COMPETITION & EVENT

田根 剛が改修を手がけた〈弘前れんが倉庫美術館〉が7月11日グランドオープン、開館記念展は9⽉22⽇まで

建築家の田根 剛氏(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が建築設計を手がけた、青森県〈弘前れんが倉庫美術館〉が7月11日(土)にグランドオープンしました。

同館は、2020年4月11日(土)に開館する予定でしたが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大防止のために延期され、6月1日(月)から弘前市民、同月17日(水)からは青森県民を対象に、事前予約制のプレオープンを実施していました。7月11日(土)のグランドオープンを機に、入館対象制限なし、予約も不要となります。
また、終了日が未定だった開館記念 春夏プログラム「Thank You Memory – 醸造から創造へ –」の会期も発表されています。

開館記念 春夏プログラム「Thank You Memory ―醸造から創造へ―」
会期:2020年6⽉1⽇(⽉)~9⽉22⽇(⽕・祝)

奈良美智《A to Z Memorial Dog》2007年 ©Yoshitomo Nara
Photo: Naoya Hatakeyama
Courtesy of Hirosaki Museum of Contemporary Art

ジャン=ミシェル・オトニエル《The Knot of Eden》(Simulation from the artist studio) ©︎Othoniel Studio

尹秀珍《ポータブル・シティー:弘前》2020年 ©Yin Xiuzhen
Photo: Naoya Hatakeyama
Courtesy of Hirosaki Museum of Contemporary Art

潘逸舟《海で考える人》2016年 ©︎Ishu Han
Photo: Naoya Hatakeyama
Courtesy of Hirosaki Museum of Contemporary Art

〈弘前れんが倉庫美術館〉は、明治・大正期に日本酒の酒造工場として建設され、戦後は国内で初めてシードル(リンゴの発泡酒)が大々的に生産されていた場所でもある煉瓦造の建築です。その後「吉野町煉瓦倉庫(旧称吉井酒造倉庫)」となり、2015年には芸術文化施設として整備するため弘前市が取得、田根氏の手により改修されたものです。高度な耐震補強と既存の煉瓦壁を内外ともに無傷で保存する設計により、建物の記憶を継承し、未来の時間へと引き延ばすものに再生されました。

〈弘前れんが倉庫美術館〉施設概要
展示室1〜5 / スタジオA,B,C / ライブラリー / 市民ギャラリー
建築概要 延面積:3,089 ㎡
敷地面積 4,526.24m² + 6,226m²(緑地部分)
建物面積 3,079.53m²(カフェ・ショップ棟 1,168m²、美術館棟 1,921m²)
階数:地上2階(美術館棟)
設計:
建築設計 Atelier Tsuyoshi Tane Architects
設計統括 NTT ファシリティーズ / NTT ファシリティーズ東北
構造設計 大林組 / スターツCAM
設備設計 森村設計
設計協力:
照明設計 岡安泉照明設計事務所
監理 Atelier Tsuyoshi Tane Architects / NTTファシリティーズ / NTTファシリティーズ東北 / 大林組 / 森村設計 / スターツCAM

竣工イメージ(鳥瞰)  ⒸAtelier Tsuyoshi Tane Architects

建物は大きく2棟に分かれており、2フロアに5つの展示室とライブラリー、貸出施設を配したL字型の美術館棟と、その北側に隣接するカフェ・ショップ棟があります。

美術館棟フロアマップ

美術館棟 エントランス付近 撮影:小山田邦哉

美術館棟 1階 展示室2,3

美術館棟 1階 展示室3

美術館棟 2階 展示室4

今後、美術館では、「サイト・スペシフィック(場所性)」と「タイム・スペシフィック(時間性)」の2つの2つの軸での展開を予定しています。
「サイト・スペシフィック(場所性)」は、「創ること」「見せること」「収蔵して歴史に残すこと」などをテーマに、建築や地域に合わせたコミッション・ワーク(新たに作品を制作すること)を重視し、完成された作品を展示。さらに収蔵するという、一連の流れによって、弘前ならではのコレクションを形成していきます。
「タイム・スペシフィック(時間性)」では、「異なる展示のリズム」と「柔軟な空間の使い方」をテーマに、元煉瓦倉庫という建物の可能性を最大限に生かし、自由かつ柔軟に空間を運用。それぞれの作品も、短期間から長期間の異なるリズムで展示し、年間でプログラムを構成します。

美術館棟 1階 スタジオA

美術館棟 2階 ライブラリー 撮影:⼩⼭⽥邦哉

美術館棟に隣接するカフェ・ショップ棟も、2層吹き抜けの大空間となっています。
7基設置されたシードルタンクはモニュメントではなく実際に稼働しており、製造したシードルを販売する「A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房」と、青森県産の食材を使用した多国籍料理を提供するカフェを併設しています。
ミュージアムショップでは、美術館のオリジナルグッズをはじめ、国内外のアーティストの関連商品、弘前ならではの商品も販売します。

ショップ・カフェ棟 撮影::小山田邦哉

©︎Naoya Hatakeyama

©︎Naoya Hatakeyama

芸術文化施設として再生されるにあたり、コンセプトの中核となったのが、今あるものを可能な限り残す「記憶の継承」と「風景の創生」でした。例えば、老朽化していた屋根は、寒冷地の降雪を考慮した耐久性と耐食性を備えたチタン材の菱葺(ひしぶき)とし、色は建物の歴史を受け継いだ”シードル・ゴールド”に。光によって微妙に変化する色合いや光沢は、地上から見えるエッジの部分まで美しく、弘前の新しいランドマークとなっています。(en)

©︎Naoya Hatakeyama


#弘前れんが倉庫美術館(60秒PR動画 ver.)2020年5月公開

〈弘前れんが倉庫美術館〉
所在地 青森県弘前市吉野町2-1
開館時間 9:00-17:00
金曜・土曜日に限り、スタジオ、ライブラリーは21:00まで開館
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日に振替)、年末年始
※COVID-19(新型コロナウイルス感染症)予防と拡大の観点から、開館時間や入場に関する予定が今後変更となる場合があります。最新の情報は、ウェブサイトやSNSを確認してください。
公式ウェブサイト https://www.hirosaki-moca.jp
公式Instagram @hirosaki_moca https://www.instagram.com/hirosaki_moca/
公式Twitter @hirosaki_moca https://twitter.com/hirosaki_moca

【TECTURE MAG】2020年6月2日掲載
6月1日にプレ・オープンした〈弘前れんが倉庫美術館〉が設計者の田根 剛氏のインタビューを公開
https://mag.tecture.jp/event/20200602-5626/