1月は「巨匠の哲学」に触れることができるイベントが開催されます。磯崎新が建築を通して提示してきた批評的な思考、ウェグナーが椅子の設計に込めた身体への洞察、20世紀デザインの巨匠たちが残した思考の方法、ガウディの自然観に根ざした創造性、そしてフィンランドのサウナに息づく暮らしの知恵。新しい一年のはじまりに、実務や思考を見つめ直す機会として、巨匠たちの建築・デザインの哲学を習いに出かけてみませんか?
建築家・磯崎 新の没後、国内で初めて大規模な回顧展が水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催されます。20世紀を代表する建築家として、都市計画や建築プロジェクトのみならず、思想・文化・批評活動まで幅広い軌跡を、模型・図面・スケッチ・インスタレーション・映像など多様なメディアを通じ俯瞰的に紹介します。展覧会は「群島(アーキペラゴ)」という概念を手がかりに、その多層的な思考と実践を丁寧に読み解く構成です。磯崎設計による水戸芸術館自体が展示空間として機能し、建築の枠を超えた視点に触れる機会となっています。
磯崎新:群島としての建築
会期:2025年11月1日(土)~2026年1月25日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
21_21 DESIGN SIGHTでは、20世紀のデザインを牽引した6名の巨匠を「先生」として振り返る展覧会が開催されています。ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスといった視座の異なるデザイナーたちの代表作、言説、映像を通じて、デザインが「考え・つくり・伝える」という行為の核心に迫ります。膨大な情報や価値観が交錯する現代だからこそ、基本に立ち返るヒントが得られる展示です。
企画展「デザインの先生」
会期:2025年11月21日(金)〜2026年3月8日(日)
エリア:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
デンマークが誇る家具デザインの巨匠、ハンス・J・ウェグナーの代表作を一堂に紹介する展覧会です。椅子という最も身近な家具を通じて、機能と美の両立、素材への敬意、人間の身体性に寄り添う設計思想が浮かび上がります。デザイン史に残る「ザ・チェア」をはじめ、多くの名作が構造やディテールとともに展示され、ウェグナーが探求した「座ること」の意味を体感できます。日常と空間をつなぐ普遍的な価値を再発見できる展示となっています。
織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ
会期:2025年12月2日(火)~2026年1月18日(日)
会場:ヒカリエホール
サグラダ・ファミリアを設計したアントニ・ガウディの没後100年を記念し、公式ライセンスのもと世界初公開となる秘蔵資料を多数展示する展覧会が開催されます。オリジナル図面や直筆手記、制作道具など貴重なコレクションに加え、筆跡心理学的分析でガウディの思考プロセスに迫ります。来場者がサグラダ・ファミリアの一部を完成させる体験型・参加型アートも展開し、革新の根源となった建築思想と自然観を体感できる機会となっています。
ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展
会期:2026年1月10日(土)~2026年3月15日(日)
エリア:寺田倉庫 G1ビル 2階(受付ロビー)、5階(展示エリア)
フィンランドの暮らしに深く根付いてきたサウナ文化を、建築・生活・精神性の観点から読み解く展覧会です。誕生から弔いまで、人々の人生に寄り添ってきたサウナの歴史をたどりながら、アルヴァ・アアルトが設計した公共サウナや住宅のサウナ、6作品に焦点を当てます。代表作〈コエタロ〉のサウナ小屋をはじめ、実寸模型や図面、写真資料を通して、自然と共生する空間思想を立体的に紹介します。サウナを単なる入浴施設ではなく、建築思想の核として捉え直す内容となっています。
フィンランド スピリット サウナ展 ―アルヴァ・アアルトも大切にした場所―
会期:2025年12月19日(金)〜2026年3月5日(木)
会場:GALLERY A4(ギャラリーエークワッド)
このほかにも、『TECTURE MAG』ではさまざまなイベント情報を紹介中です(随時更新)。お見逃しなく!
参照元:公益財団法人水戸市芸術振興財団リリース、21_21 DESIGN SIGHTウェブサイト、株式会社東急文化村リリース、株式会社ネイキッドリリース、GALLERY A4ウェブサイト
トップ画像:〈水戸芸術館〉1990年竣工 「Arata Isozaki: In Formation」2023年 展示風景 Courtesy of Power Station of Art, Shanghai