CULTURE

〈ホテルオークラ京都 岡崎別邸〉が1/20に開業

CULTURE2021.11.29

京都市左京区岡崎天王町に〈ホテルオークラ京都 岡崎別邸〉が2022年1月20日に開業します。
「ホテルオークラ」ブランドの日本国内での新規開業は約20年ぶり。三菱地所が開発中のホテルの運営管理をホテルオークラが行うもので、今年5月に概要が発表されていました。

ホテルの立地は、京都の洛東。周辺には、平安神宮、京都市京セラ美術館、京都市動物園、南禅寺などがあります。

ホテルオークラ京都 岡崎別邸 庭園側外観

建築規模は地上4階建て。水平に連続する日本建築の特性を生かしたロビーエリア(1階)は、空間に仕切りを設けず、緩やかにつなげることで、窓外の景色を最大限に取り込みます。隣地に真宗大谷派岡崎別院(東本願寺岡崎別院)があり、ロビーやダイニング、スイートルームからは境内の豊かな自然が借景となっています。ホテルの庭園には梅や桜が植えられ、秋には紅葉も楽しめるとのこと。

ホテルオークラ京都 岡崎別邸

レストラン(イノベーティブ・ガストロノミー「ヌーヴェル・エポック」)内観イメージ

ホテルの内装設計・インテリアデザインは、乃村工藝社が担当。インテリアの総合ディレクションを、同社のクリエイティブディレクターでRENSの松浦竜太郎氏が担当しています。

松浦竜太郎氏プロフィール
乃村工藝社 RENS クリエイティブディレクター

松浦竜太郎氏

2001年乃村工藝社入社。レストランやブティック、ホテルや商業施設、ミュージアムなど、領域にとらわれずボーダレスなデザインに取り組み、国内外で高く評価されている。国内外のアワード受賞も多数。2015年には当時、香港の建築・デザイン誌『Perspective / 透視雑誌』が主催した「40 UNDER 40」アワードにおいて、アジアで活躍する40歳以下のデザイナーの1人に、日本人として唯一選出されている。

また、このホテルでは、2012年に立ち上がった京都の伝統工芸を担う後継者6人により結成されたプロジェクトユニット・GO ON(ゴオン)のメンバーが手がけた作品などが、インテリアとして館内の随所に配置されているのが特筆点です。

GO ON(ゴオン)メンバー

GO ON(ゴオン)メンバーの顔ぶれ

日本の伝統工芸の新たな価値を発信する「GO ON」のオールメンバーが、ホテルとコラボレーションするのは今回が初めて。いずれの作品も〈ホテルオークラ京都 岡崎別邸〉のために制作された“一点物”です。

ホテルオークラ京都 岡崎別邸

エントランス

エントランスの照明器具は、オリジナルで制作されたもの。職人が繊細な銅線を1本1本丁寧に編み込んだ「金網つじ」によるもので、明かりが灯ると、金網の繊細な陰影が浮かび上がります。レセプションに掛けられる書「鳳鳴朝陽」は、京都在住で国内外で活躍する書家・川尾朋子氏の揮毫です。

レセプションから客室、ダイニングへと向かう壁面には、西陣織の老舗・細尾が手掛けるウォールが展開。細尾独自の織り技により、立体的に構成された西陣織は煌めきが際立っているとのこと。

エレベーターホールの壁面は、1898年創業の創作竹芸品メーカー・公長齋小菅(こうちょうさい こすが)の簾虫籠(すむしこ)が配されます。一本一本、繊細に仕上げられた竹格子のインテリアです。

客室廊下に設置される、ルームナンバーが記された照明は、手づくりの茶筒では日本では最古の歴史を持つ開化堂の茶筒と同等の製法でつくられたもの。経年変化とともに味わいを増していきます。

標準客室の面積は約40m²とゆったり。スイートルームはその約倍の面積で8室、東山に佇む山荘をテーマにバルコニー付きで設えられています。

ホテルオークラ京都 岡崎別邸

ガーデンルーム(40m²)

客室内は、前述の細尾の西陣織や、銘木・北山杉の丸太を床柱に見立ててしつらえた「違い棚」など、素材の美しさや自然の風合いを楽しみ、ホテルの周囲の自然と調和するインテリアとなっています。

ホテルオークラ京都 岡崎別邸

スイートルーム(70m²)

ホテルオークラ京都 岡崎別邸

細尾の西陣織オリジナルアートピースを設えたスイートルーム

計60室を擁するスモールラグジュアリーホテルが、2022年1月、京都に誕生します。(en)

施設概要
名称:ホテルオークラ京都 岡崎別邸
所在地:京都府京都市左京区岡崎天王町26番6(Google Map
敷地面積:2,860.75m²(約865.37坪)
延床面積:5,500.38m²(約1,663.86坪)
階数:地上4階
客室数:60室 / ダブルルーム(32m²)、スーペリアルーム(40m²)、ガーデンルーム(40m²)、デラックスルーム(45m²)、別邸スイート(70m²)、アクセシブルルーム(40m²)
付帯設備:ラウンジ、レストラン(イノベーティブ・ガストロノミー「ヌーヴェル・エポック」)、バー、フィットネス
宿泊・レストラン予約受付開始:2021年11月25日
https://www.okura-nikko.com/ja/japan/kyoto/hotel-okura-kyoto-okazaki-bettei/

設計・監理:三菱地所設計
施工:大林組
内装設計・監理・施工:乃村工藝社
アートワーク協力:アートワーク協力先 : 株式会社細尾、同社参画京都伝統後継者によるプロジェクトユニット「GO ON」

GO ON(ゴオン)メンバー:細尾真孝(西陣織 / 細尾代表取締役社長 12代目)、八木隆裕(茶筒 / 開化堂代表取締役社長 6代目)、小菅達之(竹工芸 / 公長齋小菅代表取締役社長 5代目)辻 徹氏(京金網 / 金網つじ代表取締役社長)、中川周士(木工芸 / 中川木工芸主宰)、松林豊斎(朝日焼 16世)

GO ON 公式Webサイト
https://www.go-on-project.com/

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