戦前に建てられた見番(けんばん*1)で、戦後は労働者の宿泊所として利用されていた建物が、曳家と改修工事を昨年末に終え、〈港区立伝統文化交流館〉としてオープンします。
同館は、昭和11年(1936)に港区芝浦(1-11)に建てられた、現在では都内で唯一現存する木造の見番建造物を保存改修したもの。戦後は、港湾労働者の宿泊所として使用され、平成12年(2000)3月に老朽化により閉鎖されましたが、華やかな芝浦花柳界の面影を伝える貴重な遺構を、伝統文化の継承や地域活動、交流等の拠点として整備することを港区が決定、昨年12月に〈港区立伝統文化交流館〉として竣工を迎えています[*2]。
基本・実施設計と工事監理を担当したのは、青木茂建築工房(代表 青木茂)です。
※1.置屋、料亭、待合からなる「三業」を取りまとめ、芸者の取次や遊興費の清算を行う施設
*2.〈港区立伝統文化交流館〉の開館日は、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、2020年4月1日から延期されている
参考資料
港区発表「旧協働会館保存・利活用のための整備計画」
伝統文化交流館 利用案内「広報みなと」2020年3月21日号」
「VIE MORE」をクリックすると表示される記事「日刊建設工業新聞社編集部の公式ブログ」では、青木茂建築工房による、曳家を含めた保存改修工事の内容、竣工した建物の外観、”百畳敷き”の大広間の写真などを確認することができます。(en)