先ごろ発表された2020年度グッドデザイン賞受賞対象のうち、ヘルスケア用品の分類で、東京・南青山に2019年にオープンしたメディテーションスタジオ〈Medicha(メディーチャ)〉が受賞しました(Medicha 2020年10月1日プレスリリース)。
〈Medicha〉は、三菱地所の新事業提案制度から生まれた、没入体験型のメディテーション(瞑想)スタジオです。多くのストレスに晒されている都市生活者に対し、五感全てを解放する独自のメディテーションおよびリラクゼーションプログラムを通じて、「自分に余白をつくる贅沢な時間」を提供します。
同施設は、ブランドショップと賃貸住宅の複合施設として2002年に竣工した低層ビル「BLEU CINQ POINT(ブルーサンクポイント)」C棟の地階にあり、審査員評価よれば、「多様な突出したアーティストとのコラボレーションをへて開発された照明、音響設計、アートインスタレーション、そして、空間デザインを高次元で掛け合わせることで、通常の店舗区画のような狭隘空間を変革し、従前ではない没入型のメディテーション体験の提供を可能とした」ことが評価され、今回の受賞となりました。
受賞対象:メディテーションスタジオ〈Medicha(メディーチャ)〉
事業主体名および受賞企業:Medicha
分類:ヘルスケア用品
デザイナー:
空間デザイン:Medicha、波田英昭(乃村工藝社)、平山淑貴(乃村工藝社)
ライティングデザイン:遠藤 豊(LUFTZUG)
サウンドデザイン:コリー・フラー(作曲)
サウンドシステムデザイン:牟田口 景(WHITELIGHT)
企画協力・デザイン設計・制作施工:乃村工藝社
受賞対象の詳細 https://www.g-mark.org/award/describe/49953
担当審査委員:石川俊祐、石川善樹、ナカジマミカ、濱田芳治
Medicha発表のプレスリリースによれば、ユーザー自らが空間に入って完成させるという、余白を残した体験の追求が、さらにこの世界への没入感を導くデザインとして考えられている点も評価されたポイントであり、審査を担当した委員からは、「これからのヘルスケアのあり方に一石を投じる新たな日常に不可欠なものへと進展していくことを強く期待する」との声も寄せられているとのことです。
メディテーションスタジオ〈Medicha(メディーチャ)〉の利用時間は80分。スマートフォンやパソコンなどの端末を預け、時計も外して、用意された4部屋を巡ります。
先ずは、明暗が対照的な2つの部屋を、利用者のペースで行き来し、マインドを整えます。
このように、〈Medicha〉では、ライティングやサウンドなど、アートのインスタレーションの演出を最大限生かした空間デザインにより、メディテーションを行う上で重要な、日常を忘れる感覚や、リラックス効果が高まる空間を実現しています。
同様の瞑想施設ではこれまで、商業区画をそのまま活用した事例が多く、没入体験の演出には美術館のような大規模面積・劇場設備を要する施設が一般的とされていましたが、アーティストと共に、設定された世界観を設計に落とし込み、仮説検証を通して、感情や思考をデトックスする「4 STEP MEDITATION」をオリジナルで構築したとのことです。
withコロナ、ニューノーマル時代の自由な働き方の定着などにより、朝の時間帯利用の需要の高まりを受け、同施設ではこれまで展開してこなかった「モーニングメディテーションプラン」の予約を10月1日(木)より受付開始、翌日より提供を開始しています。
所在地:東京都港区南青山5丁目3-18 ブルーサンクポイントC棟 B1F
開業日:2019年6月1日
メニュー:ドロップイン(1回8,000円 税別 /80分)ほか
公式ウェブサイト https://medicha-jp.com/
「VIEW MORE」をクリックすると、デザイナー各氏の詳しいプロフィルールなどを記載した、受賞対象者のプレスリリースにリンクします。(en)