ベトナム・ホーチミンにて日本人起業家が立ち上げた「Pizza 4P’s」は、食品残渣を堆肥化し、自社栽培するハーブの肥料等に活用する店舗もあるほど、サステナビリティに注力しているピザレストランです。
そのPizza 4P’sのカンボジア・プノンペンの店舗〈Pizza 4P’s BKK1〉は、既存建物の部材を最大限活かしつつ解体から出た木材を店内のベンチ等として活用し、廃プラスチックをアップサイクルしルーバーや内装材とするなど、建物自体も環境へ配慮した設計となっています。
パリとプノンペンを拠点に活動するブルーム・アーキテクチャ(BLOOM ARCHITECTURE)が設計しました。
(以下、BLOOM ARCHITECTUREから提供されたプレスキットのテキストの抄訳)
プノンペンの新レストラン〈Pizza 4P’s BKK1〉にてブルーム・アーキテクチャは、プラスチック廃棄物をマテリアルへと変身させた。
再生プラスチックのルーバーに包まれたPizza 4P’sの新たなフラッグシップ・レストランは、東南アジアにおいて差し迫った課題である環境を汚染するプラスチックを、明日の幸せの源に変えるというクリエーターの役割を示している。
牛乳パックやスナック袋、ストロー、食品容器などから回収されたプラスチックを使用し、廃棄物を家具や建材へとアップサイクルするホーチミンのスタートアップ企業 PLASTICPeopleにより、レストランの内装材とファサードを日差しから守るルーバーが製造された。
回収されたプラスチックは7.8トンであり、70人が1年間に排出するプラスチックゴミの量に相当する。
また、Pizza 4P’sのゼロ・ウェイスト・コンセプトを発展させ、すべての客が利用できるプラスチック・リサイクル・ハブを店内に設置した。
プノンペンBKK1地区の賑やかな交差点の角に位置するこのカラフルでオープンな建築物は、現代社会のシンボルとして機能している。
ブルーム・アーキテクチャが、オーナー、施工者、サプライヤーとともに開発した〈Pizza 4P’s BKK1〉は、地域資源の活用と持続可能性についての価値観を、楽しく魅力的な方法で未来の世代へと伝えていく。
敷地内にある既存の部材を、その可能性を最大限に引き出すために創造的に活用した。
ファサード、構造体、手すり、1階のスラブ、屋外テラスの舗装は既存を活かして再利用。既存の木製デッキは新たに打設するコンクリートスラブの型枠として使用し、既存の木製梁はベンチへとリサイクルしている。
PLASTICPeopleによる再生プラスチックをパーティションに採用し、バナナの葉のリサイクルした仕上げを1階の壁面に採用した。
コーヒー豆をリサイクルしたペンダントライトや、既存の木製梁をリサイクルしたベッチを採用し、オーブンはリサイクル・チップ・プレートで包まれている。
店内に飾られたアート作品は再生プラスチックで作成されたものであり、スツールと椅子はホテルにて使用されていたものをリサイクルした。
屋根は既存を活かし再利用し、ファサードにはリサイクルプラスチックのルーバーを設置した。
以上の項目ごとの施策による環境への影響をそれぞれ評価し、プロジェクト全体において、同規模のプロジェクトと比較した際のCO2削減効果を可視化した。
可能な限り既存のものを再利用し、再利用が難しいものはリサイクル、他にもリサイクル材を使用した仕上げや家具の導入、地域の資源を活用しており、プロジェクトの全体重量68トンのうち、再利用が68%、リサイクルが21%、地産材が11%を占めている。
以下、BLOOM ARCHITECTUREのリリース(英文)です。
BLOOM ARCHITECTURE TRANSFORM PLASTIC WASTE INTO THE MATERIAL OF THE NEW PIZZA 4PS RESTAURANT IN PHNOM PENH
This innovative and conscious concept demonstrates the role of creatives such as BLOOM to turn a challenge of today in South East Asia – the plastic polluting our environment – to become a source of happiness for tomorrow – louvers for the brand new flagship restaurant for PIZZA 4P’S.
7.8 tons of plastic (the equivalent of the waste for 70 persons over a year) were collected from Milk boxes, snack bags, straws, food containers and market boxes in order to be recycled by PLASTICPEOPLE to fabricate louvers which will dress the interiors of the restaurant and protect the glass facade from sun radiation.
Expanding on the zero waste concept from PIZZA4PS, not only did the team creatively salvage materials, a plastic recycling hub usable by all patrons will be built into the store.
Sitting at the corner of a busy crossroad of the BKK1 district of Phnom Penh, this colorful open structure acts as a symbol of contemporary society. Together with the owner, constructor and supplier, BLOOM developed an architecture which conveys values about using local resources and sustainability to educate the future generation in a fun, attractive way.
Antoine Meinnel for BLOOM ARCHITECTURE
Owner: PIZZA 4P’S
Designer: BLOOM ARCHITECTURE
(Team – Antoine Meinnel (partner), Cristina Toran (associate in charge), Heng Thanak (associate in charge), Nong Demy (project leader), Korn Seinekoun, Nget Choulong, Antoine Contour)
Contractor: REDFURNESSE
Supplier: PLASTICPEOPLE
Photographer: Robert Kleiner
「PIZZA 4P’S BKK1」BLOOM ARCHITECTURE 公式サイト
https://www.bloom-architecture.com/pizza4ps