青木淳氏がトスカーナのテラコッタタイルで〈ロロ・ピアーナ表参道店〉のファサードをデザイン、今秋オープンする新たな旗艦店の“顔”に - TECTURE MAG(テクチャーマガジン) | 空間デザイン・建築メディア
青木淳氏がトスカーナのテラコッタタイルで〈ロロ・ピアーナ表参道店〉のファサードをデザイン、今秋オープンする新たな旗艦店の“顔”に

青木淳氏がトスカーナのテラコッタタイルで〈ロロ・ピアーナ表参道店〉のファサードをデザイン、今秋オープンする新たな旗艦店の“顔”に

CULTURE

東京・表参道に今年10月にオープンするロロ・ピアーナの新たな旗艦店〈ロロ・ピアーナ表参道店〉の概要が発表されました。
店舗は4フロアでの展開。2020年6月に銀座にオープンした〈ロロ・ピアーナ銀座店〉、2023年の〈ロロ・ピアーナ ドバイ〉に続き、建築家の青木 淳氏がファサードのデザインを担当。ドバイ店のファサードでも見られた、イタリア・トスカーナで特別に制作された1,400枚以上のテラコッタタイルを用いてデザインしているとのこと。

ロロ・ピアーナ表参道店 ファサード

ロロ・ピアーナ表参道店 夜間外観(提供:ロロ・ピアーナ ジャパン)

ロロ・ピアーナ 新たな旗艦店のためのテラコッタタイル

タイルは複雑な工程を経て、1つひとつ丹念に手仕事で作られています。粘土を正確に練り上げ、成形し、切断した後、3週間乾燥させます。乾燥後、丸みを帯びたタイルは、初めて静止炉で焼成されます。色付けに用いられるのは、メゾンを象徴するクンメルカラーを含む7つの異なる色合いです。ロロ・ピアーナのために特別に開発されたこの7色を生み出すためには、鉱物粉末を正確に調合する高度な専門知識が求められます。テラコッタに丁寧に色が塗布された後、タイルは再度焼成されます。こうして鉱物が溶け合い釉薬へと変化し、鮮やかな色彩が現れるのです。

日本に運ばれたタイルは、並外れた精度をもって手仕事で組み立てられ、表参道店のファサードとして完成しました。イタリアでの制作開始からファサードとして完成する一年以上のプロセスのうち、実に3カ月以上がタイル制作にあてられました。この精巧な仕事は、深い専門知識と職人技を示すものであり、細部へのこだわりと最高品質を追求するメゾンの姿勢を体現しています。

ファサードをデザインした青木氏は、世界を「すでに決まったもの」とせず、見方を少し変えるだけでまったく異なる姿や輝きを見せる、本質的に豊かなものであるととらえています。人は日常生活の中では無意識の前提や固定観念に縛られ、その豊かさに気づきにくい。だからこそ、空間の中にわずかなずれや違和感をつくり、見慣れたものの見え方を揺さぶることを大切にしていると言います。建築は単なる器ではなく、知覚や関係を変えるきっかけになりうる存在であり、新しい生活の可能性を開く媒体であるというのが青木氏のクリエーション哲学の中心にあります。

建築およびファサードデザインのプロジェクトにおける青木氏のアプローチは、あらかじめ形を決めることではなく、「その場所を読み替える」ことから始まります。周辺を繰り返し歩き、光や音、スケールや人の振る舞いに身を置きながら、その場所の特性を身体的にとらえます。同時に、プロジェクトが求める「空気」を感覚としてとらえることを重視し、わずかなずれや緊張関係を手がかりに空間の可能性を引き出していきます。青木氏は、デザインは、内部と外部の間を往復しながら、関係そのものを編み直すように立ち上げるものだと考えています。

(ロロ・ピアーナ ジャパン 2026年6月23日プレスリリースより)

ロロ・ピアーナ表参道店 ファサード

ロロ・ピアーナ表参道店 ファサード(部分、提供:ロロ・ピアーナ ジャパン)

フレデリック・アルノー氏(ロロ・ピアーナCEO)コメント

「ロロ・ピアーナ表参道店のオープンは、今年4月、東京国立博物館 表慶館にて開催したロロ・ピアーナ・レコード・ベイル賞[*2]授賞式に続く、我々の日本へのコミットメントを具現化するマイルストーンとなります。これは単なる店舗ではありません。比類なき職人技に対する私たちの揺るぎない献身を示すものです。青木淳氏がデザインしたファサードは、ロロ・ピアーナのテキスタイルの伝統とイタリアの職人技への賛辞として、東京の中心で優美かつ精緻なその姿を現しました」。

青木淳氏 近影

青木淳氏 近影(提供:ロロ・ピアーナ ジャパン / 2026年4月1日に東京・上野の東京国立博物館 表慶館にて開催された第27回「ロロ・ピアーナ・レコード・ベイル賞」授賞式[*2]にゲストとして出席)

青木 淳氏(建築家)コメント

「ロロ・ピアーナ表参道店の新たな外装は、メゾンの象徴である『極上のしなやかさ』をそのまま都市の風景に解き放つように、イタリアで特別に焼成したテラコッタを柔らかな曲線状に連ねた、まるで織物の縦糸のようなファサードです。その自然素材のリズムがそっと緞帳のように開くと、そこにはロロ・ピアーナの上質な世界が静かに広がり、通りを歩く人の足を思わず止めさせます。カシミヤの手触りのように繊細でありながら、建築として力強く存在するこの外装は、メゾンが大切にしてきた『本物の素材が生む高揚感』を、これまでにないスケールで表現しています」

ロロ・ピアーナ表参道店 ファサード スケッチ

青木氏による〈ロロ・ピアーナ表参道店〉ファサードデザインのスケッチ(提供:ロロ・ピアーナ ジャパン)

ロロ・ピアーナ表参道店 ファサード スケッチ

青木氏による〈ロロ・ピアーナ表参道店〉ファサードデザインのスケッチ(提供:ロロ・ピアーナ ジャパン)

 

〈ロロ・ピアーナ表参道店〉がオープンする場所は表参道沿い(渋谷区神宮前5丁目)。黒川紀章の設計で知られる〈日本看護協会原宿会館〉[*3]が並びに建っています。

 

ロロ・ピアーナ表参道店 ファサード

ロロ・ピアーナ表参道店 外観(提供:ロロ・ピアーナ ジャパン)



*1.ロロ・ピアーナ ドバイのファサードに関する動画:https://www.tiktok.com/@loropiana/video/7286458275686550816

*2.ロロ・ピアーナ・レコード・ベイル賞:1997年創設。最高品質のメリノウールのベイル(Bale)を生産した牧場への顕彰。オーストラリアとニュージーランドの牧場にそれぞれ贈られる。第27回「ロロ・ピアーナ・レコード・ベイル賞」の詳細はメゾンのプレスリリースを参照

*3.日本看護協会原宿会館:1999年竣工。詳細は黒川紀章建築都市設計事務所ウェブサイト>プロジェクトページを参照

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