CULTURE

坂倉準三設計〈旧神奈川県立近代美術館 鎌倉館本館〉が国指定の重要文化財に

CULTURE2020.10.21

建築家の坂倉準三(1901-1969)が設計した、〈旧神奈川県立近代美術館(鎌倉館本館)〉(以下、旧鎌倉館)が、国指定の重要文化財となることが明らかになりました。
文化庁の10月16日付け報道発表にて、文化審議会が,1件の建造物(新規1件)を国宝に、18件の建造物(新規16件,追加2件)を重要文化財に指定することを文部科学大臣に答申し、これに〈旧鎌倉館〉が含まれます。


〈旧鎌倉館〉は、日本で最初の公立近代美術館として、神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮の境内に建設され、1951年11月に竣工した、坂倉準三の代表作の1つ。坂倉が渡欧期に師事したル・コルビュジエ(1887-1965)の影響が色濃く見られる作品として知られています。

文化庁が発表した「指定理由」は以下の通りです(報道資料「重要文化財 新指定の部」より)。

我が国初の公立近代美術館は戦後モダニズム建築の出発点
近代 / 文化施設
旧神奈川県立近代美術館 1棟
所在地:神奈川県鎌倉市
所有者:宗教法人 鶴岡八幡宮

旧神奈川県立近代美術館は,鶴岡八幡宮の境内に所在する。我が国最初の公立近代美術館として、坂倉準三の設計で,昭和26年に建設された。現在は、鶴岡八幡宮により鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムとして公開されている。
明快な動線により、室内外を流動的に結びつけ、これを鉄骨造で実現した。壁面パネルや大谷石(おおやいし)積みはプレーンな面構成を実現しつつ、窓や階段などの要素で構成的な意匠を展開し,開放的で豊かな空間を実現している。
我が国、戦後モダニズム建築の出発点となる建物として重要である。
○指定基準=意匠的に優秀なもの

〈旧神奈川県立近代美術館(鎌倉館本館)〉は、1984年に鎌倉市内に鎌倉別館(設計:大髙正人建築設計事務所)が、2003年に三浦郡葉山町に葉山館(設計:佐藤総合計画)が開館したことを受けて、2003年より館名を「神奈川県立近代美術館 鎌倉」、略称を「鎌倉館」として、建築の企画展を含む展覧会などを開催してきましたが、鶴岡八幡宮との借地契約が切れる2016年3月31日をもって閉館。地元市民や建築関係者らによる保存運動もあり、改修工事が行われ、2019年6月8日に〈鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム〉として再生されています(本稿の写真は、開館に先立つ2019年4月20月から5月6日にかけて、改修後の建築を一般に公開した「新しい時代のはじまり」展開催時のものです)。

今回、文化審議会文化財分科会が指定が妥当と答申した建築物には、国宝として京都の〈八坂神社本殿〉、重要文化財に〈旧札幌控訴院庁舎〉、〈犬吠埼灯台〉、〈明治神宮〉の36棟、石川県〈旧山岸家住宅〉、長野県〈旧中村家住宅〉と〈坂戸橋〉、名古屋市〈八勝館〉、下関市〈六連島灯台〉と〈角島灯台〉、徳島県〈犬伏家住宅〉、福岡県の〈部埼灯台〉と〈旧伊藤家住宅〉、長崎市〈西海橋〉などがあります。
正式決定を経て、追加となる国宝および重要文化財(建造物)は、あわせて2,523件,5,241棟(うち国宝228件,291棟を含む)となります。(en)

〈旧神奈川県立近代美術館(鎌倉館本館)〉
現・鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム

所在地:神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目1-53
https://tsurugaokamuseum.jp/

神奈川県立近代美術館公式ウェブサイト
「旧鎌倉館について|建築」

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/about_us/kamakura/architecture

国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/index

  • TOP
  • CULTURE
  • ARCHITECTURE
  • 坂倉準三設計〈旧神奈川県立近代美術館 鎌倉館本館〉が国指定の重要文化財に