建築家の隈 研吾氏が率いる隈研吾建築都市設計事務所が韓国のソウルに設計した「オーディオ+ミュージアム」を意味する〈オーディウム〉は、視覚的要素だけでなく、音、光、風、香りなど、すべての感覚を体験できるミュージアムです。
建物を包むランダムに立ち並ぶアルミパイプが、森の中の陽光のような美しい効果を演出し、内部へと進むごとに木の空間へと移行していきます。
(以下、隈研吾建築都市設計事務所から提供されたプレスキットのテキストの抄訳)
ソウル大路に位置する、オーディオ+ミュージアムを意味する〈オーディウム〉は、ミュージアムという概念を超えたミュージアムである。
ここでは見るだけではなく、音を実際に体験することができる。それは単に音を聞く場所ではなく、人間を自然の状態に戻し、体の五感で体験できる楽器のような建築物である。
外観デザインは、垂直方向に重なるアルミルーバーが影の変化をつくり出し、ルーバーの間で影と光が出会い、森の中の陽光のような美しい効果を演出する。
アルミパイプを使用して自然の光の変化を模倣するとともに、パイプをランダムに配置することで自然の秩序と無秩序を調和させ、天候、時間、季節に応じて変化する光の美しさを強調した。
また、明るいアルミパイプで建物全体を包むことで、建物の外観は季節に応じて新しい表情を見せ、都市の環境と自然のランダムな特性を建築に取り込んでいる。
展示室の内部には木材を使用しており、一般的な木材の仕上げとは異なる「ウッドドレープ」と私たちが呼んでいるディテールを採用し、木材の柔らかさと自然さを強調した。
硬い強度をもつアルミニウムの外観から、木材という柔らかい素材が使用された内部へと、外から内に進むにつれて徐々に移行していく。木の仕上げは音響を考慮して設計されており、人の感覚を刺激し自然との親近感を醸成する空間を演出した。
〈オーディウム〉は視覚的要素だけでなく、音、光、風、香りなど、すべての感覚を体験できる空間である。
新たな感覚の世界を体験できるこの場所は、ミュージアムの枠を超えた新しい体験の場であり、特別な癒しと感覚的な体験を提供する、新しい時代の象徴的な場所となるだろう。
「オーディウム」隈研吾建築都市設計事務所 公式サイト
https://kkaa.co.jp/project/audeum-audio-museum/