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[Interview]BIM図面審査がスタート! さまざまな設計者のニーズに応えるVectorworksによる「限界のないデザイン」の世界

[Interview]BIM図面審査がスタート! さまざまな設計者のニーズに応えるVectorworksによる「限界のないデザイン」の世界

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2026年4月より、BIMで作成した図面データによる建築確認申請(BIM図面審査)がスタートしました。2029年4月からはIFC形式のBIMモデルを用いた建築確認申請(BIMデータ審査)の開始が予定され、その背景には建設業の人手不足や一級建築士の高齢化など、建設業界を取り巻く深刻な課題があります(国土交通省 2025年12月 BIM図面審査 制度説明会資料より)。

こうした社会背景を受け、多くの企業・設計事務所でBIMの導入が進んでいます。一方で、BIM習得の難易度の高さ、導入コストへの不安、運用や定着の難しさから導入に踏み切れない設計事務所は少なくありません。

Vectorworksは「自由にモデルを構築できるデザインBIM」

自由度の高いソフトウェアとして多くの設計事務所で利用されているVectorworksは「Design without limits(限界のないデザイン)」をビジョンに掲げ、設計者に画一的なワークフローを強制するのではなく、設計者が考え、スケッチし、試行錯誤し、形にしていくプロセスに柔軟に寄り添うことに重点を置いたデザインソリューションです。

BIM機能を搭載した建築・内装向けソフトウェア「Vectorworks Architect」は、絶対的なBIMワークフローを強要しない、あくまでデザインを中心としたBIMツールとして構築されています。そのため設計者は自身の業務内容やプロジェクト特性に応じて、BIMの設定や運用方法を自ら選択することが可能です。

Vectorworks本来のBIM構築フローである「フリーフォームBIM(設計者が自分の発想や手法に合わせて、自由に組み立てていくオープンなBIMワークフロー)」は、プロジェクトの内容やBIM習熟度に応じて設定をカスタマイズできる自由度の高さが特徴です。一方で、BIM設計のために独自の設計・モデリングルールの確立や、属性設定などを1から構築する必要があるため、難解と感じるユーザーがいることも事実です。そこでVectorworksでは、「設計の前にBIMツールの習得をしなければならない」という導入ハードルを下げ、複数の設計者やパートナー企業間での連携をスムーズにするため、ツールや設定を予めルール化した「ルールベースBIM(予め定められた手順やルールに沿って、ガイドに従いながら進めていくBIMワークフロー)」のシステムも提供しています。

今回は、異なる設計アプローチを選択したVectorworksユーザーのおふたりに、BIM導入の経緯や「フリーフォームBIM」「ルールベースBIM」それぞれの特徴・操作性についてお話を伺いました。

カスタマイズした「フリーフォームBIM」で効率化を図り、デザインに集中する時間を生む

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泉 俊哉氏|有限会社サムコンセプトデザイン一級建築士事務所 代表取締役

泉 俊哉氏(以下、泉):私は独立以前からVectorworksを使用していますが、当初、その利用範囲は2Dのみでした。2007年ごろに「VectorworksでBIMが使える」という話を耳にしましたが、当初はBIMによる表現に制限もあり、導入には積極的ではありませんでした。

転機となったのは、2009年に保育所新設の依頼を受けたときです。この時はVectorworksで2D図面と3Dモデリングをそれぞれ作成し、他ソフトも併用していました。これまで通り図面やパースを用いてクライアントにプラン説明を行いましたが、十分に意思疎通ができていないと感じる場面がありました。竣工後に、良い意味でも悪い意味でも「ここはこんな感じだったのですね」と言われた個所がいくつかあったのです。

保育所は業態上、4月1日までに竣工させなければなりません。時間的な猶予がない状況で、1人で事務所を運営しながら、2D・3Dモデリング・プレゼン資料作成をすべて個別に進めるやり方には限界があると痛感しました。効率が悪いだけでなく、変更点の反映漏れやコミュニケーション上のリスクも大きかったことから、VectorworksによるBIM導入を決断しました。

Vectorworks

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泉:これまで実施設計では膨大な数の図面を作成してきましたが、打ち合わせでわずかな変更が生じるだけでも、その影響をすべての図面に反映させるには多大な手間を要していました。しかし完全BIM化後は、1つのモデルデータを修正するだけで全図面に自動的に反映されるようになったため時間的な余裕が生まれました。そのため、これまで受注を見送らざるを得なかった案件にも取り組めるようになり、作業効率が大幅に向上しました。BIMを始めたころは展開図が間違いなく生成されることに感動したことも記憶に新しいです。

Vectorworks

泉:私は1人で事務所を運営しているため、作業効率は非常に重要です。BIM導入当初からショートカットやパレット構成はもちろん、BIMの設定も「次はこのやり方で試してみよう」「このプロジェクトはこういう特徴があるからクラスやレイヤの組み合わせを変えてみよう」といった試行錯誤を通じて、より効率的なやり方を模索してきました。

例えば、秋田県で別の保育園プロジェクトを担当した際には、補助金を受ける条件として、一定量の秋田県産材を使用する必要がありました。設計段階で、どこにどの程度の秋田県産材を使っているかを示すために、プロジェクト専用のクラスと属性設定を行い、部材要素と使用量を拾い出すための「木材使用量算出表」を作成しました。このように、プロジェクトごとに設定を自在にカスタマイズできる汎用性こそが、フリーフォームBIMの大きな魅力だと思います。

また、2014年版からPythonスクリプトが使えるようになったことで、Vectorscriptの知識がなくても自作ツールをメニューに追加できるようになりました。このような自分の設計スタイルに合わせた自由なツール開発も業務を効率化し、デザインする時間を増やすことに繋がっています。

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泉:BIMは建築向けと思われがちですが、私はインテリアデザイン事務所にこそVectorworksによるBIM化をおすすめしたいです。インテリア案件ではBIM化する対象範囲をテナント区画に限定できるため、建築案件と比較してモデリング範囲が小さくて済みます。さらにテクスチャやマテリアルのディテールを高い精度で再現できるため、2Dでは難しい空間のニュアンスまで可視化でき、設計意図をより的確に伝えることができるため、BIMのハードルは低く、受ける恩恵は大きいと思います。

デザインの自由度を保ちながら、ガイドに従って進められる「ルールベースBIM」

Vectorworks

安富祖 理絵氏|合同会社アン一級建築士事務所 代表

安富祖(あふそ)理絵氏(以下、安富祖):私は2018年ごろ、一度BIM導入を試みたものの、なかなか踏み切れずに断念した経緯があります。その後しばらくは2D図面のみで仕事をしていましたが、あるプロジェクトで、設計図面に慣れているはずの工業高校の先生でさえ「図面だけでなくモデルも見せてほしい」と言われました。そこで初めて、2D図面だけではクライアントに十分な説明が伝わっていないことを痛感しました。

しかし、2Dと3Dをそれぞれ個別に作成するのは作業効率や時間的な負担を考えると現実的ではありません。いっそBIMに一本化しようと考えていたタイミングで、ベクターワークスジャパンとフローワークス共同開催の「BIM CAMP」に参加し、そこでフローワークスが開発・提供するVectorworks専用の建築BIMシステム「建築BIM標準パッケージ for Vectorworks」を知りました。ちょうどBIM導入に関する補助金を活用できる時期だったこともあり、通常であれば高額となる導入費用の多くを補助金で賄えることに加え、実際の案件に並走しながらBIM導入をサポートしていただける点が決め手となり、BIM導入に再チャレンジすることを決めました。

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安富祖:最初にBIM化で取り組んだ案件は400m²ほどの貸し店舗ですが、週1~2回の講習やさまざまなサポートを活用し、半年でBIMモデルを作成できるようになりました。それでも最初の半年間は慣れない作業で業務効率は落ちましたね。一方、その後入社したスタッフは抵抗なく操作を覚えていったので、そこからはうまく軌道に乗せることができました。

大企業であれば、BIM設定やリソース作成などを専門部署がサポートしてくれるかもしれませんが、個人事務所の場合、それらを本業の設計業務と並行して進めるのは容易ではありません。そのためBIM導入のハードルはどうしても高くなりがちです。私自身、出産や子どもの入院など、時間的制約のある状況で仕事を続けてきた経験があるので、慣れないBIMを1人で抱え込まなくてもよい環境が提供されることに、安心感を感じています。

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安富祖:フローワークスの建築BIMシステムは、Vectorworksの「登録ビュー」機能を使って作業工程ごとの表示環境が予め設定されています。ワンクリックで目的のクラスとレイヤの組み合わせを呼び出してくれるので、表示設定に悩む必要がなく、登録ビューを切り替えるだけで各工程に適した作業環境でモデリングに集中できます。各ビューには最適な凡例(サンプル)も用意されており、個人のスキルに左右されることなく作業スピードを向上させ、チーム内でルールを統一できる点も大きなメリットです。

また「データマネージャー」や「データの可視化」といった仕組みによる自動化で、モデルと図面との整合性担保は設計者が意識しなくても確保されています。ある意味BIMの機能を深く理解していなくても、自然とBIM設計につながっている感覚がありますね。

「面積表」や「建具」といった集計機能も標準で組み込まれているため、モデルを作成するだけでこれらの資料が自動的に集計され、手作業によるエラーやミスも大幅に減らすこともできています。

Vectorworks

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安富祖:私の設計スタイルにおいて泉さんと大きく異なるのは、2Dも併用している点です。BIMは基本的に縮尺1/100レベルまでのモデル化に留めています。細部にこだわり過ぎるとBIMモデルに不具合が生じることがあるのですが、私の場合はプログラムを書いて不具合を補完するのは難しく、建具などの細かい部分までBIM化する時間も限られているため、ディテールは割り切って2Dで表現しています。

BIMと2D CADを組み合わせて活用できる点は、Vectorworksの大きな強みだと感じています。そのため、すべてを無理にBIM化するのではなく、用途に応じて2D表現も併用しながら柔軟に設計をしています。さらに、造成機能が充実している点もVectorworksを採用している理由です。切土・盛土の計算が可能なので、造成計画の申請時には測量データをBIMモデルに取り込むことができます。1つのソフトで2D、3D、造成設計までカバーできるのでとても便利だと思います。

国土交通省の支援で高まるBIM化導入の好機

建築分野に限らず、ソフトウェア業界全体でサブスクリプションへの移行が進むなか、Vectorworksスタンドアロン版は2026年をもって永続ライセンスの提供を終了し、サブスクリプションライセンスへ移行する予定です。Vectorworks Architectは1ライセンスあたり年間19万8,000円(税込)で、個人事務所や中小企業にも導入しやすい価格帯と言えます。

現在、国土交通省は「建築GX・DX推進事業」を通じて、BIM活用や建築物LCCO2評価に対する支援を行っており、BIMソフトの新規購入費用やBIM講習の受講費用などが補助対象となっています。

BIMの活用度や設計スタイルに応じてワークフローを選択でき、かつオールインワンツールとして幅広い業務を一括して担えるVectorworks Architectは、費用面、運用面でBIM導入にハードルを感じてきた設計事務所にとって、業務効率化を実現する強力な選択肢となるでしょう。

Vectorworks

 

 

協力:
泉 俊哉(有限会社サムコンセプトデザイン一級建築士事務所 代表取締役)
安富祖 理絵(合同会社アン一級建築士事務所 代表)

インタビュー:2026年7月6日 ベクターワークスジャパンにて
Photograph:Shun Fukuda

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