COMPETITION & EVENT

「世の中を良くする不快のデザイン展」

丸の内のGOOD DESIGN Marunouchiにて4/23まで

COMPETITION & EVENT2023.03.27

東京・丸の内にある、日本デザイン振興会が運営するコミュニケーションスペース・GOOD DESIGN Marunouchiにて、「世の中を良くする不快のデザイン展」が2023年3月24日より開催されています。会期は4月23日まで。
“不快”を効果的に使うことで“世の中を良くするデザイン”になっているコト・モノを選んで展示し、それらを心理効果から紐解きます。

開催の経緯

会場の「GOOD DESIGN Marunouchi」では、2021年より企画展公募を実施しており、複雑化する社会におけるさまざまな課題を解決し、新たなテーマを発見する手段として大きく役割が広がる「デザイン」について、多くの人たちに創造的な気付きを提供する企画を広く求めています。
その第2回となる今回は、全国から応募があった22の企画の中から、厳正なる審査を経て、“不快”という感覚が現代人の人間性の輪郭を浮かび上がらせる可能性と、心理的な効果に目を向けることで新しいデザインのアプローチ方法を提示するという、電通クリエーティブXの企画内容が評価され、本展が実現したものです。

世の中を良くする不快のデザイン展

一般的に良い印象を持つデザインは、「使いやすく、分かりやすいこと」「見た目が美しく、洗練されているもの」「誰もが幸せになるもの」といった側面が強く、“快”を求める傾向にあります。一方、“不快”なものは排除されがちで、不要なものとして捉えられています。
世の中を見渡すと、“不快”という視点に着目し、世の中を良くするデザインへと昇華させたコト・モノが数多く存在します。私たちの暮らしの中で心理効果を上手く使い、“不快”の側面からアプローチした、身近なモノからちょっと面白いコトまで、さまざまな事例をご紹介します。

展示事例（一部）
・不快で危険を伝える「緊急地震速報チャイム音」
・不快と快で学習する「トレーニングパンツ」
・不快で記憶力を高める「Sans Forgetica」
・面倒で価値を高める「ホットケーキミックス」
・不快で効果的に見せる「エナジードリンク」

本展では、ジオラマを用い、私たちの暮らしに隠れている「不快のデザイン」を可視化し、その事例を詳しく解説します。
千葉大学名誉教授の日比野治雄氏の監修のもと、“不快”を直接的に与えて問題を解決している取り組みやプロセス、“不快”を起点に新たな価値を生みだしたプロダクトなど、心理効果の視点から「不快」と「デザイン」の関係を解き明かしていきます。
さらに、デジタル体験コンテンツの企画制作を得意とする、Dentsu Craft Tokyoが企画制作する音や視覚で体験できるデジタルコンテンツも展示。身体と思考で「不快のデザイン」への理解を深めることを目指します。

企画者コメント

「多様性やコンプライアンスなどが強く推し進められる中で、“不快”は社会の中から排除される傾向にあります。一見それは正しいことのように感じますが、あらゆる不快を排除した先に、私たちにとって本当に「快い社会」が待っているのか？と、以前から疑問を持っていました。本展は、そんな疑問へのチャレンジでもあり、今後の社会やデザインへの新たな発見の糸口になればと思っています。（クリエーティブディレクター・中沢俊氏）

# Dentsu Creative X Inc. YouTubeチャンネル「世の中を良くする不快のデザイン展」告知映像（2023/03/26）