[大阪・関西万博]トイレや休憩所などを紹介_トイレ3 - TECTURE MAG(テクチャーマガジン) | 空間デザイン・建築メディア
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[大阪・関西万博]トイレや休憩所などを紹介_トイレ3

小俣裕亮建築設計事務所 new building officeが設計した〈トイレ3〉

[大阪・関西万博]トイレや休憩所など、若手建築家が手掛ける施設を紹介

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施設DATA

  • 設計
    小俣裕亮建築設計事務所 new building office
  • 主用途
    トイレ
  • エリア
    西ゲートゾーン

 

〈トイレ3〉の見どころポイント!

  • 気温や風速に応じてかたち変える膜屋根
  • 空気膜構造がつくる、風と光のトイレ空間

膜屋根が繋ぐ、1970年の大阪万博と2025年の現在地

〈トイレ3〉は、木造の基壇に空気膜構造の屋根を組み合わせた構成です。膜屋根は、内圧を調整することで膨らんだり凹んだり、水をたたえて冷却したりと、環境に応答してかたちを変えます。中央の吹き抜けを囲むように各トイレが配置され、来場者は手洗いやホールの空間から、膜屋根越しに空と光を感じられます。

Photo: new building office

Photo: new building office

レスポンシブ・ストラクチャー

この施設は大屋根リングと大阪湾が交差する地点に位置し、木造の基壇の上に、空気膜構造の屋根をのせた構成になっている。内部では男性用、女性用、バリアフリートイレ、ジェンダーレストイレが中央の空間を囲うように配置され、来場者はホールや手洗い場から膜屋根を見上げる。

Photo: new building office

Photo: new building office

Photo: new building office

Photo: new building office

膜屋根は風速に応じて形状を変える。風が強いときは膨らむことで強風に対抗し、風が弱い時は送風コストを低減するため膨らまぜずに風に揺られるにまかせる。また気温が高い時は膜屋根の内圧とつり合うように上に水をためて屋根自体を冷却し、膜屋根下の空間を暑くならないようにする。この“エンジニアド・ポンディング”によって膜屋根が冷却された後に膜屋根をインフレートさせて冷却水を押し流す仕組みになっている。

Photo: new building office

Photo: new building office

Photo: new building office

膜屋根内部(水溜め)。Photo: new building office

さまざまな色彩と形態のパビリオンが立ち並ぶ万博会場の中にあるトイレを、風や天候といった自然環境に応答する建築としてデザインすることで、喧騒から離れて環境のうつろいを感じひと息つくための空間とした。同時にそれは1970年の大阪万博でさまざまな実験がなされた空気膜構造の第一世代に対する応答でもある。

 

膜屋根内部(加圧)。Photo: new building office

膜屋根内部(負圧)。Photo: new building office

平面図。Image: new building office

断面図。Image: new building office

低風速時、冷却時の断面図。Image: new building office

建築DATA

構造:木造、一部空気膜構造
階数:地上1階
最高高さ:5,810mm
軒高:4,753mm
敷地面積:454.69m²
延床面積:249.97m²
延床面積:249.97m²

設計:小俣裕亮建築設計事務所 new building office
担当:小俣裕亮
構造設計:EQSD
設備設計:環境エンジニアリング
膜屋根設計・施工:太陽工業
施工:日本土木建設

 

テキスト提供:new building office


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