COMPETITION & EVENT

「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」

山本理顕氏らが登壇する連続セミナー /(公財)せたがや文化財団 生活工房主催

日本人のライフスタイルの変化と深く関わってきた「団地」。戦後の住宅難を背景に、大量に建設された団地の歴史と文化を、多様な視点から紐解くことを試みる、連続セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」が、計3回にわたって開催されます。

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」広報画像

西武庫団地 写真提供:UR都市機構

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」広報画像

団地のリビング 写真提供:UR都市機構

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」広報画像

団地のコミュニティ 赤羽台団地 写真提供:UR都市機構

ゲストは、建築家の山本理顕氏や、東京R不動産の千葉敬介氏ら。2氏1組で各回の講師を務めます(以下、一部敬称略)。
主催は公益財団法人せたがや文化財団 生活工房。

プログラム(計3回)

2022年2月13日(日)
照井啓太(団地愛好家)×大山 顕(写真家・ライター)

2022年2月26日(土)
千葉敬介(東京R不動産)×饗庭 伸(都市計画学者)

2022年2月27日(日)
原 武史(政治学者)×山本理顕(建築家)

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」ゲスト講師の顔ぶれ

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」ゲスト講師の顔ぶれ
(左下隅:大山 顕氏 近影 ©︎大山 顕 / 右下隅:山本理顕氏 近影 ©︎森 日出夫)

共通テーマ:「暮らしの創造」
開催時間:13:00-18:30(各回共通 / 進行:ゲスト講師2氏それぞれの講演の後、対談)
会場:生活工房 セミナールームA または セミナールームB
住所:東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー 5F(Google Map
参加費:各回4,000円(オンライン決済のみ)
定員:各回30名(先着順に受付、定員に達し次第締切)
参加方法:各回の詳細ページから要申し込み
主催:公益財団法人せたがや文化財団 生活工房

※各回とも、YouTubeチャンネルでの後日公開(一部)を前提に、撮影あり
※COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大状況により、内容が変更される場合あり


「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」各回概要

第1回
開催日:2月13日(日)
ゲスト:照井啓太(団地愛好家)、大山 顕(写真家・ライター)

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」ゲスト講師

照井啓太氏(団地愛好家)/ 大山 顕氏(写真家・ライター)大山氏近影 ©︎大山 顕

13:00-15:00
「団地概論」
講師:照井啓太氏
内容:照井氏は、日本各地の名作団地を紹介するファンサイト「公団ウォーカー」を運営するとともに、昭和の懐かしい団地と人々の生活の様子を伝える書籍も出版している団地愛好家。戦後の団地創世記から現代まで、各時代における団地とその暮らしの特徴や歴史的変遷について、豊富な資料をもとに解説する。

豊かな緑に包まれる常盤平団地のスターハウス

豊かな緑に包まれた常盤平団地のスターハウス

公団黎明期の標準的な2DK『日本住宅公団10年史』より(提供:UR都市機構)

公団黎明期の標準的な2DK『日本住宅公団10年史』より(提供:UR都市機構)

15:15-17:15
「メディアとしての団地」
講師:大山 顕
内容:団地は、多くの映画・小説・漫画・アニメなどの舞台となってきた。団地マニアのユニット「団地団」の一員で、団地・工場・ジャンクションといった巨大建築の写真集も多数出版している、写真家・ライターの大山 顕氏が、さまざまなサブカルチャー作品を通して団地と都市の関係について考察する。

大谷田一丁目団地2号棟 Ⓒ大山顕

大谷田一丁目団地2号棟 Ⓒ大山 顕

豊島五丁目団地10号棟 Ⓒ大山顕

豊島五丁目団地10号棟 Ⓒ大山 顕

17:30-18:30
対談

2月13日(日)セミナー詳細・申込ページ
https://www.setagaya-ldc.net/program/531/


第2回
開催日:2月26日(土)
ゲスト:千葉敬介(東京R不動産)、饗庭 伸(都市計画学者)

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」ゲスト講師

千葉敬介氏(東京R不動産)/ 饗庭 伸氏(都市計画学者)

13:00-15:00
「団地と街と暮らしの関係」
講師:千葉敬介
内容:新しい視点で団地を再発見して住み方を提案するサイト「団地R不動産」の運営や、空き店舗の多い街で、街を楽しく使うことに共感する店を集めて同時開店させることで全体を活性化する「ニューニュータウン」プロジェクトなどを手掛ける東京R不動産の千葉敬介氏による講演。団地や街に住む人や来る人がつながりと楽しさを感じる場へシフトチェンジする方法について語る。

「京都堀川団地リノベーションプロジェクト」ワークショップツアー

「京都堀川団地リノベーションプロジェクト」ワークショップツアー

15:15-17:15
「団地がつくりだした地形」
講師:饗庭 伸
内容:戦後わずか40年間に建設された団地は今、当初の役割を終えつつある。団地によって都市の中につくられた一風変わった「地形」から、どのような意味が読み取れるのだろうか?
講師は、人口減少により縮小する都市を考察した著書『都市をたたむ』で注目される都市計画学者。多摩ニュータウンなどでの実践例を交えて、団地の次なる可能性を考察する。

多摩ニュータウン 俯瞰

ニュータウン整備でつくり出された地形(於:多摩ニュータウン)

17:30-18:30
対談

2月26日(土)セミナー詳細・申込ページ
https://www.setagaya-ldc.net/program/532/


第3回
開催日:2月27日(日)
ゲスト:原 武史(政治学者)、山本理顕(建築家)

 

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」ゲスト講師

原 武史氏(政治学者)/ 山本理顕氏(建築家)山本氏近影 ©︎森 日出夫

13:00-15:00
「団地の共同体と思想」
講師:原 武史
内容:1960~70年代に、革新的な政治意識を支える基盤となった団地とその共同体。その後、コミュニティが衰退し、個人主義が勢いを増していった団地は今、住民の高齢化や孤独死の問題を抱えている。政治学者の原氏が、鉄道の沿線に建設された団地空間で生まれた思想や共同体について解説する。

ワルシャワ、モトコフの団地

ワルシャワ、モトコフの団地(2016年10月)撮影:原 武史

滝山団地6丁目1街区

滝山団地6丁目1街区(2016年11月)撮影:原 武史

15:15-17:15
「団地と地域社会圏」
講師:山本理顕
内容:国内外で多くの団地や公共施設の設計を手掛け、地域コミュニティを再構築する「地域社会圏」という新しい暮らし方を提唱する、建築家の山本理顕氏。単身化や高齢化によって限界を迎えている日本の住宅システムに代わる新たな「公/私」のライフモデルや、これから先の未来の暮らしについて、考察する。

〈パンンギョ・ハウジング〉

山本理顕設計工場+建園〈パンンギョ・ハウジング〉(2010)©︎佐武浩一

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」広報画像

山本理顕氏が提唱する「地域社会圏」イメージスケッチ

17:30-18:30
対談

2月27日(日)セミナー詳細・申込ページ
https://www.setagaya-ldc.net/program/533/


講師プロフィール(敬称略)

照井啓太 / Keita Terui
1986年生まれ。団地愛好家。

照井啓太

東京都小平市にあった電電東団地(NTT花小金井東住宅)で生まれ育ち、現在は調布市内の団地に暮らす。
高校時代に団地の研究を始め、団地ファンサイト『公団ウォーカー』を運営。団地トークショー「ダンパク(大団地博覧会)」を千葉県のUR花見川団地・大阪府のUR千里山団地などで開催。『AERA』『BRUTUS』などの雑誌・新聞のインタビュー掲載など、幅広く活躍している。
著書に『日本懐かし団地大全』(辰巳出版)、共著に『僕たちの大好きな団地 あのころ、団地はピカピカに新しかった!』(洋泉社)、写真集に『団地ノ記憶』、『団地の子どもたち 今蘇る、昭和30・40年代の記憶』(ともに洋泉社)などがある。
「タモリ倶楽部」「アド街ック天国」ほかテレビ・ラジオの出演、UR都市機構公式動画「団地ぶらぶら」出演のほか、DVD『団地日和』(アルバトロス)にはコメンテーターとして出演。

公団ウォーカー Webサイト・SNS
http://codan.boy.jp
https://twitter.com/codanwalker
https://www.instagram.com/codanwalker


大山 顕 / Ken Oyama
1972年生まれ。写真家・ライター。

大山 顕

松下電器株式会社(現 Panasonic)シンクタンク部門に10年間勤めた後、写真家として独立。団地・工場・ジャンクションなどの撮影・取材・イベントなどを行う。団地マニアユニット「団地団」の一員として活動。
NHK『熱中時間 忙中”趣味”あり』、『タモリ倶楽部』、『マツコの知らない世界』、『安住紳一郎の日曜天国』などテレビ・ラジオ出演多数。2003年から2008年にかけて写真展『大団地展』開催。
主な著書に『団地の見究』(東京書籍)、『団地さん』(エンターブレイン)、『立体交差』(本の雑誌社)、『新写真論 スマホと顔』(ゲンロン叢書)、共著に『団地団 ベランダから見渡す映画論』(キネマ旬報社)、『工場萌え』(東京書籍)、『ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市』(幻冬舎新書)など。
有料配信プラットフォーム・シラスチャンネルにて、毎週日曜22時より「大山顕の都市を現像する」配信中。

大山 顕Twitter
https://twitter.com/sohsai?s=20
団地団 Twitter
https://twitter.com/danchi_books


千葉敬介 / Keisuke Chiba
1972年生まれ。大学で建築を学んだ後、設計事務所、CGプロダクション勤務を経て、建築設計、グラフィックデザイン、映像製作などを行うフリーランスに。2005年より不動産を新たな視点で紹介するウェブサイトの運営や地域および公共空間の利活用事業を行う「東京R不動産」で活動。

千葉敬介

団地を専門に紹介するサイトの運営や団地の空き室・商店街などの活性化を行う「団地R不動産」、街に居心地の良い場所をつくったり、使われなくなった建物を活用して賑わいをつくり出したりする「ニューニュータウン」プロジェクトなどに携わる。
企画・編集の書籍に『団地に住もう! 東京R不動産』(日経BP社)、詩人の最果タヒやモデル・女優の菊池亜希子ほか8人の女性たちの目線から描いた団地の暮らしをまとめた『団地のはなし 彼女と団地の8つの物語』、UR都市再生機構との共著『団地を楽しむ教科書 暮らしと。』(ともに青幻舎)などがある。

団地R不動産Webサイト・SNS
http://www.realdanchiestate.jp/
https://www.instagram.com/danchi_r/
https://www.facebook.com/realdanchiestate


饗庭 伸 / Shin Aiba
1971年生まれ。都市計画学者。
早稲田大学理工学部建築学科卒業。博士(工学)。東京都立大学都市環境学部都市政策科学科教授。

饗庭 伸

長年にわたり、都市計画・デザインとまちづくりにまつわる市民参加の手法、市民自治の制度、NPOなどを研究する。岩手県大船渡市、山形県鶴岡市、東京都世田谷区明大前駅前地区、中央区晴海地区、日野市、国立市、多摩市など、多くのまちづくりプロジェクトに専門家の立場で携わる。
主な著書に『平成都市計画史 転換期の30年間が残したもの・受け継ぐもの』、『都市をたたむ 人口減少時代をデザインする都市計画』(ともに花伝社)、共著・編著に『コミュニティによる地区経営 コンパクトシティを超えて』(鹿島出版会)、『東京の制度地層』(公人社)、『素が出るワークショップ 人と街への視点を変える22のメソッド』『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』(共に学芸出版社)などがある。


原 武史 / Takeshi Hara
1962年生まれ。政治学者。
早稲田大学政経学部卒業後、国立国会図書館、日本経済新聞社勤務を経て、東京大学大学院博士課程中退。
放送大学教授、明治学院大学名誉教授。

原 武史

1998年『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社選書メチエ)でサントリー学芸賞、2001年『大正天皇』(朝日選書)で毎日出版文化賞、08年『滝山コミューン一九七四』(講談社)で講談社ノンフィクション賞、『昭和天皇』(岩波新書)で司馬遼太郎賞を受賞。著書に『団地の空間政治学』(NHKブックス)、『増補新版レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史』(新潮選書)、共著に『団地の時代』(新潮選書)など多数。
ひばりが丘団地、久米川団地、滝山団地、田園青葉台団地を転々とし、団地生活経験は40年以上。また鉄学者として「情熱大陸」に出演するなど鉄道好きとして知られる。
近著で朝日新聞の連載を書籍化した『歴史のダイヤグラム 鉄道に見る日本近現代史』(朝日新書 2021年9月刊行)は、ベストセラーとなっている


山本理顕 / Riken Ymamamoto
1945年生まれ。建築家。
東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了。東京大学生産技術研究所原研究室研究生を経て、1973年山本理顕設計工場設立。工学院大学教授、横浜国立大学大学院教授、2018年度から名古屋造形大学長。

山本理顕

主な建築作品に、熊本県営保田窪第一団地、東雲キャナルコート1街区、埼玉県立大学、公立はこだて未来大学、横須賀美術館、チューリッヒ国際空港複合施設など。天津、北京、ソウルなどでも公共建築、集合住宅を手掛ける。
主な受賞に、日本建築学会賞(1988年、2002年)、毎日芸術賞(1998年、2002年)、日本藝術院賞(2001年)など多数。
主な著作に、『新編 住居論』(平凡社ライブラリー)、『権力の空間/空間の権力』(講談社)、共著に『地域社会圏主義 増補改訂版』(LIXIL出版)、『脱住宅「小さな経済圏」を設計する』(平凡社)、編著に『私たちが住みたい都市 身体|プライバシー|住宅|国家』(平凡社)などがある。『都市美』創刊号(左右社、2019年)と同書 第2号(河出書房新社、2021年)では編集長(責任編集)を務めた。

山本理顕設計工場
http://www.riken-yamamoto.co.jp/

都営横川五丁目アパート 外観 Ⓒ大山 顕

都営横川五丁目アパート ©大山 顕

セミナー「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」広報画像

西新井第三団地 写真提供:UR都市機構

「暮らしの創造 団地文化から考える公・共・私」案内ページ
https://www.setagaya-ldc.net/program/525/

公益財団法人せたがや文化財団 生活工房 公式Webサイト
https://www.setagaya-ldc.net/

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