
パビリオンDATA
- コンセプト・デザイン
アトリエ ブルックナー(ATELIER BRÜCKNER)- 設計・監理
徳岡設計- エリア
コネクティングゾーン- テーマ
「知識の庭」未来社会の実験室
ウズベキスタンパビリオンの見どころポイント!
「知識の庭:未来社会のための実験室」をテーマとする〈ウズベキスタンパビリオン〉は、豊かな文化遺産、先進的な建設技術、SDGsへの取り組みを体現したパビリオンです。ウズベキスタンの伝統に基づいた自然素材とモジュール化された現代的なデザイン要素が調和して、サスティナビリティの理念を未来へ示唆しています。
Photo: 松村芳治
ユネスコ世界遺産に登録されているホラズム州にあるヒヴァ旧市街の建築群「イチャン・カラ」や史跡、中央アジアの人々が大切にする伝統的な護符「トゥマール」に着想を得た三角形のデザインが敷地形状に呼応し、基壇部分の外観にはレンガや土壁により大地や根、歴史的記憶を表し、上部の彫刻的な木立は森を象徴しています。
Photo: 松村芳治
森を象徴する上部のパーゴラには、熊本、大分、宮崎、島根、奈良、大阪、和歌山、鳥取、徳島から調達され、トレーサビリティのためのタグが付けられた286本の丸太材を用い、積層化する伝統装飾模様の三角形の組子と梁が醸し出す光と影が、木漏れ陽のように来訪者を包んでくれます。
Photo: 松村芳治
Photo: 徳岡設計
トゥマールを模した木のユニットは8層のレイヤーで構成(提供:徳岡設計)
〈ウズベキスタンパビリオン〉は会期終了後、パビリオン全体を分解、ウズベキスタンへ移設され、新たに文化と地域コミュニティの拠点として生まれ変わる予定です。
解体移築を可能にするため、積層する上部部材はボルト接合を選択しています。構造強度が要求されるGIR(Glued In Rod)の接合部は、部材の上下に切断のための隙間を確保し、柱下部は構造的に緊結せず、容易に解体できるディテールとしています。
Photo: 徳岡設計
展示スペース中央にある、過去・現代・未来を没入体験しながら森へと上昇する床(ムービングステージ)は、奥深い歴史をもつ国への誘いとともに、シルクロードでつながる日本とウズベキスタンの絆を想起させ、未来社会のデザインとして昇華しています。
Photo: 徳岡設計
パビリオン内のショップエリアには、ブハラ出身の名陶工、アブドゥルヴァヒド・カリモフによって手作業で制作された11,000枚以上のタイルが壁一面に施されています。カリモフによるタイルは、16世紀の伝統的なタイル技法を現代的に再解釈し、再発見していく創造の旅から生まれたものです。
タイルの釉薬には、空や水、永遠や平和を象徴するウズベキスタンの象徴的な色であるターコイズブルーが使われています。
Photo: 徳岡設計
Photo: 松村芳治
Photo: 松村芳治
建築DATA
建築主:Uzbekistan Art and Culture Development Foundation(ウズベキスタン芸術文化開発財団)
構造:木造一部鉄骨造
階数:平屋
敷地面積:1,044.28m²
建築面積:636.02m²
延床面積:640.43m²【設計】
コンセプト・デザイン:ATELIER BRÜCKNER
設計監理:徳岡設計
BIM:ルフト一級建築士事務所
構造設計:アルキテック
構造監修:石山央樹(大阪公立大学)
電気設備:DANNE
機械設備:Andeco
木造躯体:篠原商店【施工】
統括:NÜSSLI(Switzerland)Ltd.
総合:誠和建設
建築:大作
機械:正本設備
電気:Gemini【遊戯施設】
迫機構:三晃工業
シリンダー:三和製作
スクリーン:三和ファサード・ラボ【木工事施工】
躯体:篠原商店
加工:翠豊
接合:スクリムテックジャパン
造作:シグラベース【木材調達・協力】
調達:大阪市木材連合会、高原木材
協力:兼松サスティック
トレーサビリティ:Andeco【専門工事】
鉄骨工事:コオカ
昇降機:日本エレベーター
レンガ工事:都窯業
左官工事:近畿壁材【展示工事】
展示:BeWunder
投影膜:Show Tex
トップ写真撮影:松村芳治
テキスト提供:徳岡設計
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