2020年12月7日初掲
12月11日 インタビュー動画追加
日本を代表する彫刻家の一人、名和晃平氏(1975-)による個展が、東京・表参道のGYRE GALLERYで開催されています。
名和氏は、「ものの表皮」への意識から発して、感覚や思考のメタファーとしてのマテリアルを「セル」という概念を元にさまざまな表現へと展開する活動を続けています。2009年以降は京都市伏見区のスタジオ・SANDWICHを拠点とし、単体の作品制作だけでなく、ホテルや商業施設の空間デザインなども手がけ、最近では先月22日に韓国・ソウルに開業した〈ホテル アンテルーム ソウル〉のアートディレクションを担当しました。
また、昨夏に京都・二条城で開催された展覧会では、巻物的インスタレーション作品〈Tornscape〉を発表。この作品で試みたことを名和氏はさらに追求し、その後も継続して実験的試みをさまざまに行ってきたとのこと。本展では、その中から、複数のメディウムや塗料・オイル・油絵具などを混合し、複雑な物質性とテクスチャを生み出すペインティング、UVレーザーを用いた作品などが展示されます。
〈Trans-Sacred Deer (g/p_cloud)〉2020 ミクストメディア 132×135×43.5cm
NARA TSUTAYA BOOKS Nara / Japan
photo by Nobutada OMOTE | Sandwich
今回のGYRE GALLERYでの個展では、鎌倉時代の「春日神鹿舎利厨子」へのオマージュとして、木彫漆箔仕上げの〈Trans-Sacred Deer (g/p_cloud_agyo)〉(通称:雲鹿)を発表。近年、名和氏が取り組んでいる京都の伝統工芸復興プロジェクトから生まれたものとのことです。
今年はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の影響で、海外への渡航が難しくなり、作家が京都のスタジオで過ごす時間が増えたことなどから、数多くの新作が出展され、近年にない規模で名和氏の作品を見ることができるのも本展における特筆点です。
〈Trans-Sacred Deer (g/p_cloud_agyo)〉GYRE GALLERYにて
画面右:〈Dune#5〉、画面左奥:〈Moment#164〉〈Dune#16〉部分
〈Dune#16〉部分
画面中央:〈PixCell-Reedbuck (Aurora)〉
〈PixCell-Reedbuck (Aurora)〉部分
Rhythm#1 (Velvet), Rhythm#2 (Velvet), Rhythm#3 (Velvet), Rhythm#4 (Velvet)
〈PixCell-Crow#5〉
本会場のほかにもGYREの吹き抜け空間を使った作品展示がありますので、お見逃しなく。
GYREの吹き抜け空間に展示された作品〈Silhouette#2〉の一部
会期:2020年10月23日(金)〜2021年1月31日(日)
開館時間:11:00–20:00(GYRE 営業時間に準じる)
休館日:不定休
※COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大防止など諸般の事情により、スケジュールが変更される可能性があるため、最新の開館状況は会場ウェブサイトなどで確認してください
会場:GYRE GALLERY(東京都渋谷区神宮前5丁目10-1 GYRE 3F)
問い合わせ先:03-3498-6990
展覧会詳細:https://gyre-omotesando.com/artandgallery/kohei-nawa-oracle/