CULTURE

隈研吾デザイン監修のCLTパビリオンが国立公園蒜山へ移築、新名称「風の葉」として7/15開業

CULTURE2021.06.26

2021年2月22日初掲(「隈研吾デザイン監修のCLTパビリオンが国立公園蒜山へ移築されるにあたり、真庭市が愛称を公募」)
6月25日 愛称と開業日などを追補[*4,5]

隈研吾氏がデザイン監修を担当し、東京・晴海に期間限定で建設されたパビリオン〈CLT PARK HARUMI〉が、その役目を終え、岡山県北部に位置する真庭市の国立公園 蒜山(ひるぜん)に移築されます。

真庭市では、晴海から蒜山高原に”里帰り”する(”里帰り”の仔細は後述)CLTパビリオンの愛称を、広く国内外から募集(募集終了 / 期間:2021年2月22日から3月31日)。先ごろ行われた選考には隈氏も参加して、応募総数437点の中から選ばれた「風の葉」に決定しています[*4.追補]

隈研吾建築都市設計事務所

〈CLT HARUMI PARK〉 外観写真:三菱地所設計・隈研吾建築都市設計事務所

軽快なデザインが目を引くこの建築物は、直交集成板・CLT(Cross Laminated Timber)の魅力を伝える「CLT 晴海プロジェクト」で建設された展示施設の1つで、半屋外の仕様。意匠であり構造材でもなるCLTパネルを”あらわし”の状態で仕上げ、木目の美しさを最大限に生かした、隈氏ならではのデザインとなっています[*1]

CLTとは、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料[*2]で、国産のヒノキ材とスギ材から加工された真庭市産のCLTが、この〈CLT PARK HARUMI〉において多用されています(利用量:「CLT 晴海プロジェクト」施設全体で680m³)

CLT PARK HARUMI「CLT晴海プロジェクト」

〈CLT HARUMI PARK〉外観写真:真庭市GREENable記者会見資料より

パビリオンは2019年12月から約1年間、晴海で展示施設として使用された後、真庭市内の国立公園 蒜山(蒜山高原)への移築が決まっており、部材を解体して移設・再築ができるように予め設計されています(詳細は、2019年2月に東京で行われた「CLT 晴海プロジェクト」の記者発表を取材した、地元テレビ局・真庭いきいきテレビが公開しているニュース映像をご覧ください)


#真庭いきいきテレビ YouTube公式チャンネル「CLT晴海プロジェクト始動」(2019/02/14)

真庭市産のCLTを活用した建築物が蒜山高原に「里帰り」するという一連のストーリーは、都市と農山村を結びつける、地方創生を象徴するものです。
また、解体して建て直し(再生)ができるという、木が素材として持っている持続可能性を隈氏がデザインで表現したパビリオンを移築することで、真庭市では「木の国・真庭(MANIWA)」を世界に向けてアピールしたい考え。移築されたCLTパビリオン「風の葉」は今後、建築物のアップサイクルの実例として、さらには同地域における新たな観光文化発信拠点として使用されます。オープンは今年7月15日(木)に決定[*4.追補]

この「蒜山⇔晴海プロジェクト」が本格化するにあたり、真庭市では、太田昇市長や隈氏らが出席した記者会見を2月22日(月)にオンラインで開催[*3]。プロジェクトの関係者が施設の概要説明を行いました。

真庭市×隈研吾 CLTパビリオン移築プロジェクト「GREENable HIRUZEN」

「GREENable HIRUZEN」イメージ(真庭市GREENable記者会見資料より)

真庭市では、このCLTパビリオン「風の葉」(下図MAP:1)を中心に、隈研吾氏の建築模型などの資料と現代アートを展示する蒜山ミュージアム(下図MAP:2)などを配置した「GREENable HIRUZEN」、国立公園蒜山の観光情報とサステナブルな暮らしを商品などで提案するビジターセンター(下図MAP:3)、自転車文化の発信や蒜山高原の自然や文化資源を生かした体験メニューを提供するサイクリングセンター(下図MAP:4)の核施設を建設し、整えます(安全祈願祭のニュース映像は下記シェア動画を参照)

GREENable HIRUZEN 施設配置図

「GREENable HIRUZEN 」施設配置図

施設内では、地域の特産品なども販売し、自然豊かな同地の魅力をさまざまなかたちで発信する予定です。
蒜山ミュージアムでは、隈作品の模型をはじめ、隈氏が考える自然と建築、自然と人間との関係性を伝えるような展示を、隈研吾建築都市設計事務所と協働して計画中で、定期的に展示替えも行われるとのこと。


#真庭いきいきテレビ YouTube公式チャンネル「真庭の新たなランドマーク着工へ」(2020/10/14)

さらに、今回の移築プロジェクトでは、真庭市は阪急阪神百貨店ともコラボレーション。自然共生をテーマにしたブランド「GREENable(グリーナブル)」を共同で立ち上げています[*5.追補]
阪急百貨店うめだ本店では、サステナブルをテーマに掲げた売り場を2022年に新設する予定で、同店と連動した企画も考えているとのこと(報道発表資料および阪急阪神百貨店山口社長談)

真庭市×隈研吾 CLTパビリオン移築プロジェクト「GREENable HIRUZEN」

「GREENable HIRUZEN」イメージ(真庭市GREENable記者会見資料より)

隈研吾氏コメント
「このパビリオンでは、コンクリートで箱をつくるという、20世紀の建築とは真逆を目指した。コンクリートは効率がいいと考えられてきたが、人にいろいろなストレスを与えることがわかってきた。自然との一体化、自然との共生をテーマに、”どうやったら自然の中に人が戻ることができるか”を考えた。このような建築のコンセプトは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の影響で今後、本格化するだろう。

CLT技術のリーダーともいえる真庭市の直交集成材を用いたこのパビリオンでは、CLTのパネルとパネルの間にわずかな隙間を設けて、風が通るようにしており、建物の内部にいながら、自然を感じることができる。パネルの間には透明なフィルム(高機能フッ素系フィルム / TEFKA)を張り、これが膜となって、強い雨風を防いでくれる。
このファサードは、木の葉をイメージした形状のパネルが、スパイラル状に空に向かって舞い上がるようなイメージでデザインした。晴海から移され、蒜山の丘の上に木の葉が舞っているような姿を想像して、オープンを今から楽しみにしている。」(2021年2月22日真庭市主催オンライン記者会見での発言を編集部で要約)

真庭市×隈研吾 CLTパビリオン移築プロジェクト「GREENable HIRUZEN」

「GREENable HIRUZEN」イメージ(真庭市GREENable記者会見資料より)

施設の詳細は、「GREENable HIRUZEN(グリーナブル ヒルゼン)」のティザーサイトを参照してください。(en)

*1.参照元:三菱地所 2019年12月5日プレスリリースおよび隈研吾建築都市設計事務所ウェブサイト事例ページ
https://kkaa.co.jp/works/architecture/clt-park-harumi/
「CLT 晴海プロジェクト」デザイン監修:隈研吾建築都市設計事務所、設計監理:三菱地所設計、施工:三菱地所ホーム / 建物構造:木(CLT)造、鉄骨造

*2.参照元:一般社団法人日本CLT協会公式ウェブサイト「CLTとは」 http://clta.jp/clt/
*3.会見出席者(敬称略):環境省担当、太田昇真庭市長、隈研吾、山口俊比古(阪急阪神百貨店取締役社長)。なお、今回の移築プロジェクトは、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」および脱炭素社会の実現を目指し、環境省が進めるローカルSDGs「地域循環共生圏」とも連携している
*4.2021年6月25日時点の最新情報(パビリオン愛称・開業日決定)
*5.GREENable(グリーナブル):自然や緑を意味する「GREEN」と、持続可能を意味する「Sustainable」を掛け合わせた造語

「GREENable HIRUZEN」

所在地:岡山県真庭市蒜山上福田1205-220 岡山県真庭市蒜山高原内(Google Map

「GREENable HIRUZEN」ティザーサイト
https://greenable-hiruzen.co.jp/

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