開催まであと518日。
2025年4月13日より、大阪市内で開催される日本国際博覧会(2025年大阪・関西万博)に関する続報です。
公式参加国の1つ、イタリア共和国(以下、イタリア)のパビリオンのテーマとデザインが、在大阪イタリア総領事館から11月6日に正式に発表されました(Commissioner General for Italy at Expo 2025 Osaka-Kansai 2023年11月8日プレスリリース、11月9日 プレスリリース)。
すでに今年8月に外観イメージ等が公表されているパビリオンの設計は、建築家のマリオ・クチネッラ(Mario Cucinella)が率いるマリオ・クチネッラ・アーキテクト(Mario Cucinella Architects: MCA)のグループが担当。イタリア・ルネサンスの理想都市(Città ideale / The Ideal City)を現代の解釈で表現したデザインとなっています。
グループは、Beyond Limits、Milan Ingegneria Spa、Tekser Srl、Zeranta Edutainment Srl、Gae Engineering Srl、地質学者のClaudio Preci氏と、日本側の協力企業である西尾レントオール(イタリア館の躯体には同社の木造モジュールが採用される見込み / 2023年8月21日プレスリリース)、乃村工藝社で構成され、アーキテクト・オブ・レコード(AoR)として、東京と米国ニューヨークに拠点を構える松田仁樹建築設計事務所が参加するとのこと(2023年8月17日プレスリリース)。
「パビリオンはさまざまな時代と文化が影響しあう、知識や革新を生み出す有機体」と考えるクチネッラは、ピアッツァ(広場)・テアトロ(劇場)・ジャルディーノ(庭園)という、イタリア文化の重要な歴史ある社会空間にスポットライトをあて、イタリアの理想都市を3つの幕で表現、展示空間もテーマごとに3つに分かれます。
中央のエリアでは、イタリアと日本の協力で進行中の宇宙(aerospace)分野を紹介。2つめは街と社会について、インフラストラクチャー、ネットワーク、モビリティ、都市計画に関する展示となります。そして、3つめは、人間がテーマ。医学とライフサイエンス、ホーム、オートメーション、ロボット工学のほか、食育に関する展示が予定されています。
そして屋上部分には、古典的な迷宮のアイデアを現代的にアレンジした庭園空間が出現します。
これらの根底に流れる、アート、テクノロジー、エンジニアリング、ライフスタイルや哲学までも内包する「デザイン」をイタリアパビリオンでは重視。現在のイタリアの技術革新の基礎となっているデザインと職人文化の強いつながりについても展示を通して伝えられます。
〈イタリアパビリオン〉の協力者として、イタリアとゆかりの深い日本のデザイン・建築界から選出されたアンバサダーも発表されています。下記5氏のほか、日本からは西尾レントオールなどが建築チームに参加するとのこと。
イタリアパビリオン アンバサダー(敬称略):
新宮 晋(彫刻家)、八木雄三(八木通商)、喜多俊之(プロダクトデザイナー)、奥山清行(インダストリアルデザイナー)、コシノジュンコ(ファッションデザイナー)
#BUROMILAN YouTube「La Città Ideale – Italy Pavilion Expo 2025 Osaka」(2023/10/05)
さらに今回、ローマ教皇庁とイタリア館がタイアップするのも注目点です。史上初めて、イタリアパビリオンの中にバチカン(教皇庁 / The Holy See)が出展。福音宣教省(Dicastery for Evangelization)との協力による文化イベントやアート展示などが予定されています。
〈イタリア パビリオン〉では、バチカン関連企画のほかにも、イタリアが誇る芸術や美術、食文化を紹介。オペラやコンサートなどが開催される予定です。
大阪での万博終了後、パビリオンは”イタリアワークショップ”として再利用される予定とのこと。
※本稿の画像全点:Commissioner General for Italy at Expo 2025 Osaka-Kansai 提供
2025年大阪万博イタリア参加一般部会コミッショナー ウェブサイト
https://www.italyexpo2025osaka.it/