古い時代の美術と現代美術の対比を通して、日本美術の豊かな土壌を探り、その魅力を新しい視点から発信する展覧会が開催です。
江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品を、現代を生きる8人の作家の作品と対になるよう組み合わせ、それぞれの空間で1組ずつ展示を行います。
古典側は、曾我蕭白、尾形乾山、円空、仙厓義梵、葛飾北斎ら、誰もが知る巨匠の作品や、鎌倉時代の仏像、江戸時代の花鳥画、刀剣の名品など。現代側は、今の日本を代表する作家やクリエイターら、川内倫子、鴻池朋子、しりあがり寿、菅木志雄、棚田康司、田根 剛、皆川 明、横尾忠則が出展します。
組み合わせ(会場展示順):
1.仙厓義梵×菅木志雄
仙厓義梵《円相図》 江戸時代・19世紀 紙本墨画 37.0×49.0cm 福岡市美術館(石村コレクション) 展示期間:6月24日~7月6日
菅木志雄《支空》 1985年 ステンレス板、木、石、竹 510.0×570.0×153.0cm 作家蔵 撮影:菅木志雄
2.花鳥画×川内倫子
3.円空×棚田康司
4.刀剣×鴻池朋子
刀 銘 兼房 室町時代・16世紀 鍛鉄製 長さ70.0cm 個人
鴻池朋子《皮緞帳》 2015年 牛革にクレヨン、水彩 600.0×2400.0cm 高橋龍太郎コレクション © Tomoko Konoike
5.仏像×田根 剛
《日光菩薩立像》 鎌倉時代・13世紀 木造 像高141.6cm 滋賀・西明寺
《月光菩薩立像》 鎌倉時代・13世紀 木造 像高144.3cm 滋賀・西明寺
田根剛《エストニア国立博物館》 2006-16年 © Takuji Shimmura | Image courtesy of DGT.
6.葛飾北斎×しりあがり寿
画像上:葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 江戸時代・19世紀 大判錦絵 25.2×38.5cm 和泉市久保惣記念美術館
画像下:しりあがり寿《ちょっと可笑しなほぼ三十六景 太陽から見た地球》 2017年 和紙にインクジェットプリント 32.0×47.0cm 作家蔵
展示期間:上記2点とも、8月5日~8月24日
7.尾形乾山×皆川 明
尾形乾山《銹絵百合形向付》 江戸時代・18世紀 施釉陶器 (各)高5.2cm、口径15.8cm、底径5.8cm MIHO MUSEUM 撮影:越田悟全
minä perhonen《ring flower》2005-06年 秋冬コレクション
8.曾我蕭白×横尾忠則
現代作家の仕事は、アーティスト、建築家、漫画家・イラストレーターなど、さまざまで、過去の名品との関係も各個で異なります。
展覧会では、世界観や主題、造形、制作方法の類似を示すだけでなく、先達から得たインスピレーションや、誰もが知るイメージに基づくパロディ、古い作品を取り込んだインスタレーションなど、過去の偉業に積極的に関与していく現代の作家たちの姿にも焦点をあてます。
今日の優れた表現と、今なお私たちを惹きつけてやまない古の名品の比較を通じて、単独では見えてこない新たな魅力を発見する展覧会となります。
「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」
会期:2020年6月24日(水)〜8月24日(月)
開館時間:10:00-18:00(当面の間、夜間開館なし。入場は閉館30分前まで)
休館日:毎週火曜日
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
会場URL:https://www.nact.jp
なお、本展は当初、3月11日から開催される予定でしたが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染予防・拡散防止のため、会場の国立新美術館が2月29日から臨時休館に入ったのに伴い、会期などが変更になっていたものです。
開幕に先行して、臨時休館中に撮影された、作品を背景に、出展作家が作品コンセプトを解説する動画などが、展覧会特設サイト上で公開されています。
同館は6月11日(木)から順次、展覧会、館内施設を再開。館内および会場内の混雑緩和のため、日時指定の事前予約制が導入されています(前売り券などのチケット等を持っている場合も、オンラインによる「日時指定観覧券」もしくは「日時指定券(無料)」の予約が必要)。
詳細および最新の情報は、会場ホームページまたは展覧会特設サイトを参照してください。
「古典×現代2020」特設サイト
https://kotengendai.exhibit.jp/