クウェートの首都クウェートシティに、サステナブルな超高層ビル〈クウェート国立銀行本社(National Bank of Kuwait headquarters)〉が竣工しました。
フォスター アンド パートナーズ(Foster + Partners)が設計した、構造体でありながらクウェートの厳しい日射を遮るフィンが特徴的な建築です。
(以下、Foster + Partnersから提供されたプレスキットのテキストの抄訳)
クウェートシティの一等地に建つ、この高さ300mの超高層ビルは、金融街として急成長するシャルク地区の中においても一際存在感を放っている。この新社屋は、全行員が1つ屋根の下に集うことによるシナジー効果とウェルビーイングの促進を目的としている。
サステナブルな機能と構造的なイノベーションを組み合わせ、クウェートの厳しい気候からオフィスを守る、エネルギー効率の高い建築である。
フォスター アンド パートナーズのスタジオ責任者であるステファン・ベーリング(Stefan Behling)は次のように語る。
「〈クウェート国立銀行本社〉は、革新的な環境戦略と多様なプログラムを組み合わせることで、クウェートのスカイラインの中でも際立つランドマークとなっている。サステナブルで機能的でありながらアイコニックなデザインは、国立銀行のクウェートにおけるユニークな存在感とアイデンティティを表している。」
タワーの最大の特徴でもある、最頂部まで伸びるコンクリート製のフィンは、構造的な支持材として機能している。
また、太陽の軌跡に合わせて配置することで遮光による環境対策にも貢献している。
パッシブ・アクティブの両面から水の使用量を削減することで、エネルギー使用量を最小限に抑え、室内の空気の質も向上させた。
アラビア湾の広がる北側は曲線的なファサードとすることで、パノラマビューを実現している。
上に行くほど床面積が広くなる特徴的な形状とすることで、より多くの社員に広大な眺望を提供している。
63階のスカイロビーは、社員のコミュニケーションやミーティングスペースとなっている。
1階はロビー、18階にはレストラン、19階には最新鋭のジム、38階にはボールルームと講堂、48階には役員会議室を配置した。
これらの共用スペースに加え、タワーの最頂部に位置するチェアマンズクラブでは、壮大な高さを誇る空間や弧を描くユニークな天窓、街と海岸線のパノラマビューを楽しむことができる。
ツインリフト・システムの採用によりコアのサイズを最小限に抑え、使用可能な床面積を増加させた。
タワー内の主要なスペースには、家具や照明などのデザインも手がけた。役員会議室には、インダストリアルデザインチームが設計した吹きガラスのペンダントライトが、13mという巨大な役員会議テーブルの上に配置され、独特の空間を演出している。
以下、Foster + Partnersのリリース(英文)です。
「National Bank of Kuwait headquarters」Foster + Partners 公式サイト