建築VRを展開するジオクリエイツと日建設計が、オフィスの避難訓練をリモートで行えるVRツールを共同で開発したと発表しました。
このVRツールは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)流行の影響で、人々の働き方が変容し、リモートワークを採用する企業が多い中で、リモート下での避難訓練を中心に、さまざまな案内や誘導・検証に役立つことを目指して開発されたものです。
避難訓練は、多人数が同時に参加して行うことが効果的です。そのため、VRゴーグルなどを使用せず、パソコンやスマホなどを用いて、手軽に参加できることを条件に開発を行なったとのこと。
VRツールの利点として、避難訓練の状況を記録することができ、人の流れや視線などの探索行動を解析することも可能です。また、地震・火事などの異なる災害の訓練を、短時間で複数体験できます。
さらに、避難動線をクライアントと設計者とユーザーで共有することも可能に。
視線・人流分析技術を応用して、避難経路のサインや誘導灯などの配置検討、通学路や工場などの注意喚起や研修の改善、商業施設のサイン広告、ABテスト、誘導オペレーションや装置の検討などに活用できる見込み。
デジタルツインやメタバースにより、空間概念が拡張されている昨今において、新しい価値を生みだすサービスです。
#geocretaes YouTubeチャンネル「バーチャル避難訓練」(2021/12/03)
開発側では、日建設計東京本社ビルにて、50~100人規模の避難訓練を2020年と2021年に実運用するなど、オフィスでの実証実験も開始しています。
今後は、建物の避難訓練や各種検証作業の用途で、不動産ビルオーナーや設計事務所、バーチャル展示会をはじめとしたデジタルツインやメタバースも関連付けた各種イベントの主催者向けに、ジオクリエイツによる販売展開を予定しています。
なお、この「VR避難訓練ツール」は、東京ビッグサイト西展示棟にて、12月6日から8日まで開催される「第4回施設リノベーションEXPO」にて展示されます。
連携ツール
日建設計:設計用入力地震動「NS Wave(エヌエスウェーブ)」
ジオクリエイツ:VR用SaaS「ToPolog(トポログ)」
日建設計・ジオクリエイツ:仮想地震心理評価システム「SYNCVR(シンクブイアール)」
日建設計プレスリリース(2021/12/03)
https://www.nikken.co.jp/ja/news/press_release/2021_12_03.html