JR西日本グループは、2020年4月より進めている広島駅ビル建て替え工事における、南口広場の概要とデザイン、広場のデザイン監修を、SUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズ デザイン オフィス)が担当することを発表しました。
本計画は、2014年(平成26)に広島市が定めた「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」に基づくもので、大きな特徴である、広島市の顔とも言える、広島電鉄の路面電車を高架で迎え入れ、駅ビル2階まで乗り入れるビジュアルが公表されています(JR西日本グループ 2019年3月プレスリリース)。
新駅ビルの2階は、広島駅中央口改札や新幹線口改札から段差なくフラットにつながり、駅と歩行者空間、商業施設が一体となった魅力的な空間が誕生します。
共に広島出身の建築家であり、谷尻 誠氏と吉田 愛氏が代表を務める、SUPPOSE DESIGN OFFICEが手がける2階の広場には、南面の大きなガラス面から陽光が降り注ぎます。
商業施設が入る3階の壁には、水面のゆらめきのような光が反射し、また、市内で見られる、河川の水辺にせり出した雁木[*1]をイメージしたテラスが設けられるなど、この吹き抜け空間全体で、穏やかな水辺の景色が表現されています。
せとうちの穏やかな気候や、河川と共に発展した広島の原風景をデザインに取り入れることによって、より広島らしさが感じられる、賑わいの核となる広場となる予定です。
ビルの屋上広場(7階と9階)も、SUPPOSE DESIGN OFFICEがデザイン監修を担当します。ロケーション穏やかな広島の風景を表現する色として、アースカラーがベースとなる予定です。
2つの屋上広場も、雁木[*1]から着想を得た大階段で重層的につながり、訪れた人々がめいめい自由に過ごし、屋外イベントなどにも利用できる空間となります。路面電車が入線ないし発車する様子や、広島の街を一望できる、絶好のロケーションです。
*1.雁木とは、雁の群れが斜めに並んで飛行する様子から名づけられた、河川の水辺などで見られる階段状の構造物を指し、広島においては、かつて船舶が水辺に寄り付くための港湾施設として利用されていた。現在では、イベント等で人が滞留できる空間としても活用されている。
所在地:広島県広島市南区松原町2番37他
建築面積:約14,000m²
延床面積:約111,000m²
構造・規模:鉄骨造、地上20階+地下1階、建物高さ約100m
用途:商業、ホテル、駐車場
基本設計・監修 全体監修:ジェイアール西日本コンサルタンツ、東畑建築事務所設計共同体
広場デザイン監修:SUPPOSE DESIGN OFFICE
実施設計・施工:広島駅南口ビル新築他工事特定建設工事共同企業体(大林組・広成建設)
新築工期:2021年3月~2025年春(予定)
詳細(JR西日本グループ発表 2021年2月18日):
https://www.westjr.co.jp/press/article/2021/02/page_17365.html