COMPETITION & EVENT

鈴木ヒラク×藤本壮介対談 12/11オンライン配信

十和田市地域交流センター(とわふる)壁画作品〈光と遊ぶ石たち〉公開記念イベント

建築家の藤本壮介氏が代表を務める藤本壮介建築設計事務所の設計により、青森・十和田市内に建設され、今年9月に開館した〈十和田市地域交流センター〉。竣工時は真っ白だった外壁に、アーティストの鈴木ヒラク氏による壁画作品〈光と遊ぶ石たち〉が設置されました。

十和田市地域交流センター(とわふる)壁画作品 / 鈴木ヒラク〈光と遊ぶ石たち〉

鈴木ヒラク〈光と遊ぶ石たち〉 撮影:小山田邦哉
縄文の環状列石をモチーフとした作品

“アートのまちのリビング”を設計コンセプトに掲げて建てられた、アートや文化活動を通じて、今後の地域交流の拠点施設となる同センター(愛称:とわふる)の外壁2面をキャンバスに、地域のランドマークとなるような壁画制作が求められ、十和田市が今年6月に公示して実施した公募型プロポーザルにて、制作者が鈴木氏に選出されました(スケジュールなど詳細は、十和田市ウェブサイトの市政情報開示資料を参照)。

壁画作品《光と遊ぶ石たち》について

十和田市の近くには、縄文時代に造られた小牧野と大湯という日本を代表する2つの環状列石(ストーンサークル)が現存しています。環状列石は、通説として、太陽など天体の動きと向き合う場であり、人々が集う祭祀の場であったとされます。こうした古代の記憶が、壁画を通して時代を超え、現代で人々が集う交流センターという場所性と響き合います。
また、タイトルである「光と遊ぶ石たち」の「石」は、環状列石のみならず、宇宙空間に浮かび太陽の光を反射する岩石、つまり惑星のことも意味しています。星の軌道や星座、あるいは日時計などを想起させる線が、石と石をつなぎ、楽しげなリズムを生み出しているかのようです。

壁画に使われているシルバーは光を反射する鉱物であり、空に開かれた藤本壮介氏の建築と呼応しながら、変化し続ける周囲の環境、天候、人々の思いを映し出し、時間や空間にゆらぎをもたらします。作者は、この壁画が「現代の遺跡」として、場の記憶を未来につないでいく媒介となることを期待しています。(十和田市現代美術館2022年12月8日プレスリリースより)

作品の完成を記念して、12月11日(日)16時より、制作者である鈴木ヒラク氏と、建物を設計した藤本壮介氏による対談イベントが、西沢立衛建築設計事務所が設計したことで知られる〈十和田市現代美術館〉館内のカフェスペースにて開催され、その模様がオンラインにて配信される予定です。

モデレーターは、十和田市現代美術館館長 鷲田めるろ氏が務め、鈴木、藤本の両氏が、それぞれが手がけた作品や建築について解説し、アート作品と建築との関係やつながりについて語る場となる予定です。
なお、鈴木氏は、藤本壮介建築設計事務所が手がけたことで知られる、群馬県前橋市のアートデスティネーション〈白井屋ホテル〉が、客室に展開している数あるアートワークを制作した作家の1人でもあります(展示風景はこちら)。

オンライン配信の視聴は無料、事前に登録が必要です。

登壇者プロフィール

鈴木ヒラク(すずき ひらく)

鈴木ヒラク(すずき ひらく)近影

鈴木ヒラク

1978年生まれ。アーティスト。
東京芸術大学大学院修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、 ベルリンなどの各地で滞在制作を行う。ドローイングを線の発掘行為と捉え、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど多岐に渡る手法を通してその拡張性を探求している。
これまでに、金沢21世紀美術館(石川、2009)、森美術館(東京、2010)、ヴロツワフ建築美術館(ポーランド、2015)、銀川現代美術館(中国、2016)、MOCO Panacée(フランス、2019)、東京都現代美術館(東京、2019-2020)など国内外の美術館で多数の展覧会に参加。音楽家や詩人らとのコラボレーションも数多く手がける。
2016 年よりドローイング研究の ためのプラットフォーム「Drawing Tube」を主宰。
作品集に『GENGA』(2010)、『SILVER MARKER-Drawing as Excavating』(2020) などがある。
現在、東京芸術大学大学院准教授。


藤本壮介(ふじもと そうすけ)

藤本壮介(ふじもと そうすけ)近影

藤本壮介 ©David Vintiner

1971年北海道生まれ。建築家。
東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介設計事務所を設立。2014 年フランス・モンペリエ国際設計競技最優秀賞(ラルブル・ブラン)に続き、2015、2017、2018年 にもヨーロッパ各国の国際設計競技にて最優秀賞を受賞。国内では、2025年日本国際博覧会の会場デザインプロデューサーに就任。2021年には、飛騨市の Co-Innovation University(仮称)キャンパスの設計者に選定される。
主な作品に、ブダペストの〈House of Music〉(2021年)、〈マルホンまきあーとテラス 石巻市 複合文化施設〉(2021)、〈白井屋ホテル〉(2020)、〈L’Arbre Blanc〉(2019)、ロンドン市内での仮設パビリオン〈サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン〉(2013)、〈House NA〉(2011)、〈武蔵野美術大学 美術館・図書館〉(2010)、〈House N〉(2008)などがある。


鷲田めるろ(わしだ・めるろ)

鷲田めるろ(わしだ・めるろ)近影

鷲田めるろ 撮影:小山田邦哉

1973年京都市生まれ、十和田市在住。十和田市現代美術館館長。東京大学大学院修士(文学)修了。
金沢21世紀美術館キュレーター(1999―2018)を経て、現職。
第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館キュレーター(2017)。あいちトリエンナーレ 2019 キュレーター。
著書に『キュレーターズ ノート 二〇〇七ー二〇二〇』(美学出版、2020)、主な論文に「アートプロジェクトの政治学 「参加」と ファシズム」(川口幸也編『展示の政治学』水声社、2009)「鶴来現代美術祭における地域と伝統」 (『アール 金沢 21 世紀美術館研究紀要』五号、2016)、「顕彰か検証かーー「表現の不自由展・その後」 をめぐって」(川口幸也編『ミュージアムの憂鬱』水声社、2020)などがある。

「十和田市地域交流センター(とわふる)壁画作品〈光と遊ぶ石たち〉公開記念 鈴木ヒラク× 藤本壮介対談」開催概要

日時:2022年12月11日(日)16:00-17:00
登壇:鈴木ヒラク(アーティスト)、藤本壮介(建築家)
モデレーター:鷲田めるろ(十和田市現代美術館館長)
会場:オンライン(十和田市現代美術館 カフェスペースにて収録 ※メディア以外の現地参加は不可)
所在地:青森県十和田市西二番町10-9
参加費:無料
視聴方法:以下URLのウェビナー登録フォオームにて、氏名とメールアドレスの登録要(申込完了者に視聴用URLを通知)
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_S0LtdoIKReGH-eQoGlCQPw

ウェビナー登録
https://towadaartcenter.com/events/stones_playing_with_lights_talk/

十和田市現代美術館 ウェブサイト
https://towadaartcenter.com/


十和田市地域交流センター ウェブサイト
https://www.city.towada.lg.jp/shisei/shisetsu/chiikikouryusenta.html

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