉スケッチ　撮影：林 雅之

通常は見ることができない、これらの制作過程は、パノラマティクスを主宰する齋藤精一氏がアーティスティックディレクションを担当した、音と映像のインスタレーションとして展開。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の建築空間の中で1つの作品に昇華し、NUNOの世界観を伝えます。

映像「NUNOの布づくり 群馬編」より（アートディレクション：齋藤精一 / パノラマティクス主宰）

さらに本展では特別に、猪熊弦一郎作品とコラボレーションした新作2点が出品されています。美術館の顔とも言えるファサードと、自然光が降り注ぐエントランスの吹き抜け空間にて、インスタレーションとして披露されており、天井高14メートルを超える大空間での展示も見どころです。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 外観（撮影：増田好郎）※本展開催前

1階 エントランスホール（撮影：増田好郎）※本展開催前

#丸亀市猪熊弦一郎現代美術館YouTube：「須藤玲子：NUNOの布づくり」ティザームービー（2023/09/28）

須藤玲子（すどう れいこ）氏プロフィール
1953年茨城県石岡市生まれ。株式会社 布 代表。東京造形大学名誉教授。
日本の伝統的な染織技術から現代の先端技術を駆使し、新しいテキスタイルづくりをおこなう。作品は、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ロサンゼルスカウンティ美術館、ビクトリア＆アルバート博物館、東京国立近代美術館など、世界の名だたるミュージアムに収蔵されている。
主な書籍に『日本の布（1～4）』（MUJI BOOKS 2018, 2019）、『NUNO: Visionary Japanese Textiles』（Thames & Hudson 2021）などがある。2022年第11回円空大賞受賞。

須藤玲子氏近影（撮影：林 雅之）

NUNO Website
https://www.nuno.com/

「須藤玲子：NUNOの布づくり」展 開催概要

会場：丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
所在地：香川県丸亀市浜町80-1（Google Map）
会期：2023年10月8日（日）〜12月10日（日）
開館時間：10:00-18:00（入館は17:30まで）
休館日：月曜
観覧料：一般950円、大学生650円、高校生以下または18歳未満・丸亀市在住の65歳以上 無料、各種障害者手帳の提示で本人と介護者1名まで無料
※同時開催の常設展「猪熊弦一郎 生活に美を」観覧料を含む
※11月23日（木・祝）は開館記念日のため観覧無料
問合せ先：TEL.0877-24-7755（丸亀市猪熊弦一郎現代美術館）

主催：丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
企画：高橋瑞木（CHAT館長兼チーフキュレーター）
会場構成：たしろまさふみ（たしろまさふみデザインルーム）
アーティスティックディレクション：齋藤精一（パノラマティクス主宰）
協力：CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong、Japan House London

関連プログラム

ワークショップ

概要：出品作家によるワークショップ。ギャラリートークの後、NUNOの布を使ってオリジナルのスカーフや風呂敷を製作。
日時：2023年10月21日（土）、22日（日）各日11:00-15:00（途中で1時間の昼休憩を挟む）
講師：須藤玲子（テキスタイルデザイナー）
会場：美術館 2階 造形スタジオ
定員：各日30名（応募多数の場合は抽選）
申込締切：10月11日（水）※終了
参加料：一般 2,000円、大学生 500円、高校生以下または18歳未満は無料
※詳細、申し込み方法は、美術館ウェブサイトを参照

親子でMIMOCAの日

概要：高校生以下または18歳未満の観覧者1名につき、同伴者2名まで観覧無料
日時：2023年11月4日（土）、5日（日）各日10:00-18:00

キュレーターズ・トーク

概要：本展担当キュレーター（古野華奈子氏）による展示解説
日時：2023年11月5日（日）、12月3日（日）各日14:00開始
参加料：無料（但し、本展観覧券が別途必要）
参加方法：申込不要　※当日開始時間に1階受付前に集合

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館（MIMOCA）ウェブサイト
www.mimoca.org