ディオール(DIOR)が、マリア・グラツィア・キウリ(ディオール クリエイティブディレクター)による「2021-2022 秋冬 オートクチュールショー(The Dior Autumn-Winter 2021-2022 Haute Couture Show)」を、パリ時間の2021年7月5日(月)14:30に、パリ・ロダン美術館 彫刻庭園内の施設で開催、ライブ配信も行いました(日本時間21:30)。
Christian Dior YouTube「The Dior Autumn-Winter 2021-2022 Haute Couture Show」(2021/07/05)
同コレクションで使用された舞台美術(ショーセット)は、エヴァ・ジョスパン(Eva Jospin)が今回のディオールのショーのために制作した壮大なインスタレーション。ショー開催翌日の7月6日(火)から11日(日)にかけて、同美術館にて一般公開されました。観客席もそのまま会場内に配置され、モデルや観客がいない展示空間は、この状態でまた1つのインスタレーション作品のようです。
エヴァ・ジョスパンによる舞台美術のコンセプトは、1953年の映画『ローマの休日』のラストシーンで使用されたことでも有名なコロンナ宮殿にあるインド風「刺繍の間」と、英国の著名な作家の1人、ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf / 1882-1941)のフェミニズム宣言となった著作『自分だけの部屋 (A Room of One’s Own)』(1929年、ホガース・プレス社刊)にちなんだ「シルクの部屋(Chambre de Soie)」。長期的なプロセスでの対話が費やされ、完成されたものです。
全長40メートルもの没入型ギャラリーは、エヴァ・ジョスパンによるユニークなデザインに基づき、インドにあるチャーナキヤ工房とチャーナキヤ工芸学校の職人たちによって、すべて手刺繍で制作されており、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が大切にしている集合エネルギーの概念をより高めることに寄与しています。
50平方メートルの刺繍を施した記念碑的な、いわば「テキスタイル建築」は、芸術とオートクチュールが交差する場所・ロダン美術館において、フランスのものづくりの根底に流れる”サヴォワールフェール(savoir-faire)”を提示し、その文化を讃えています。
ロダン美術館 彫刻庭園
https://www.musee-rodin.fr/musee/agenda/visite-de-linstallation-deva-jospin-pour-defile-dior