COMPETITION & EVENT

「RICOH ART GALLERY」が期間限定オープン

林昌二設計〈三愛ドリームセンター〉最上階に

日建設計のチーフアーキテクトで副社長などを歴任した、建築家の林 昌二(1928-2011)が設計した〈三愛ドリームセンター〉。竣工は1963年。現在も銀座の代表的なランドマークの1つとして、4丁目の交差点で存在感を放っています。

このビルの最上階・2フロアに、リコーのアートプロジェクトの一環として、「RICOH ART GALLERY(リコーアートギャラリー)」がオープンします。現時点では、1年間の期間限定とのこと(プレスリリースより)。

通称「三愛ビル」の歴史

通称「三愛ビル」とも呼ばれるこのビルは、リコー(RICOH)の創業者で、アイデア社長として複数の事業を展開した市村 清(1900-1968)の発案で建てられたものです。1946年に建てられた2階建ての〈三愛ビル〉を取り壊し、地下3階+地上9階建て、ガラス張りのシリンダー・ビルという、当時最先端のデザインと工法で新築されました[*1]。アパレルブランドとして昭和の時代に名を馳せた「三愛」の創始者も市村であり、かつてはリコーとで「リコー三愛グループ」を形成していました[*2]
つまりこの地は、リコーにとって創業者ゆかりの歴史的な地であるのです。
*1.「INAX REPORT」バックナンバー No.173『建築家 林昌二 毒本』(PDF公開版)より
*2.リコー三愛グループ「三愛会」ウェブサイト「三愛会の歴史」より

三愛ドリームセンター

〈三愛ドリームセンター〉外観

ギャラリー開設の背景

オフィスおよび商用・産業印刷の大手企業であるリコーでは、新規事業の創出に向けた取り組みとして、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS」を行っており、同プログラムで活動中の社内チームからは、アートプロジェクト「StareReap」が立ち上がっています。リコー独自のインクジェット技術とデジタル技術を用いて2.5D印刷[*3]する技法「StareReap 2.5」を制作基盤とし、凹凸や質感などを精密に、かつ自由に表現します。
*3.UVインクで積層して立体形状を表現する技術

このほどオープンする「RICOH ART GALLERY」は、このプロジェクトから生み出された作品が披露されます。
企画から制作までのすべての工程において、アーティストと「StareReap」のプリンティングディレクターが対話を重ね、多様な発想を相互に引き出し、従来にない自由度の高い表現による革新的な作品の創作を目指します。
また、美術業界の最前線で創作活動を行っている、国内外の新進気鋭のアーティストともコラボレーションし、展覧会の開催も計画しているとのこと。

三愛ドリームセンター「RICOH ART GALLERY」

8階 RICOH ART GALLERY

三愛ドリームセンター「RICOH ART GALLERY」

8階 RICOH ART GALLERY

オープンを飾る展覧会は、2010年代以降の日本のアートシーンをリードする、梅沢和木氏の個展「画像・アラウンドスケープ・粒子(Image, Aroundscape, Particle)」が、2020年4月28日から5月29日まで開催されます。

三愛ドリームセンター「RICOH ART GALLERY」こけら落とし展

梅沢和木〈画像の粒子 -Twelve Style-〉2021、紫外線硬化樹脂(StareReap 2.5プリント)にアクリル、91.5×91.5cm

デジタル画像を活用したコラージュやそこに加筆することで生まれる、デジタル世界と現実世界を行き来する梅沢氏の世界感との融合により生まれる作品を、リコー社内のアートプロジェクト「StareReap」を象徴するものとして、東京・銀座の一等地から発信します。(en)


# RICOH ART GALLERY YouTube公式チャンネル 展覧会ティザームービー:梅沢和木 個展:「画像・アラウンドスケープ・粒子(Image, Aroundscape, Particle)」(2021/04/12)

オープニング展
「画像・アラウンドスケープ・粒子」 Image, Aroundscape, Particle
会期:2021年4月28日(水)~ 2021年5月29日(土)
休廊日:月曜・日曜・祝日(※但し、4月29日~30日、5月4日~5日は開廊)
協力:CASHI

三愛ドリームセンター「RICOH ART GALLERY」

9階「RICOH ART GALLERY」から〈銀座 和光〉と中央通りの眺め

全面ガラス張りで円柱型という独特な建築構造で、銀座のランドマークとして長年親しまれてきた三愛ドリームセンターは、リコーの創業者である市村 清が豊かな未来を夢見て1963年に設立したものです。
常識にとらわれない新たな発想で多くの事業を起業し、アイデア社長として知られた創業者ゆかりの地に、最新のデジタル技術とアーティストの多様な発想を組み合わせて生み出される革新的な現代アートのギャラリーを開設することで、新たな文化の創出と発展に貢献することを目指してまいります。(リコー「StareReap」事業責任者 野村敏宏)

RICOH ART GALLERY

所在地:東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター8階・9階
開設期間(予定):2021年4月28日(水)~2022年3月30日(水)
営業時間:12:00-20:00
休廊日:月曜・日曜・祝日、夏季休業(8月12日~14日)、年末年始

今後の展覧会開催スケジュール
横田大輔 個展:2021年6月9日~7月6日
金氏徹平 個展:2021年7月中旬開催予定

※2022年12月末、名和晃平の個展「Focus」をもって閉廊(リコー 2022年12月5日プレスリリース

RICOH ART GALLERY 公式ウェブサイト(日本語版)
https://artgallery.ricoh.com

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