ディーゼルエンジンをはじめ建設重機や農業機械の大手メーカー、ヤンマーホールディングスの複合施設〈YANMAR TOKYO(ヤンマー東京)〉が、東京駅前・八重洲に昨年8月に竣工、今年1月13日にグランドオープンを迎えました。
創業者の精神やビジョンの根底にある、ヤンマーらしさを象徴する「HANASAKA(ハナサカ)」を体現する複合施設です。
ギャラリーなど館内の主要付帯施設の監修を、SAMURAIを率いるクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が担当。なお、佐藤氏は、2012年に創業100周年を迎えたヤンマーが翌年に立ち上げた「プレミアムブランドプロジェクト」でもクリエイティブディレクターを務め、ブランドロゴ「FLYING-Y」のデザインなどを手がけています。
“人を咲かす、未来を咲かす”という、ヤンマー創業者が抱いていたビジョンを集約した「HANASAKA」をさらに実現していく取り組みの一環として、日本の食文化である米(こめ)や、日本の第一次産業である農業に着目。新規就農者の支援につながる取り組みや、東京駅前にグランドオープンしたこの新たな施設から、食料生産に関する情報などを発信していく計画です。
建物の規模は、地下3階・地上14階。地下1階から地上2階までの3フロアは、HANASAKA(ハナサカ)を体現する人やその活動を紹介する体験型展示コーナーのほか、日本の米文化の新たな可能性を”咲かせる”ことを目指したギャラリーなど、ヤンマー直営のスペースや、レストラン、ショップなどが入り、大人から子どもまで、学び・楽しむことができる複合施設になっています。
フロア構成
・地下3F〜地下2F:駐車場
・地下1F~地上2F:レストラン・物販など商業エリア、ギャラリー、イベントスペース「HANASAKA SQUARE」
・地上3F~14F:ヤンマー東京支社ほかヤンマーグループオフィス(13F)、オフィステナントフロア
相良育弥氏(くさかんむり代表取締役社長・茅葺き職人)コメント
「茅(かや)は、ススキや稲藁(いなわら)など、屋根の材料として使われる草の総称で、くさかんむりではさまざまな種類の茅を扱っています。とりわけ農業の中で必然的に生まれてくる稲藁を特に大切にし、また特化した表現に挑戦し続けてきたことで、今回の制作の仕事をいただけたと思っています。
ロゴを稲藁で制作していると、細かな寸法の指定に佐藤可士和さんのこだわりを感じ、意識をなぞるようでおもしろく、学びの多い制作でした。
今回の制作物は、技術的に私たちくさかんむり以外には実現することができないもので、僕の茅葺き人生の集大成と言っても過言ではないくらい、持てるもの全てを注ぎ込みました。くさかんむり的稲藁礼讃のカタチをぜひご覧ください。」
所在地:東京都中央区八重洲2丁目1-1(Google Map)
建物規模:地下3階+地上14階+塔屋2階
延床面積:約22,000m²
設計:日建設計
施工:竹中工務店
竣工:2022年8月
〈YANMAR TOKYO〉ウェブサイト
https://www.yanmar.com/jp/yanmar_tokyo/