VUILDが目指す、アプリによる理想の家づくり

建築テック系スタートアップのVUILD（代表取締役 秋吉浩気）が、共創型戦略デザインファームのBIOTOPE（代表 佐宗邦威）と協業し、デジタル家づくりプラットフォーム「Nesting（ネスティング）β」を開発、ベータ版を公開しました（2021年5月10日プレスリリース）。

VUILDでは、2020年グッドデザイン金賞（経済産業大臣賞）を受賞した〈まれびとの家〉において、3D木材加工機「ShopBot」と地元の木材を使い、製作を地域完結させることで、長距離輸送や環境負荷、時間、コストを削減する試みに取り組んできました。
「Nesting β」は、この〈まれびとの家〉でのノウハウを基に生まれた家づくりプラットフォームであり、今夏に予定している本格ローンチに先立つベータ版になります。

〈まれびとの家〉外観　Photo: Takumi Ota

〈まれびとの家〉内観　Photo: Takumi Ota

「Nesting β」では、ユーザーが自分たちの理想の暮らしを実現できるよう、デジタルテクノジーによって、より快適で環境負荷の少ない住まいを自分たちで設計し、つくり出す体験を提供します。
「Nesting β」の家づくりのプロセスは以下の通りです。

1.土地の選択
日本の各地域のコミュニティホストが提供する敷地の中から、風景やコミュニティなども参考に好みの土地を選択する。

2.暮らし方を考える
都会の暮らしでは持つことを諦めていた書斎やスタジオ、店舗や工房など、理想の暮らしを妄想し、暮らしをプランニングする。

3.アプリで間取りを設計する
現在開発中の家の設計アプリで必要な間取りを描くと、瞬時に家の形が立ち上がり、概算の見積もりを取得する。予算と要件を確認しながら間取りの調整をできます。

4.住宅性能を決める
気候風土に合わせて住宅の仕様を決める。予算に応じて、設備の種類・断熱材の厚み・建具の性能を決めることで、エコハウスやオフグリッドハウスの建築も可能。
また昨今話題の自律分散型水循環システム「WOTA BOX」（WOTA株式会社）の選択も可能。

5.家を組み立てる
地域の木材を用いて、地域に置いてある3D木材加工機「ShopBot」で家の部品が出力。専門家の指導のもと、プラモデル感覚で家族や仲間と家づくりを楽しみながら組み立てる。

「Nesting β」による家づくりのプロジェクトとして、北海道弟子屈町にて1棟目となるプロトタイプを建設中で、9月末に竣工とのこと。
このほかにも、秋田県南秋田郡に本社を構えるシェアビレッジ株式会社と協業し、秋田県五城目町に5棟のコーポラティブヴィレッジを建設中で、ここでは、個人宅から集落までの実践的な試みを行う予定です。
これらに並行して、家の設計アプリを整え、今年10月の実装を目指します。

VUILDとBIOTOPEは、これらのトライアルを経て、ポスト資本主義の理想の住まい方を実現するプラットフォームを構築していく計画です。

家づくりプラットフォーム「Nesting」の正式ローンチは今夏の予定で、「Nesting β」にてユーザーの公募を先行して開始しています。1年以内に10棟以上の建設を目指すとのことです。（en）

佐宗邦威（BIOTOPE代表）と秋吉浩気（VUILD代表）のオムニバス連載
#6提案編：Nesting βとは
https://note.com/sasokunitake/n/n70e556c57b50

「Nesting β」公式ウェブサイト
https://nesting.me/

VUILD 公式ウェブサイト
https://vuild.co.jp/

BIOTOPE 公式ウェブサイト
https://biotope.co.jp/