SUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズデザインオフィス、以下:サポーズと略|共同代表:谷尻 誠、吉田 愛)が設計した住宅(名護の家)が、1日1組限定の1棟貸しのヴィラ〈DAICHI OKINAWA villa M〉としてオープンしています。
ヴィラの立地は沖縄県名護市に属する屋我地島(やがじじま)の北部で、目の前には沖縄の海が広がっています。
宿泊施設としての運営は、体験に価値を見出す時代の新しい能動的ラグジュアリー・NatureDevelopment(ネイチャーディプロップメント)を掲げ、2020年9月に設立された株式会社DAICHI(代表取締役:馬屋原 竜)[*1]と、株式会社マッシグラ(代表取締役:金子智一)[*2]が共同でを行なっています。
〈DAICHI OKINAWA villa M〉について
海が美しく見える高さを考え抜かれたこの建築は
日の光の角度で刻々と変わる海の表情をただただ眺めてしまい
“何もしない時間”を忘れていたことに気づかせてくれます敷地からすぐの数メートルの海は
驚くほど透明で
海がこんなに透明だったことに驚きと気づきを
透ける海からは潜らずとも海に住むものたちの姿も垣間見せてくれます
その透明さは、私たちの心身をも見透かし
洗い流してくれそうな佇まい1Fのピロティにはキッチンとファイヤーピットを用意
寝室からもバスルームからも海を眺めることができます
海とともに過ごす時間をぜひ、お楽しみください
設計コンセプト
敷地は名護市北部にある屋我地島にある。北東は海に面し、彼方に水平線を望むことができる。周辺は豊かな自然に囲まれ、島にはサトウキビ畑が広がり、フクギ並木、瓦屋根の集落、昔懐かしい沖縄の原風景が残る。沖縄の気候は日本で唯一亜熱帯気候に属し、夏季には非常に強い日射により過酷な環境が訪れる。また台風の影響を受けやすく、暴風雨などの自然環境の影響を受けやすい土地柄である。そこで独自に発展してきた琉球建築を再解釈し、風通しのよさや、強い日差しから守る深い軒(雨端[アマハジ])などを考慮した沖縄ならではの快適さや豊かさを享受できる建物を目指した。
建物は、海とのつながり、自然とのつながりを重視した。目の前の海を切り取り、水平線まで見渡せる眺めを獲得するため、視線の高さを検討した。海の手前には土手となる防風林がある。視線はその高さを超えて建物の階層ごとに視線がぬけ自然と一体化した感覚を得れる作りとした。同時に高潮による2mの浸水想定区域に属するため、4本の鍵型柱の構造で宙に浮かし、ピロティ空間を作って、高潮対策としている。建物は1Fピロティ(アウトドアアクティビティスペース)、2F寝室+水回り、3F LDKの3層構造で構成されている。1F部分をピロティとすることで、大地とつながり、敷地全体がダイニングキッチンスペースとして機能し、玄関という概念のなかった琉球建築の近所付き合いの場、雨端(アマハジ)空間としても機能する。また大きな屋根下の外と中の曖昧な空間が沖縄の過酷な自然環境下でも自然と共存できるスペースとして機能する。2F部分は大きな屋根をかけるイメージで下層階より2mほどキャンチで大きくはね出している。強い日射、風の抜けにも考慮し、屋根は深い軒を作り、開口部は海岸線と平行に横に広く作り、風の流れ、風景の連続を獲得している。沖縄の豊かな自然を享受し、同時に過酷な自然環境と共存する環境共生型の住まいを目指した。SUPPOSE DESIGN OFFICE プロジェクトページ
https://suppose.jp/works/daichi-okinawa-villa-m/
所在地:沖縄県名護市屋我515番地1(Google Map)
建物規模:地上3階建
フロア構成:1階:ピロティ/ 2階:玄関、寝室2、バスルーム、洗面、トイレ/ 3階:キッチン、ダイニング、リビング、テラス
敷地面積:869.41m²
建築面積:99.03m²
延床面積:242.62m²
設計:SUPPOSE DESIGN OFFICE
構造設計:NAWAKENJI-M
竣工:2023年7月
チェックイン / アウト:16:00-20:00 / 11:00
料金(1泊1棟):80,000円~
※宿泊料金は曜日・シーズンにより変動
オプション:出張シェフサービス、夕食宅配サービス
本稿画像提供:DAICHI
撮影:長谷川健太 / Kenta Hasegawa OFP
サービス詳細・予約受付
https://www.instagram.com/m.nagoyagaji/
[*1]DAICHI(ダイチ):建築家・起業家の谷尻 誠、造園家・グリーンディレクターの齊藤太一、プロジェクトマネージャーの馬屋原 竜を中心に活動を開始。自然豊かな環境に、宿泊、商業、スパ、サウナなどの企画開発および運営、PR、観光地・地域ブランディングを手がける。提案するのは「体験に軸足を置いた能動的ラグジュアリー」。建築家・造園家・プロジェクトマネジメント・クリエイティブディレクターによる専門家のチームによって、土地に潜むポテンシャルを最大限に引き出し、その場所でしか味わうことの出来ない体験価値をつくりだす。これからの時代に必要とされる、先端のテクノロジーと変わらない自然、その相互の関係をバランスさせながら、事業計画をつくり、実現させていくことをミッションとしている。
DAICHIウェブサイト / インスタグラム
https://daichijapan.jp/
https://www.instagram.com/daichi_nature/
[*2]マッシグラ:中小不動産物件を得意とするブランドコンサルティング会社。沖縄では地元新聞社の沖縄タイムス社ほかと会社を立ち上げ、各地でシェアオフィス / コワーキングスペース・howliveを運営し、自社の不動産運営事業などさまざまなサービスを展開している。県内では〈M.Yomitan Nagahama〉を宿泊事業として運営。〈DAICHI OKINAWA villa M〉はDAICHIとのコラボレーションにより、マッシグラが運営する宿泊ブランドの2号店となる。
マッシグラ ウェブサイト
https://massigra.com/