世界各地で高級ラグジュアリー・クラスのホテル、リゾート、およびレジデンス施設を所有・運営するマンダリン オリエンタル ホテル グループは、「マンダリン オリエンタル 瀬戸内」という名称のもと、瀬戸内海周辺に3軒のブティックタイプのホテルを開業する計画の概要を発表しました(2023年12月15日プレスリリース)。
また、本発表にあわせ、事業を推進する合同会社四国まちづくり&おもてなしプランニングと、竹中工務店とともにホテルの設計を担う山下設計も12月19日にプレスリリースを発表しています。
3つの出店エリアのうち、今回発表されたのは高松市(サンポートB2街区)と直島町(本村地区)の概要です[*]。2027年夏以降にこの2つのホテルが先行して開業し、瀬戸内海の某島での開業を予定している3つめのホテルを含めた全面開業は2030年以降となる見込みです。
3つのホテルからなる「マンダリン オリエンタル 瀬戸内」では、開業地域の特長を活かした施設づくりおよび運営を行うことで、ホテルを拠点に、四国・瀬戸内の魅力を体験しながら旅をする「エリア周遊型観光」を促します(山下設計の発表によれば、このようなエリア周遊型の最高級ホテルの建設は日本国内では初)。
マンダリン オリエンタル ホテル グループでは初となる、宿泊客がプライベートヨットで各施設間を移動できるクルーズサービスの導入も検討中とのこと。
建設地は、JR高松駅や高松港が近接する「サンポートB2街区」。国内線のほかアジアの主要空港から国際線も乗り入れる高松空港から車で30分程の距離にある、四国・瀬戸内観光の要です。
地域の国際的ステータスを高め、瀬戸内・四国の魅力を持続的に発展させる拠点となることを目指し、美しい瀬戸内海の眺望を確保しつつ、サンポート高松の景観と調和したシンボリックな都市型ホテルとなります。
「マンダリン オリエンタル 瀬戸内 − 高松」建物概要
規模:地上13階+地下1階
敷地面積:約5,000m²
延床面積:約18,500m²
客室数:92室
付帯施設:レストラン、バー、スパ、ジム、プール、会議室
開業時期:2027年夏(予定)
現代アートの聖地として国内外に知られる直島の中でも、焼杉を外壁とした伝統的なまち並みが残る本村地区に現存する旧庄屋建築・三宅家住宅の敷地内ほかでの計画です。
三宅家は、800年以上の歴史を有し、島内での旧家呼称である「おおみやけ」が国の重要文化財の登録名にもなっている、母屋と長屋門を有する歴史ある建物です(詳細:文化庁「文化遺産オンラインページ」参照)。
「マンダリン オリエンタル 瀬戸内 − 直島」では、この「おおみやけ」を本館・メイン棟の屋号として引き継ぐとともに、重文の母屋と長屋門を維持・改修し、全22室の和モダンなホテルとしてアップデートします。旅館スタイルの本館スイートとヴィラ(離れ)の3棟がまちに溶け込むかたちで点在し、それぞれにプライベートテラスと日本庭園を併設。直島の暮らしに根ざした豊かな宿泊体験を提供します。
「マンダリン オリエンタル 瀬戸内 − 直島」建物概要
規模:メイン棟(地上2階建)、離れ3棟
敷地面積:約5,800m²
延床面積:約3,900m²
客室数:22室
付帯施設:レストラン、バー、スパ、ジム
開業時期:2027年夏(予定)
「マンダリン オリエンタル 瀬戸内」の計画では、サステイナビリティに細心の配慮をしつつ、地域の美しい自然と豊かな伝統を尊重し讃えることをデザイン・コンセプトに掲げ、周囲の環境と調和したホテルであることを目指しています。
インテリアデザイナー・デザインアーキテクトは、デザインスタジオ・スピン。ランドスケープアーキテクトはソラ・アソシエイツ、リードアーキテクトを山下設計と竹中工務店がそれぞれ担当しています。
四国地域の伝統工芸士・芸術家とのコラボレーションを積極的に進め、ホテルの各所に地域の素材や建築様式が取り入れられる予定です。
事業主体(ホテルの所有):合同会社四国まちづくり&おもてなしプランニング(略称:SMOP)
参画企業:阿波銀行、伊予銀行、サンケイビル、四国銀行、四国電力、四国旅客鉄道、竹中工務店、日本政策投資銀行、百十四銀行
ホテルオペレーター(運営委託先):マンダリン オリエンタル ホテルグループ
設計:山下設計・竹中工務店
デザイン:デザインスタジオ・スピン
プロジェクトマネジメント:ヴィータイタリア
関係者コメント
「瀬戸内は、好奇心旺盛かつ目の肥えた世界中の旅行者から愛される、日本の中でも特異な地域です。当ホテルグループのファンは、それぞれ異なる独自の特徴、環境、周辺地区の散策方法、ホテルが企画するさまざまなアクティビティを体験することで、日本国内でも比較的知られていない瀬戸内の魅力を、驚きとともに発見することになるでしょう。当社の洗練されたホテルは同地域のラグジュアリー旅行市場に新たな側面を加え、特に芸術と自然を愛する旅行客に対し、魅力に満ち溢れた瀬戸内の豊かな文化を満喫いただける、サステイナビリティに配慮を払った、比類なき宿泊体験をご提供いたします。
今回の発表はまた、当社がオリジナリティに溢れ、最高級の体験重視型のホスピタリティを提供する、日本国内におけるポートフォリオの拡大に継続して取り組んでいく姿勢を明確にするものです。」(マンダリン オリエンタル ホテル グループ 最高経営責任者 ローラン・クライトマン)
「デベロッパーとして、高松と直島に誕生する2軒のブティック型ホテルを開発できることを大変嬉しく思います。今回のプロジェクトで、伝説的とも評されるおもてなしを提供することで広く知られるマンダリン オリエンタルと協業できることを楽しみにしています。 当社は、それぞれの地点の特徴を活かした施設作りを行い、お客様がユニークな環境に溶け込みながら、四国と瀬戸内の魅力を体験しながら旅をする周遊型観光を促進してまいります。」(合同会社四国まちづくり&おもてなしプランニング 社長 福家 武)
「マンダリン オリエンタル 瀬戸内」は、東京・日本橋三井タワーの最上層部に2005年12月に開業した〈マンダリン オリエンタル 東京〉以来、日本国内では2店舗めの出店となります。
[*] 3軒目のホテルの計画地は現時点で未発表。瀬戸内の某島にて、客室数50、ウェルネス施設を併設して2030年の開業を目指している
香川県発表「サンポート高松B2街区活用事業について」
https://www.pref.kagawa.lg.jp/kouryu/park/231215b2.html