メディアアーティストの落合陽一氏(一般社団法人計算機と自然 代表理事)が、昨年開催された「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」におけるシグネチャーパビリオンの1つ、〈null²(ヌルヌル)〉から生まれる2つの新たなプロジェクトを発表しました(サステナブルパビリオン2025 2026年4月7日プレスリリース)。
プロジェクトの第1弾は、横浜・みなとみらいの横浜ランドマークタワー内に、常設シアター[null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)]を今年オープンするというもの。昨年の大阪・関西万博での〈null²(ヌルヌル)〉は極めて人気が高かったため、希望しても入場できなかった人には朗報といえます。
続く第2弾は、2027年3月に横浜市内で開催される「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」において、新作〈null⁴(テトラヌル)〉が公開される予定です。
大阪・関西万博(日程:2025年4月13日〜10月13日)において、落合陽一氏がプロデュースしたシグネチャーパビリオン。仏教哲学の「空」と計算機科学の「null」を融合した概念を根底に、特殊ミラー膜・LED・ロボティクスを組み合わせた体験型インスタレーションとして構成されました。デジタルとフィジカルが鏡面を通じて溶け合う「計算機自然」の世界観を体現し、万博期間中の来場者数はのべ約60万人を記録しています。
大阪での万博閉幕後に行われたクラウドファンディング「ぬるぬるのお引越」では、開始23時間で1億円を突破、最終的に15,821人から2億8,1507万500円の支援を集めています。

2025年大阪・関西万博〈null²〉外観 Photo: TEAM TECTURE MAG

Photo: TEAM TECTURE MAG
#Yoichi Ochiai YouTube: null² pavillion part1(2025/04/13)
落合陽一氏コメント
「大阪の地で生まれた〈null²〉は、計算機自然、人間とAI、デジタルと物理が溶け合う新しい風景を生み出しました。次は横浜です。みなとみらいの中で一度『記号』を手放し、そして上瀬谷の深い森の中で計算機自然の新たな現実と出会う。この都市と自然を股にかけた『どこでもなくてどこにでもある』計算機自然の旅は、AI時代における人間の美しい『四苦八苦』を肯定する壮大な儀式になります。さようならホモサピエンス。そして、おかえり、ヌルの森。」
[null²ⁿ((ヌルヌルネクサス)]は、〈null²〉の内部体験を拡張・継承したインスタレーション作品であり、常設イマーシブシアターです。
落合氏のシグネチャー作品として、大阪・関西万博のシアターエレメントを核に新たなゾーンを加えて再構成。「ⁿ(ネクサス)」の名が示すように、2025年大阪・関西万博〈null²〉と人々のさらなる結びつきを生み出す常設ハブとして機能するとのこと。オープン後は定期的なイベントも開催、コミュニティ形成も計画しているとのこと。
さらには、「Mirrored Body®」アプリとの連携により、都市と自然・身体とデジタルを横断する「計算機自然の体験エコシステム」を横浜で展開。万博でデジタルアバターを取得済みの来場者は、横浜でも自身の分身と再会することができるでしょう。
オープン予定は2026年中。入場先行予約(ウエイティングリスト)の登録も始まっています。

2026年[null²ⁿ] イメージ ©Sustainable Pavilion

[null²ⁿ] 内観イメージ ©Sustainable Pavilion

[null²ⁿ] 内観イメージ ©Sustainable Pavilion
null²ⁿ 公式ウェブサイト
https://null2.nexus
〈null⁴(テトラヌル)〉は、2025年大阪・関西万博で人気を博した〈null²〉が自然の中に転生して生まれた風景変換彫刻という位置付けです。「GREEN×EXPO 2027」会場の「SATOYAMA Village」に設置される予定です。
〈null²〉と同様に、プロデューサーを務める落合氏の「シグネチャー」作品として、場内に設置される花壇の花・空・風、そして来場者の影を、回転する鏡面に取り込み、風景を変換する彫刻になると同時に、「計算機自然」の生命彫刻として、インタラクティブに空間と感応します。
2027年にお目見えする〈null⁴〉は、〈null²〉の単なる移設ではなく、「転生」として位置づけられています。自然・人工物・計算と人間の関係性を、新たな次元において再構成する試みです。
インド由来の思想「テトラレンマ(Tetralemma)」を標榜する4棟のテトラヌルと、主にチベット仏教に見られる巨大な摩尼車(マニぐるま)のようなオブジェクトが、回転しながら、風景・光・人の気配を取り込み、場を生成していきます。魂を蒸留するかのような運動の中で、「計算機自然」はデジタル発酵を続け、環境と知覚の新たな循環を立ち上げます。

2027年〈null⁴〉イメージ ©Yoichi Ochiai

2027年〈null⁴〉イメージ ©Yoichi Ochiai

2027年〈null⁴〉イメージ ©Yoichi Ochiai
会場:「GREEN×EXPO 2027」会場 SATOYAMA Village内
会期:2027年3月19日 ~9月26日
企画:一般社団法人計算機と自然
null⁴公式ウェブサイト
https://expo2027.digitalnatureandarts.or.jp
※テキストは、サステナブルパビリオン2025 2026年4月7日プレスリリースより、一部を『TECTURE MAG』にて補足した
フリガナ「ヌル」は正式表記(半角)に準じた