江戸時代後期に活躍した鬼才・画狂の絵師・葛飾北斎(1760-1849)の生誕260年を記念した特別展が、東京ミッドタウン・ホールにて2021年7月22日(木)より開催されます。
本展は、世界一の北斎漫画コレクターである浦上 満氏(浦上蒼穹堂)の全面協力により、『北斎漫画(初編~15編)』全883頁、「冨嶽三十六景」全46点、『富嶽百景(初編~3編)』全102図の全点・全図を通期で展示するという、前代未聞の試みに挑戦。希少な初摺を中心に、質・量ともに優れた作品の数々が一挙公開されます。
会場デザインは、『北斎漫画』(青幻舎、2011年)の装丁を手掛けている、アートディレクターでブックデザイナーの祖父江 慎氏のアートディレクションのもと、2014年にフランス・パリのグランパレで開催された「北斎展」で会場デザインを手掛けている、建築家の田根 剛氏が空間デザインを担当。なお、祖父江氏は、本展のキービジュアルや、北斎の世界観を表現する会場グラフィックも担当します。
現在、本展のコンセプトである「尽くし」をテーマに、作品ごとに異なるコンセプトをもつ空間を計画中とのこと(本稿トップのイメージ:田根 剛氏による『北斎漫画』展示プラン・構想段階)。
田根 剛氏コメント:
「北斎とレオナルド・ダ・ヴィンチこそが、人類史上で生きとし生けるものを描きつくし、そしてその画に生命を宿し、動きを与えたいと神に願った執念にこそ、時代を超えて世界中のひとびとに驚きと喜びを与えてくれる。」
祖父江 慎氏コメント:
「北斎といえばやっぱり『笑い』です。印刷技術を使って、これほど庶民をあっと驚かせ続けた絵描きっていません。今ではずいぶん偉くなってしまいましたが、この展覧会では北斎の原点に戻って『つっこみどころ満載の笑い』を楽しんでいただけるよう張り切って準備しています。ぎゃふん。」
橋本麻里氏コメント:
「森羅万象をフラットに扱い、ある限りを蒐集する「尽くし」は、近代的な分類・整序と全く異なる世界観に基づく手法だ。北斎の作品と文化的遺伝子(ミーム)が充満した=尽くされた会場で、その混沌と興奮を体感いただきたい。」
両氏が構築する展示空間に『BRUTUS』の日本美術特集など、日本美術を主な領域とするライター・エディターの橋本麻里氏による編集と、高精度な文化財デジタルアーカイブを得意とする凸版印刷の表現技術が加わり、世界で最も有名な日本の絵師・北斎のすべてと出会えるような「北斎づくし」の空間が今夏、六本木に出現します。
なお、本展は2020年の開催を予定していましたが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の影響で、スケジュールが延期されていたものです。展覧会タイトルを新たに「北斎づくし」とし、プロジェクトがリスタートします。(en)
会期(予定):2021年7月22日(木)~9月17日(金)
休館日(予定):8月10日(火)、8月24日(火)、9月7日(火)
会場:東京ミッドタウン・ホール
所在地:東京都港区赤坂9丁目7-2 京ミッドタウンB1F
問い合わせ: 050-5542-8600(ハローダイヤル / 9:00-20:00)
主催:凸版印刷、日本経済新聞社、博報堂DYメディアパートナーズ、テレビ東京、BSテレビ東京
協賛:富士フイルム、日本航空、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会、KDDI
特別協力:浦上蒼穹堂
協力:山口県立萩美術館、浦上記念館、公益財団法人山形美術館、あいおいニッセイ同和損害保険
展示デザイン:田根 剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)
アートディレクション:祖父江 慎(コズフィッシュ)
展示解説:橋本麻里(ライター、エディター、永青文庫副館長)
展覧会公式Webサイト:https://hokusai2021.jp/