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[Report]パナソニック エレクトリックワークスがエビデンスに基づいて提案する「ウェルビーイングなワークプレイス」-オルガテック東京2026

[Report]パナソニック エレクトリックワークスがエビデンスに基づいて提案する「ウェルビーイングなワークプレイス」-オルガテック東京2026

6月2日~4日に開かれたオルガテック東京2026にて、パナソニック エレクトリックワークス株式会社(以下、パナソニック EW)は「Well-Beingを科学する」をコンセプトに、「Well-Being Lighting for workplace」と題して照明を中心とした五感に響くワークプレイスの提案を行いました。この展示ブースは「ORGATEC TOKYO Awards」において特別賞を受賞しています。

ゲンスラーが語る「ワークプレイスの潮流」とパナソニック EWブース概要

パナソニック

オルガテック初出展となったブースは、ライティングをメインとしながらも香り、音、映像、空気も制御することでウェルビーイングにつながる、電気設備をトータルに取り扱うパナソニック EWだから提案できるワークプレイス空間です。

デザイン監修は世界最大級の設計・デザイン事務所、ゲンスラーが担当。同事務所は国内外で多くのワークプレイス設計を手掛け、20年以上にわたりワークプレイスや働き方に関するリサーチ、分析を継続的に行っています。

ゲンスラー・天野氏は、コロナ渦を経てオフィスのあり方は大きく変わり、リモートワークやワーケーションなど、オフィス以外のさまざまな場所で働けることが分かった今、オフィスへ出社することに対して納得させられる意味をもたせる必要性があると語っています。

最新の調査結果からは、純然たるオフィスが減り、ネイチャーや創造、より人間にとって大事な「ウェルビーイング」に対するニーズが圧倒的に高まっていることが分かってきました。いろいろなかたちで働ける、居心地や体験が強化されたワークプレイスがどんどんつくられています。
(天野大地氏/ゲンスラー クリエイティブディレクター プリンシパル /オルガテック東京2026セミナーより)

エビデンスに基づき、形容詞を数値化したパナソニックが提案するワークプレイス

こうした多様で複雑なニーズが求められる中、パナソニック EWは、チームで相談や雑談をしたいとき、1人で集中したいとき、執務の合間にリラックスしたいときなど、照明、香り、音、気流などエビデンスをもとにコントロールして「オフィスのなかで好きな場所を選ぶことができるワークプレイス」が実現できることを提案していました。

ゲンスラーがデザイン監修し、同社の製品で構成、提案されたのはどのようなブースなのか、どうしたらウェルビーイングなワークプレイスが実現できるのか。パナソニック EWの箱田秀孝氏(Well-Being事業開発室)、谷邨和子氏(エンジニアリングセンター ライティングデザイン担当)、上野早織氏(エンジニアリングセンター 空間ソフト企画開発課)に話を聞きました。

—– 今回の展示では「ウェルビーイングなワークプレイス」を、具体的にどういった手法で実現されたのでしょうか?

箱田:このオルガテック東京2026で、パナソニック EWはウェルビーイングを「科学する」ことをテーマにしていますが、そのために重要なのはエビデンスです。

「このオフィス、なんとなく雰囲気がいいよね」ではなく、照明によって交流が促される、朝出社したときから集中できるといった演出を、実験、実証を行ったエビデンスを元に展開しています。ワークスペース、マグネットスペース、リフレッシュスペースで構成された楕円形のブースは2層のカーテンで囲まれ、同じ什器やオフィス家具の空間でも、照明でシーンを変えられることを感じてもらえるブースです。

パナソニック

爽快さを感じながら仕事に取り掛かる朝、人と人が自然に交流する午後、落ち着いて1日をまとめる業務に集中する夕方など、家具や什器がシーンとなり、照明が集中やコミュニケーション、リラックスといった体験を導く

箱田:空間を表現する際、明るい、暗い、暑い、寒いといった形容詞で表されますが、感じ方や程度は人それぞれであるように、ウェルビーイングに関しても価値観は人によって異なります。パナソニック EWでは、WELL認証の評価項目となっている10のコンセプト(空気、水、食物、光、運動、温熱快適性、音、材料、こころ、コミュニティ)を参考に、90年続くあかり事業で培った技術やエビデンスと紐づけしながら整理しました。

上野:パナソニック EWではこうして整理、開発された同社独自のワークプレイス向け照明設計指標である空間の明るさ「UpperFeu(アッパーフー)」、空間における光の均一さ「Nuit(ニュイ)」を用いて空間の特徴を数値化、各指標を縦軸と横軸にしたプロット図で視覚化するなど、分かりやすく伝える取り組みを進めています。

照明のシミュレーションはパナソニック EW独自の設計支援ツールソフト「ライトニングフロー」を用いて提案されています。BIM、3Dソフトと連携し、類似ソフトに比べ50倍のスピードでシミュレーションやビジュアライズが可能で、無料ダウンロードで誰でも使ってもらえるソフトです。

ワーカーの1日を1台あたり16000粒のマイクロLEDを搭載した照明器具で演出

—– シーンの演出はどういった製品で構成されているのでしょうか?

谷邨:WELL認証のコンセプトの1つである光に着目し、ブース床や壁に木漏れ日や波紋を映し出しているのはマイクロLED搭載照明器具「DOT.LIGHT(ドットライト)」です。これは1台あたり約16000粒のLEDを搭載し、1粒1粒の調光制御で自在な光をつくり出すことができる製品です(編集部註:未発売の参考出展製品)。

パナソニックオルガテック

マイクロLED搭載照明器具「DOT.LIGHT(ドットライト)」により床に木漏れ日や波紋を映す

谷邨:朝のオフィスをイメージしたライティングでは、空間全体を均一に明るく開放的な雰囲気を照明によって演出しているほか、BGMで鳥のさえずりが流れ、スポット気流から出る風がグリーンを揺らし、什器からはヒノキの香りを放出しています。

ウェルビーイングをより感じることのできる音や香りは、照明と連動させることができます。照明のシーン転換は新無線照明制御システム「LiBecoM(リベコム)」で、音と香りを連動して制御するプログラムを組みました。

香りは好みが分かれたり、過敏に感じてしまう方もいるため、不快に感じない香りについてもエビデンスを取っています。香りは慣れると感じなくなるため放出を時間で区切ったり、什器や空間を仕上げる素材によって音の吸収度合いが異なるため、現場で微調整を行いました。

パナソニック

2層のカーテンの間に設置されたライン照明は複数の配光を混ぜることで淡いグラデーションを表現できる

谷邨:また、カーテンとカーテンの間に仕込んだライン照明は2色の配光を混ぜています。淡い光のグラデーションとすることで、形容詞でいう「柔らかい」イメージを出しました。カーテンをどう染めたいかに合わせて上方を照らす拡散光、下まで照らす狭角配光も組み合わせた配光を設定しています。

居心地の良さを自分で選べる多様な空間を照明、風、音、香りで実現

上野:パナソニック EWがオフィスで働いている約400名にアンケートを行ったところ、自身のオフィスをウェルビーイングな環境であると感じる人は、そうでないと感じる人よりも働きやすさや意欲が3.3倍、集中力も2.1倍高いという結果になりました。

そもそもウェルビーイングとは、精神的、身体的、社会的に満たされた状態であると一般的に認識されています。それを実現するために「あかりでできること、すべきことは何なのか」を見つめ直し、大きくActivity(活動しやすさ)、Flexibility(柔軟さ)、Healthy(健やかさ)の3つの柱に基づいてWell-Being Lighting(ウェルビーイングライティング)を構築しました。

箱田:今回のブースでは、同じ空間でも照明を変えるだけで雰囲気が変わってくるのが分かってもらえたと思います。展示ではシーンを朝昼夕によって変える演出としていますが、必ずしも時間によって変えるのを推奨しているのではなく、多くの人にとって居心地がいいと感じる空間づくりの提案をしています。総合電機設備メーカーがもつ製品やプログラム、コンサルティングで、これからもウェルビーイングな空間づくりのためのサポートを行っていきたいと思います。

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