ディエベド・フランシス・ケレ氏の、プリツカー賞 2022年 受賞に際してまとめられたインタビュー動画が、プリツカー賞のページで公開されています。
動画とともに、この内容を日本語に抄訳したテキストを、ご覧ください。
(以下、ディエベド・フランシス・ケレ氏の発言を抄訳)
建築は主に、人類への奉仕です。人間が自らを成長させ、幸福になれるような環境をつくること。それを私は“幸福”と呼んでいます。
私の哲学は、すべての人が品質という点で贅沢に値する、つまり、貧しい人々にも手が届くということです。私が設計する建物は、利用者にインスピレーションを与えるものでありたいと思っています。
建物を使う人を幸せにするためには、その場所に何があるのかを考え、調べることが基本だと思います。
建築家として私ができる貢献は何なのか。状況を変えるには、どうすればいいのか?
暑い気候の中で建てるとき、最初に考えるべきことは何でしょう?
冷却装置がなくても、どのように建物をつくることができるでしょう?
代替案として、何があるでしょう?
どのようにすれば、自分がいる場所の建築的な条件を改善できるか、より良いサービスを提供できるかを思い巡らせてください。
建物は、低所得者層の人々だけでなく、高所得者層のためでもあります。彼らはインスピレーションとイノベーションを求めているのです。
そして、それは私たちが探さなければならないものです。
既存の状況を変えるため、そして環境に大きな負担をかけずに人々にインスピレーションを与えるような建物をつくるために、建築家としてどのように貢献できるでしょうか?
私は、自分のつくる建物が、使う人に感動を与えるものでありたいと願っています。
使う人が幸せになり、夢を持ってほしい。
人々に夢を与え、人々の背中を押し、本当にパラダイムを変えることが、建築で実現したいことなのです。
私は、創造と革新を目指しています。
—(場面が切り替わって)—
このインフラを成長させるため、人々は私の創造力を必要としていると思います。
それが私を後押しするエネルギーであり、私の原動力なのです。
力強く、確信に満ちた発言の数々。
ケレ氏のこれからの歩みにも、注目が集まります。
(jk)
Kéré Architecture
https://www.kerearchitecture.com
(公開されたほかの動画)
Symbolism and Light
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Gando
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Worlds Apart
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Bioclimatic Solution
ケレ氏のTEDでのスピーチはこちら。「Read transcript」ボタンで、日本語訳を読むこともできます。
「土でどのように建てるのか、どうコミュニティをつくるのか」