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パナソニックによる、人の心理・行動に働きかける屋外向け照明演出手法「アフォーダンスライティング」

BUSINESS2021.10.25

パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社(以下、パナソニック)が、照明の光に動きや明暗、色などの変化を加え、人に「回遊」や「滞留」などの行動を働きかける屋外向け照明演出手法「アフォーダンスライティング」の提案を、2021年11月1日より開始すると発表しましたプレスリリース

同社によれば、昨今、官民連携事業を促す法整備が進められており、飲食店などを誘致した公園の開発計画や、街づくり計画などが国内各地で行われています。それらの計画において、参画する民間施設の収益性が求められ、地域のにぎわいや、来訪者が各施設を訪れやすくする回遊性、滞在時間を長くする滞留性などを高める空間設計が重要になることを見越しての提案です。

照明演出手法「アフォーダンスライティング」実証実験の様子

照明演出手法「アフォーダンスライティング」実証実験の様子

パナソニックが今後展開する「アフォーダンスライティング」とは、照明の光に動きや明暗、色などの変化を加えることで、空間の「にぎわい感」を演出しつつ、人の心理や行動に働きかける照明演出手法。従来の照明のように、一定の明るさで照らし続けるのではなく、動的な光で「回遊」や「滞留」などの演出を行うとともに、人が心地良いと感じ、行動にも働きかけられる演出効果を狙うもの。
思考プロセスを体系化するデザイン的な思考を用いつつ、ユーザー視点で解決策を探り、光の変化パターンと、人がそれをどう感じるのかを実験などで検証しながら開発していく計画です。

発表に先立ち、パナソニックが先ごろ行った実験(被験者数30名)では、人の歩行速度に合わせて進行方向に光が流れる「回遊」の演出において、「光の動く方向に歩きたい」「楽しい」「興味がある」などの項目が、一般的な屋外照明と比較して高く評価されたとのこと[*]
また、ゆったりと明るくなる、暗くなるを繰り返す「滞留」の演出では、「飽きない」「とどまりたい」「心地よい」などの項目が高く評価され、それぞれの演出が狙う効果についての優位性を確認しています。

*.「回遊」「滞留」のそれぞれのコンテンツで、以下の検証を実施した
「回遊」:回遊条件と一般照明条件それぞれの光環境を歩行させた後、主観評価用紙へ記入させ光環境を主観的に評価させた
「滞留」:滞留条件と一般照明条件それぞれの光環境を45秒間観察後、主観評価用紙へ記入させ光環境を主観的に評価させた


#Panasonic ArchiBiz YouTube公式チャンネル「パナソニック アフォーダンスライティング」(2021/10/20)

同社では、任意の方向への訪問を働きかける「誘導」など、新たな演出コンテンツの開発も継続して進めており、さまざまな目的に合わせて活用できるよう、順次展開していく予定です。

なお、「アフォーダンスライティング」の効果検証をさらに進めるため、ユネスコの世界遺産に登録されている、京都の二条城(元離宮二条城)にて、今年11月5日より実施されるライトアップイベント「ワントゥーテン 二条城夜会(主催:ワントゥーテン、京都市)」に、この照明演出を試験的に導入し、公の場での効果検証を実施する予定です。(en)

パナソニック アフォーダンスライティング
https://www2.panasonic.biz/ls/lighting/plam/method/affordance/

「10→1」二条城夜会
https://yakai.1-10.com/nijojo/

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