CULTURE

どうなる? DIC川村記念美術館

佐倉市が市内存続を求める署名を9/30まで受付

CULTURE2024.09.29

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館の市内存続を求める署名活動を、佐倉市が9月5日より行なっています。

DIC川村記念美術館は、大日本インキ化学工業(現・DIC)創業家の2代目社長、川村勝巳氏(1905-1999)の構想のもと、建築家の海老原一郎(1905-1990年)の設計により、1990年5月に同社の総合研究所敷地内にオープン。2008年には、ロシア領ラトビア出身で米国で没したマーク・ロスコ(Mark Rothko|1903-1970)の作品「シーグラム壁画」のための「ロスコ・ルーム」などが増築されるなど、見どころの多い美術館として知られています。閉館後にミュージアムコンサートなども行われています。
なにより同館は、春には桜の名所となる池と庭園を併設した約3万坪の敷地を誇り、創設者が思い描いた「作品」「建築」「自然」の3つの要素が調和した、日本でも指折りの私立美術館です(本稿1枚目の外観画像撮影:渡邉 修)。

DIC川村記念美術館「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」展

これまで、川村氏のコレクションをはじめ、20世紀以降の優れた美術作品を紹介する企画展を数多く開催してきましたが、今年8月28日に2025年1月下旬に休館することを発表(詳細は同館ウェブサイトの告知「DIC株式会社による当館の運営に関する対外公表及び それに伴う当館の休館予定に係るお知らせ」を参照)。これを受けて、アートコレクターとしても名高い実業家の前澤友作氏が、日本でも指折りの川村コレクションの海外流出を回避するための協力を表明するなど(前澤氏の公式X 2024年9月2日投稿はこちら)、所蔵作品の去就も含めて話題となっています。来館者も急増している模様です。

佐倉市が9月初旬より行なっている署名は、自然と調和した建物そのものの存続を求めるもので、受付は9月30日まで。市の公式ウェブサイト上の案内ページでのオンライン署名または紙での署名(佐倉市役所の窓口または期日必着での郵送)がある。

佐倉市からのメッセージ

現在、DIC川村記念美術館の運営方法見直しの報道を受け、佐倉市での存続を強く求める署名活動を実施しています。
DIC川村記念美術館は、世界的に貴重な作品を数多く所蔵する国内屈指の美術館であるとともに、芸術・自然・建築が高いレベルで調和するひとつの「作品」であり、移転・閉館といった運営方法の見直しは、我が国の文化芸術の普及・発展にとって大きな損失です。
お心を同じくする皆様の署名をよろしくお願いいたします。

DIC川村記念美術館の佐倉市での存続を求める会
事務局:佐倉市魅力推進部文化課

詳細は下記・佐倉市ウェブサイト内案内ページを参照。
https://www.city.sakura.lg.jp/soshiki/bunkaka/oshirase/19555.html
本件に関する佐倉市プレスリリース(2024年9月5日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000326.000024449.html

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